英語の仮定法は時制が難しい…すぐ理解できる基本ルール

2018年5月10日

英文法の中でも、特に難しいとされる仮定法。時制をずらしたり混乱しやすいルールが存在するので、仮定法は難しくて苦手だという人も多いのではないでしょうか?

仮定法は少し複雑に思えますが、実はとても単純な用法が使われています。また、「もしも~だったら」と仮定する表現は、ビジネスシーンでも日常会話でも頻繁に使用されますので、習得しておくとコミュニケーションの幅が広がるでしょう。
この記事では、仮定法の基本ルールについて、例文を通じてご紹介します。

英語の仮定法とは

「もしも~だったら」と状況を仮定して話したいときに使えるのが仮定法です。

実現不可能なことを仮定する

英文が仮定法かどうかを見分けるポイントは、「if(もしも~)」の後に実現可能な内容が続くかどうかです。実現可能な内容がきたら直説法、実現不可能な内容が続くと仮定法です。

例えば、以下の二つの文章は直説法と仮定法の文章ですが、どちらも「もしも宝くじに当たったら、君に新しい車を買ってあげるよ」という意味になります。

直接法

If I win the lottery, I will buy you a new car.

仮定法

If I won the lottery, I would buy you a new car.

【直説法】あり得ると思っている事柄を未来形で書く

if+動詞の現在形, 主語+動詞の未来形

直説法の文章の場合、話し手はその事柄が実際にあり得ると想定して文章を話しています。そのため、先ほどの例文の場合は、話し手は宝くじに当たる可能性があると考えている、ということが推測できます。

【仮定法】あり得ないと思っている事柄を過去形で書く

if+動詞の過去形, 主語+would∔動詞の原形

一方、仮定法では、話し手はその事柄がほとんどあり得ないことだとして話しています。先ほどの例文では「当たるはずないけど」というニュアンスを読み取ることができますね。このように「時制にズレをつくる」ことで非現実的であることを表現するのが仮定法のポイントです。

直説法も仮定法も「if」を使うため、混同しやすいですが、「実現可能であれば直説法、実現不可能なことであれば仮定法」と覚えておくと良いでしょう。

仮定法を使うと、事実は変えられないが「こうであったらいいのに」という話し手の願望や後悔の気持ちを言い表すことができるので表現に深みが出てきます。
仮定法は2021年から中学校で習います。それだけ覚えやすく、頻繁に使用される表現だということです。

仮定法マスターのポイントは動詞

ご紹介したとおり、現在形を過去形にすることで「あり得ないこと」というニュアンスを表現します。動詞の時制を「ひとつズラす」ことが仮定法の最大のポイントになりますので、まずはそれをよく頭に入れておきましょう。

そのためには、動詞の活用をまず押さえておくことも大切です。動詞には主に現在形(原形)、過去形、過去分詞の3つの活用がありますので、不規則動詞も含め、まずは覚えておきましょう!

ここからは、実際に「時制をズラす」ことに着目しながら、仮定法のルールを詳しく説明していきます。

仮定法のルール

ここからは、実際に仮定法の文法のルールを見ていきましょう。「あり得ないけれど、こうだったら良いのに」という思いを伝える仮定法は、ビジネスシーンでもよく使われます。

仮定法過去

仮定法の中で最もスタンダードなものが仮定法過去。「過去」という名前が入っていますが、現在のことを話す場合に使うのが「仮定法過去」です。時制がひとつズレていることに注意してください。

内容としては「今この時点で~だったらいいな」というあり得ないことや、現在の事実に対しての仮定を表現するときに用いられます。まずは下記ルールを覚え、例文で定着させていきましょう。

If+主語+動詞の過去形, 主語+助動詞(would, could, might)+動詞の原形

上記が、仮定法過去の基本ルールです。英語では、現在の事実に対しての仮定を表現するとき、時制を過去にズラすことで表します。

例文

If I had enough money, I would buy a new car.
お金が十分にあったら、新しい車を買うのに

例文

If I could speak English better, I would talk confidently at the meeting.
英語がもっとうまく話せたら、会議で堂々と話ができるのに

後半の文章に持ってくる助動詞(will / can / may)は、いずれも過去形(would / could / might)に活用するのを忘れてはいけません。

動詞がbe動詞である場合は、過去形の「was」は使わず、一部の例外を除いて過去形の「were」に統一されます。

If+主語+were+名詞

どうして「were」を使うのかはネイティブスピーカーでも説明できる人は少ない文法上のルールですので、そういうものと覚えてしまうのが得策です。

例文

If I were you, I wouldn’t agree with the proposal.
もし私があなただったら、その提案には賛成しません

仮定法過去完了

仮定法過去完了は、過去に起きた変えられない出来事を変えられるとしたらという気持ちを表すときにも使います。

「あのときこうしていれば、こうなっていたはず」という過去に起きた出来事を仮定して話すことは、文法的には仮定法過去完了と言われます。実際に使われる際は、後悔していることを表すことが多い文章です。単語「have(had)」が前・後半の文章にそれぞれ加わり、動詞が過去完了形となるだけなので難しく考える必要はありません。基本の形は以下のとおりです。

If+主語+動詞の過去完了形(had+過去分詞),
主語+助動詞の過去形+have+過去分詞

用法が長く、少し複雑に見えますが、基本の形に単純に当てはめていけばOKです。

例文

If I had had enough money, I would have bought a new car already.
もし十分なお金があったのなら、もう新しい車を買っているよ

例文

If I had known you were coming, I would have cleaned up.
もし君が来ることを知っていたのなら、片づけておいたのに

仮定法未来

仮定法未来は、起こると想定されていない未来のことを表現するときに用いられます。「万が一~だったら」というニュアンスを含み、主に以下の2パターンで構成されます。

If ∔ 主語 ∔ should ∔ 動詞の原形
If ∔ 主語 ∔ were to ∔ 動詞の原形

例文

If it should rain tomorrow, the game would be postponed.
万が一明日雨が降ったら、試合は延期されます

例文

If I were to win the lottery, I would buy you a new car.
万が一宝くじに当たったら、新しい車を買います

2つ目のルールでは、主語に関わらず「were to」を使って表現するのもポイントです。ネイティブには「was to」を使う人もいますが、基本的には「were to」を押さえておけば問題ありません。

仮定法現在

仮定法現在は、時制をずらすほどでもない、比較的起こるかもしれないという事柄に対して用いられます。仮定法未来に比べても、起こる可能性はあるかもしれないというニュアンスを読み取ることができます。

if+動詞の現在形, 主語+動詞の未来形

例文

If I win the lottery, I will buy you a new car.
宝くじに当たったら、新しい車を買います

例文

If it rains tomorrow, I will not go for shopping.
明日雨が降ったら、買い物には行きません

これは冒頭に説明した直説法と同じものであり、話し手はその事柄が実際にあり得ると想定して文章を話しています。そのため時制をズラす必要もなく、そのまま現在形で表記されます。

仮定法でよく使う表現

「if」から始まる文章だけが、仮定法とされているわけではありません。「If I were you~」はよく耳にするフレーズですが、「if」を使わずに「~だったらいいのに」という願望を表すフレーズがあり、頻繁に使用されています。

I wish

I wish+仮定法過去
I wish+主語+were+名詞, 主語+助動詞(would, could, might)+動詞の原形

仮定法過去のパートで挙げた例文を、「wish」を使った仮定法に置き換えてみましょう。

例文

I wish I could speak English better.
英語をもっとうまく話せるといいのに

例文

I wish I knew her phone number.
彼女の電話番号を知っているといいのに

例文

I wish I were a bird.
私が鳥だといいのに

「I wish~」の構文はとても便利で、自分から願望を表す発言をするときに使えるだけでなく、「あったらいいけど、あり得ない」という意味としても使えます。
例えば、あなたがここしばらく休日も出社し、忙しく働いているのを知っている同僚から金曜日に「Do you get tomorrow off?(明日は休みなの?)」と聞かれたら、「I wish~」と答えるだけで、「休みがほしいけど、無理(つまり休みではない)」という意味合いを伝えられます。
また、先方の提案にノーと言わずに断りたいときにも「I wish~」の返事が使用できます。「wish」には、「実現できれば良いけど難しい」という否定の意味合いが含まれているからです。
 

I wish以外の表現

定番の「I wish」以外にも、仮定法では様々な表現が用いられます。

例文

She speaks English very well as if (though) she was American.
彼女はアメリカ人であるかのように英語を上手に話す

事実に反することを例に「~のように」と言う時には、as if / as thoughという構文が用いられます。この場合もas if / as though以降は時制がひとつズレることに注意してください。

例文

if only I were young.
若かったらなあ

「I wish」にも近い表現ですが、onlyが付くことで「~さえ」というニュアンスが追加されます。

例文

Imagine (Suppose) you were her husband, what would you do?
あなたが彼女の旦那だとしたらどうしますか?

ImagineやSupposeは「仮定する、想定する」というニュアンスを持ちますので、後に続く文章も自ずと仮定法になります。ifが使われていなくても、事実に反することであれば仮定法ということをよく頭に入れておおきましょう。

「タラ」「レバ」を語って会話に幅を持たせよう

仮定法を知らないと日常会話ができなくなるわけではありません。

とはいえ、人は願望や後悔について話すとき、「タラ」「レバ」と、状況を仮定して話しがちです。

仮定法はレベルの高い文法に聞こえますが、同僚や友人との会話で自然に出てくる表現です。
「もしも~」と仮定することで話の内容が深まりますし、会話に幅が出ます。

ネイティブスピーカーは、少し時制が違っていても頭に「if」を聞いた段階で、相手は仮定法で話すのだろうな、と予測します。

「意味がわからない」と言われることはないので、緊張せずに仮定法をどんどん活用していきましょう。

ライター:長坂ヒロ(更新)/1億人の英語編集部(原文)
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長坂 ヒロ

長坂 ヒロ

▼略歴
WEBライター/翻訳家(英語・ポルトガル語)として活動中。年齢は30代前半。
東京外国語大学外国語学部を卒業後、旅行会社にて海外商品企画や海外添乗業務を担当。学生時代には、大手予備校の英語個別指導講師や答案添削業務を経験。

オーストラリア/ニュージーランドに計1年半在住歴もあり、現在は信州・長野県へ移住。

趣味は海外旅行。渡航経験は約30カ国。年に2~3ヵ月は海外旅行へ。

英語は肩ひじ張って勉強するものではなく、楽しく習得していくもの。英語学習を楽しく継続する方法や、ネイティブが日常的によく使う表現などを発信していきます。

【ブログ】
旅するカモノハシ~「自由ですけどなにか?」~

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