皮肉や嫌味で関係が深まる!?ネイティブが使う英語の皮肉フレーズ
思っている感情とはあえて逆のことを口にする皮肉。英語でも発言の裏に皮肉や嫌味といったネガティブな要素が込められることも少なくありません。この記事では、皮肉や嫌味を言う際に使われる英語フレーズや、対処法などを詳しく解説します。こうした知識を身に付けておけば、相手の真意が理解でき、英語のコミュニケーション力もアップします。
思っている感情とはあえて逆のことを口にする皮肉。
英語にもirony「皮肉」という単語があるように、発言の裏に皮肉や嫌味といったネガティブな要素が込められることも少なくありません。
そこでこの記事では、皮肉や嫌味を言う際に使われる英語フレーズや、皮肉を言われたときの対処法などを詳しく解説します。
こうした知識を事前に身に付けておくことで、相手が本当に言おうとしている真意を見抜けるようになり、英語のコミュニケーション力も格段にアップします。
万人と上手くやっていくというのは難しいですので、もしものために英語の皮肉表現をしっかりマスターしておきましょう!
皮肉や嫌味を言う時に使えるフレーズ
皮肉は英語でironyやsarcasmと言われます。
ironyはまだ冗談半分というニュアンスがありますが、sarcasmは相手を明らかに傷つける誹謗中傷のニュアンスが強くなります。
- irony:ユーモアを持たせるために、思っていることとは反対のことを言うこと。どちらかと言うと「皮肉」。
- sarcasm:相手を傷つけるために、あからさまに真逆のことを言うこと。どちらかと言うと「嫌味」。
ただし両者の境界線は非常に曖昧で、明確な区別が存在するわけではありません。
同じ表現でも言い方やシチュエーションによって、皮肉か嫌味かは変わってきます。
皮肉の程度にも注目しながら、まずは皮肉を言う際に用いられる英語フレーズをご紹介していきましょう。
ありがた迷惑
相手が何か余計なことをした場合には、Thank youやThanksといった表現が用いられます。
これは文字通りとれば「ありがとう」という感謝の言葉ですが、その裏には「もう結構です」、「余計なことをしてくれました」といったネガティブなニュアンスが込められています。
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]Thank you very much for your help.
手伝ってくれて本当にありがとう(もう十分です)。
[/st-mybox]
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]Thanks a lot.
本当にありがとう(余計なことをしてくれました)。
[/st-mybox]
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]Thank you for nothing.
何にも感謝していません。
[/st-mybox]
全く感謝もしていないのにThank「感謝する」という動詞を使う場合には、あえてvery muchやa lotのように強調するのが一般的です。
また、3文目のようにfor の後をnothingにして「何にも感謝していない」と表現すると、少しストレートな表現にも変えることができます。
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]Thanks to your help, I got a new job.
君のおかげで新しい仕事が手に入った。
[/st-mybox]
同じthankを用いた表現としてはthanks to~「~のおかげで」も外せません。
こちらもthank「感謝をする」という単語が含まれているため、表面的にはポジティブのようにも見えます。
しかし、この例文の場合、相手が何か厄介なことをしたために仕事が増え、それを敢えて「君のおかげで新しい仕事が手に入った。」と言い換えています。
Thanks to~「~のおかげで」の裏には皮肉の意が込められていることがお分かりでしょう。
けなす
相手が何か大きな失敗をした場合には、あえてポジティブな意味の単語を用いることで皮肉を表すケースもあります。
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]That’s very funny.
それはとても面白い(ちっとも笑えない)。
[/st-mybox]
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]It’s so nice of you.
なんて親切(迷惑)なんでしょう。
[/st-mybox]
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]That’s great.
それはすばらしい(ひどい)。
[/st-mybox]
こうした表現が皮肉かどうかは、シチュエーションや相手の表情から察するしかありません。
こちらもveryやsoを使って強調したり、オーバーにリアクションすることで、より皮肉のニュアンスが強くなります。
わざと大げさに褒める
相手を褒める際の定番表現や最上級の誉め言葉を用いて、皮肉を強調するケースも一般的です。
ポジティブなシーンでは最高の誉め言葉になりますが、ネガティブなシーンでは強い皮肉として胸に突き刺さることもあるかもしれません。
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]Way to go!
よくやった!
[/st-mybox]
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]Good on you!
よくやった!
[/st-mybox]
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]You are a real genius!
君は本当に天才だ!
[/st-mybox]
Way to goやGood on youは「よくやった」と相手を褒める際の定番表現、「What a 形容詞⁺名詞」は驚きを表す感嘆文の定型表現です。
genius「天才」などは最上級の誉め言葉ですが、大げさに褒めることで皮肉の度合いが強調されていることがお分かりでしょう。
レベルを低く見積もる
ここまでは相手をあえて褒めるケースを中心にご紹介しましたが、中には相手を小ばかにするケースも考えられます。
間接的に相手を非難するため、嫌味としての性格が強くなると言えます。
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]Are you okay?
大丈夫(おかしくなった)?
[/st-mybox]
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]That’s too bad.
それは可愛そうに(どうでも良い)。
[/st-mybox]
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]~, you know?
分かりますよね?
[/st-mybox]
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]Does that make sense to you?
あなたにはこれが分かりますか?
[/st-mybox]
特に3文目のyou know?は「~でしょ?」という意味で日常的に用いられますが、皮肉の場合には「これくらい分かるでしょ?」というニュアンスが込められます。
4文目ではmake sense「意味をなす」という頻出イディオムが用いられていますが、こちらも同様のニュアンスです。
皮肉や嫌味は文脈から理解する
ここまで皮肉で用いられる英語フレーズをご紹介しましたが、ほとんどが表面的にはポジティブなものだということがお分かりいただけたでしょう。
実際、明確に皮肉や嫌味として使われる文法や熟語は、英語では決して多くありません。
そのため、皮肉や嫌味を見抜くためには、文脈やシチュエーションを理解することが必要不可欠です。
Very muchなどのように強調されていると皮肉であると分かりやすいですが、中にはごく普通の表現でも、文脈によって皮肉や嫌味として使われるケースも考えられます。
もし「これって皮肉かな?」と判断が難しい時は、相手の表情や語調にも注目してみてください。
褒めているように見えて目が笑っていなかったり、わざと大げさなイントネーションを使っている場合は、皮肉である可能性が高いと言えます。
どんな表現でも皮肉になり得るということを頭に入れ、状況や文脈から皮肉を見抜くスキルを磨いていってください。
皮肉や嫌味を言われたら
ここからは、もしあからさまな皮肉を言われた際の対処法をご紹介します。
言われてばかりでは精神的に参ってしまいますので、上手な返しを身に付けておきましょう。
言い返す
一番シンプルな方法は、「それって皮肉?」とズバッと聞いてみることです。
何も言わないと皮肉をどんどん言われてしまいかねませんので、勇気をもって聞いてみることも有効です。
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]Are you being sarcastic?
それって皮肉ですか?
[/st-mybox]
また、皮肉を言われたら、あえて皮肉を言い返すというのも選択肢の一つでしょう。
互いにヒートアップしないよう気を付けながら、上手な返しを身に付けてください。
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]Thank you very much for your help.
手伝ってくれて本当にありがとう(余計なことをしてくれました)。
– Anytime.
いつでも頼ってください。
[/st-mybox]
Anytimeには「いつでも」という意味があることから、「どういたしまして」というニュアンスでも用いられます。
「ありがとう」と嫌味を言われたら、あえて「どういたしまして」とそのまま返してみるのも、大きな皮肉と言えるでしょう。
Anytimeには「いつでも頼ってください」というニュアンスが込められていますので、返事としても皮肉の要素がしっかり盛り込まれています。
スルーする
皮肉を言われた際の対処法としては、そのままスルーするのも有効です。
ただし何も言わないと話を聞いていないようにも見えてしまいますので、あえて文字通り受け取ってみるという方法がおすすめです。
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]You are a real genius!
君は本当に天才だ!
– Yes, I know.
うん、知ってるよ。
[/st-mybox]
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]Way to go!
よくやった!
– Thank you.
ありがとうございます。
[/st-mybox]
こうして額面通りに返事をしたら、相手もこれ以上皮肉を言うことはないでしょう。
このように皮肉を皮肉と理解して受け止め、適度にスルーする能力も非常に大切です。
自分自身が精神的にストレスを負わないことが最も重要ですので、上手な対処法を身に付けてください。
皮肉フレーズでコミュニケーション
ここまで皮肉のネガティブな側面をご紹介してきましたが、親しい間柄ではユーモアやブラックジョークとして皮肉が使われることも珍しくありません。
マイナスのことをあえてポジティブに表現することで、コミュニケーションに「笑い」を生むことができますので、互いの絆もより深くなることでしょう。
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]What a perfect beach day!
なんてすばらしい日なんだ!
[/st-mybox]
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]Let’s go for swimming.
泳ぎに行きましょう。
[/st-mybox]
この2つは、いずれも天気が非常に悪いときに冗談交じりに話される皮肉フレーズです。
曇天の日や非常に寒い日などをイメージすると分かりやすいでしょう。
目の前のネガティブな要素を皮肉にすることで、互いに笑い飛ばすという効果が期待できます。
こうした皮肉を言う際には、口にするときの表情も重要です。深刻な顔をして重いトーンで話してしまったら、笑えるものも笑えません。顔の表情を緩め、軽いトーンで口にすることを意識してください。
また、場合によっては、意図せずとも相手を傷つけてしまうケースもあるかもしれません。
もし自分のジョークが相手の気分を害してしまった際には、素直に謝罪することをおすすめします。
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]I’m sorry. That was a bit too much.
ごめんなさい、言いすぎました。
[/st-mybox]
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]Sorry, I only meant it as a joke.
ごめんなさい、ジョークのつもりだったんだけど。
[/st-mybox]
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]I am sorry if I offended you.
もし気分を害したならごめんなさい。
[/st-mybox]
もし口が滑ってジョークが行き過ぎてしまった場合には、こうした表現が謝罪としてはぴったりです。
あまり行き過ぎても逆に問題ですが、上手に皮肉を活用すれば相手との距離も縮めることができますので、ぜひ皮肉を用いて相手との親睦を深めていきましょう。
まとめ
英語における皮肉の定番表現を覚えておけば、英語でも皮肉を見抜くことは決して難しくありません。
相手の口調やシチュエーションによってその真意を見抜くことができれば、相手とのコミュニケーションも潤滑に進んでいくことでしょう。
また、自分から皮肉が言えるようになったら、英語のスピーキングもかなりの上級者です。
ただし、あまりに強い皮肉を言うと、相手がヒートアップしてしまい、「火に油を注ぐ」ということにもなりかねません。
使う言葉や状況に細心の注意を払いながら、英語における皮肉フレーズを上手に使いこなしてください!