英検二級のレベル・合格率とは?合格するために必要な英語力とは?
英語学習初心者で英検取得を目標とするならば、まずは英検二級を目指す場合が一般的です。英検二級とは学校教育における英語学習を履修しているレベルなので、これから英語学習を始める人にとっての基盤となるレベルとなるでしょう。今回は英検二級のレベルについて具体的に解説いたします。
英検は英語学習において目標として設定されることがよくありますが、英検二級は最初の目標に設定されることが多いレベルです。
では、英検二級のレベルと合格率とはどのくらいなのでしょうか。
そして、合格するためにはどのような学習をすればいいのでしょうか。
この記事では、英語学習の最初の目標として設定されることの多い、英検二級について解説したいと思います。
英検二級のレベル
日本英語検定協会は英検二級のレベルを「高校卒業程度」と定義しています。
中学校と高校の英語カリキュラムをしっかり理解していれば合格できるレベルでしょう。
海外留学を目指す人にとっても、英検二級は一定の判断材料となります。
実際、英検二級に達していれば留学ができる大学もあり、このレベルは英語力としての土台があるとして判断されるレベルと言えます。
英検二級を他の検定と比較してみましょう。
英検と並んで有名なTOEICで換算した場合、550点~775点程度のレベルといわれています。
※英検とTOEICでは出題傾向が異なるので、あくまでも参考程度として捉えてください。
他の検定なども表にまとめましたので、参考にしてみてください。
ケンブリッジ英語検定 | Preliminary English Test(PET) |
---|---|
GTEC(ベネッセ) | A2~B1程度 |
IELTS | 4.5~5.5程度 |
TOEFL IBT | 40~60程度 |
英検二級の合格率と正答率
そして英検二級の合格率と正答率を見ていきましょう。
合格率
合格率は以前までは日本英語検定協会が公式に発表していましたが、現在は公表していません。
現在確認できる最新データである2016年の一次試験合格率は34.0%。
現在もおおむね同じ水準の合格率とみて問題ないでしょう。
英検は3級以降から、一次試験の筆記、二次試験の面接があります。
二次試験の合格率は8割ほどなので、試験全体の合格率は25%といったところになりますが、英検準二級の合格率35%と比較すると、やはり難易度は上がっています。
出題範囲や傾向を把握して、しっかり対策しましょう。
正答率
正答率に関してはスコアに特徴があるため、注意が必要です。
英検におけるスコアは技能ごとに問題数に関係なく、均等に配分されます。
つまり、技能ごとに1問あたりのスコアへの影響は異なり、同じ技能であればどの問題を正解してもスコアへの影響は同じということになります。
2015年までは配点が低いライティングが0点であっても他の技能の得点が高ければ、合格する可能性がありました。
しかし、2016年以降は今までの6割程度という正答率の目安がなくなり、リーディング・リスニング・ライティングの各技能のスコアの合算で合否判定されます。
したがって合格するためには技能のバランスが重要になってくるのです。
英検二級の一次試験の合格基準スコアは1530点で、二次試験は460点となっています。
下記に英検の各級の合格基準スコアをまとめましたので参考にしてみてください。
級 | 一次試験 | |
合格基準スコア | 測定機能 | |
1級 | 2028 | R・L・W |
準1級 | 1792 | |
2級 | 1520 | |
準2級 | 1322 | |
3級 | 1103 | |
4級 | 622 | R・L |
5級 | 419 |
級 | 二次試験 | |
合格基準スコア | 測定技能 | |
1級 | 602 | S |
準1級 | 512 | |
2級 | 460 | |
準2級 | 406 | |
3級 | 353 |
級 | スピーキングテスト | |
合格基準スコア | 測定技能 | |
4級 | 324 | S |
5級 | 266 |
合格率や正答率などより詳しく知りたい方は「日本英語検定協会の公式ホームページ」をご覧ください。
社会における評価
一般的に履歴書に記載できるのは英検二級からといわれているので、外資や企業の海外事業以外の部署であれば、英語力において一定の評価が得られるでしょう。
また、大学入試にて英語の試験免除が加点などの優遇制度を採用している大学もあります。
合格するためには?
では英検二級に合格するためにはどんな勉強をしていけばいいのでしょうか。
ここでは一次試験と二次試験の例題や傾向を確認しながら、どんな問題が出題されるか対策を解説していきます。
一次試験
単語
英検二級に必要とされる英単語数は約5,100語といわれています。
高校までに学ぶ単語数が約3,000語、大学入試には約4,000~6,000語必要とされていますので、語彙力に関しては高校卒業レベルを超えた勉強が必要になります。
英検準二級の必要語彙数は3600語といわれており、比較してみても格段に必要数が増えています。
また、単語はシンプルに意味を知っているかどうかだけでなく、知らない単語があった時に文脈から推測する力も必要です。
英検二級の単語に関してより詳しく知りたい方は「英検二級合格に必要な単語数は?押さえておくべき頻出単語、傾向は?」の記事も参考にしてみてください。
文法
文法問題は中学・高校で学んだ内容を中心に出題されます。
時制や仮定法など、高校までの文法で苦手なものがある人は、その苦手部分を重点的につぶすようにしましょう。
例題を見てみましょう。
[st-mybox title=”例題” fontawesome=”fa-list-ol” color=”#757575″ bordercolor=”#f3f3f3″ bgcolor=”” borderwidth=”3″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” title_bordercolor=”#757575″ fontsize=”” myclass=”st-mybox-class st-title-under st-list-no st-list-border” margin=”25px 0 25px 0″]
- Janet knew she had to be very quiet when she got home late last night. Otherwise, she ( ) her family up.
- would wake
- did wake
- woke
- waking
[/st-mybox]
[st-cmemo fontawesome=”fa-lightbulb-o” iconcolor=”#FFA726″ bgcolor=”#FFF3E0″ color=”#000000″ iconsize=”100″]Otherwiseは「もしそうでなければ」という意味で、この文脈では、直前で述べられている事実と反対の「仮定」を表しています。そのため、仮定法で表現している1. would wake「~を起こすだろう」が正解となるのです。[/st-cmemo]
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#E8EAF6″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]ジャネットは昨晩遅く帰宅した際に、とても静かにしなければならないということを分かっていた。さもなければ、家族を起こしてしまうだろう。
[/st-mybox]
文法はリーディングやライティングなど他の要素ともかかわりが深く総合的な英語力の向上につながるので苦手分野のままにせずに克服していきましょう。
中学校、高校で学ぶ文法について詳しく書いてある「学生時代に学んだ英語の文法を忘れた?おさらいして英語力アップ」の記事も参考にしてみてください。
リーディング
リーディングは長文の語句空所補充問題と内容一致問題が出題されます。
語句空所補充問題は空所が3つある英文が2題出題され、それぞれの空所に当てはまる語句を4つの選択肢から選ぶ形式です。
内容一致問題は長文やメールの英文が3つ出題され、それぞれの内容に関する質問に対して4つの選択肢からもっとも適切なものを選ぶ形式です。
長文は語句の意味や文法の知識だけでなく、時間配分も意識しなければなりません。早く読めるようになるために、たくさん長文を読んで練習しましょう。
リーディングの勉強方法としてはスラッシュリーディングがおすすめです。
慣れてくると文章の大意もつかみやすくなり、文章構造も見えてくるようになります。
スラッシュリーディングについて詳しく知りたい方は「【受験・試験対策】英語読解力アップのコツ」の記事も参考にしてみてください。
ライティング
ライティングはあるテーマに関して自分の意見を述べる形式の問題が出題されます。
「理由を2つ書く」「80~100語で書く」という2点を外すと減点の対象となってしまいますので注意しましょう。
テーマは日常的なものですが、英語で論理的に書いていくのは簡単ではないのでしっかり対策をしましょう。
例題を見てみましょう。
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]QUESTIONについて、あなたの意見とその理由を2つ書きなさい。
These days, many people read digital books on their computers. Do you think people will stop buying paper books in the future?
[/st-mybox]
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#E8EAF6″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]
I think that people will stop buying paper books in the future.
First of all, it takes time for people to go to bookstores and buy paper books. For example, it is easier for them to buy digital books on the Internet from anywhere.
Also, paper books are inconvenient. For instance, they cannot bring many paper books when traveling because they are heavy.
Because of all the reasons above, I think that many people will buy digital books on their computers instead of paper books.
[/st-mybox]
質問の訳は「最近、多くの人々がコンピューターで電子書籍を読んでいます。あなたは、将来人々が紙の本を買うのをやめると思いますか?」となります。
解答は自分がどちらの意見か述べて、次に意見に対する理由を2つ書きます。これだけだと文字数が少ないので、理由に対しては具体的な例があるとちょうどいい長さの文章になるでしょう。
模範解答は肯定の意見での回答ですが、否定的な回答でも問題ありません。質問の形式はある程度同じなのでテンプレートを作ってどんなテーマにも応用が利くように形式化しましょう。
また作ったテンプレートは間違いや改善点がないかネイティブや英語の先生に確認してもらい、添削してもらうことで効率もよくなります。
より詳しくライティングについて知りたい方は「英語のライティング力を上げる方法【ビジネスの必須スキル】」の記事も参考にしてみてください。
リスニング
リスニングの問題は試験時間110分のうち25分で問題数は30問です。
音声は一回しか流れないので聞き逃ししないように注意が必要です。
問題は会話の内容一致選択と文の内容一致選択の問題が出題されます。
会話の内容は日常的な場面だけでなく、ビジネスシーンもありますので、馴染みのない学生は慣れが必要です。
リスニング能力を身につけるには継続が重要ですので、毎日少しの時間でも英語を耳にする習慣をつけましょう。
具体的なリスニングの勉強法としてシャドーイングとディクテーションがおすすめです。
シャドーイングとディクテーションについて詳しく知りたい方は「【リスニング力向上】ディクテーション対シャドーイング 効率的なのは?」の記事も参考にしてみてください。
二次試験
面接
一次試験を合格すると次は二次試験ですが、一次試験を合格した人にとっては、それほど難易度が高いものではなく、合格率は80%に上るようです。
面接は苦手という方も多くいるかと思いますが、面接で聞かれる内容や流れはある程度決まっているので、対策をしっかりすれば、決して難しくありません。
面接は以下の手順で行われます。
[st-mybox title=”面接の流れ” fontawesome=”fa-list-ol” color=”#757575″ bordercolor=”#f3f3f3″ bgcolor=”” borderwidth=”3″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” title_bordercolor=”#757575″ fontsize=”” myclass=”st-mybox-class st-title-under st-list-no st-list-border” margin=”25px 0 25px 0″]
- 入室
- 「面接カード」を面接官に手渡す
- 氏名・級の確認、挨拶
- 「問題カード」を受け取る
- 黙読
- 音読
- 「問題カード」の質問
- イラストの説明
- 受験者自身の意見を問う質問
- 「問題カード」を面接官に返す
- 退室
[/st-mybox]
質問が聞き取れなかった時は自然な流れでの聞き返しなら問題ありませんが、不自然であったり、繰り返し聞き返すと減点の対象になります。
また、口ごもるなどして応答が滞る場合は次の質問に進んでしまうことがありますので注意しましょう。
英語検定協会の公式ホームページにある「2級の過去問・対策」
で面接の流れをアニメーションでわかりやすく解説しているので、活用してみましょう。
まとめ
ここまで英検二級のレベルや合格率・正答率、出題内容など紹介してきました。
英検二級は準二級と比べてみてもかなり難易度が高い試験です。
しかし、しっかりと練習を積み重ねて勉強時間を確保できれば、決して合格するのは難しくありません。
自分にあったスケージュールを立てて毎日継続して学習できるようにしましょう。
英検二級は英語学習の基礎となる試験ですので、勉強する習慣がつけばその後の英語学習のおいてもきっと役に立つでしょう。