ビジネスの舞台が世界に広がるにつれて、国内・海外へ英語でメールを送る場面が増えてきます。もちろん日本語であろうと英語であろうと、ビジネスコミュニケーションのパターンに大きな違いはありません。
日本語のメールにマナーがあるように、英語メールを書く際も、知っておきたいルールやマナーがあります。
相手に伝わりやすいメールを送るには、件名や宛名の書き方のポイント、用件に応じた本文を書くための基本的なフレーズを押さえることが不可欠です。
この記事では、さまざまなシーンに応じた英語メールを送る際のポイントを、参考となる例文とあわせてご紹介します。
目次
ビジネス上の英文メールマナーの重要性
英語の場合もビジネスメールにはマナーがあります。
相手に失礼の内容な表現に気を遣うべきは日本語も同様ですが、送る相手やメールの内容に適した表現をすることは、第一印象を決定づけるだけでなく、その後の内容の伝わり方にも大きく影響します。
英語ビジネスメールの基本ルール
ビジネスメールを送る際は、次のルールを念頭に置くようにしましょう。
まず、メール1通につき用件は1つにするようにしましょう。
いくつも用件を書き連ねると、伝えたいことが読みとばれされてしまう可能性があります。
また、英語は文、話題展開の構成の特徴として、基本的に結論から述べます。
メールにおいても結論から述べるようにするのが基本ルールです。
本文は
- 結論(伝えたいこと)
- その詳細
- 結論+相手に求めるリアクション
という構成で組み立てるようにします。
そして文章は具体的かつ簡潔に書くように心がけましょう。
伝えたいことが的確に伝わるよう、余分な情報を書きすぎないように気を付ける必要があります。
それでは早速、ビジネスメールの書き方を解説していきます。
取引先など社外にメールを送る場合

メールにおける件名や宛名の基本ルールとは?
相手が最初に目にする件名と宛名は、英語メールでも重要です。ここでは基本的なルールやマナーを例文とともにご紹介します。
件名
件名は簡潔さが重要です。
特に英語メールでは、シンプルな言葉で内容を端的に表した件名が好まれます。具体的な内容を端的にまとめ、一目でメールの趣旨がわかるよう意識してみてください。
例文
顧客情報に関するお願い
例文
会議日時変更の連絡
一般的に件名欄に件名を記入する際は、頭文字を大文字にします。その際、文頭に冠詞がある場合は省かれます。
また、「the」や「about」などの前置詞は、頭文字も小文字で使われることが多いです。そのほか、強調したい単語の頭文字を大文字にする場合もあります。
大文字・小文字表記に関しては、小説のタイトルや見出しで運用されるキャピタライゼーションルールと呼ばれる基準があります。以下に3つのポイントを箇条書きします。
キャピタライゼーションルール
- 名詞、動詞、副詞、形容詞、従位接続詞(after, when, becauseなど)は大文字で表記する
- 冠詞、前置詞、等位接続詞(and, or, nor, but, for など)は小文字で表記する
- 最初と最後の単語は頭文字を大文字にする。
ただし、これらのルールがメールの件名に適応されるかどうかの判断は個人によって曖昧で、明確に決まっているわけではありません
キャピタライゼーションルールを参考にしつつ、相手にとっての伝わりやすさを考えて件名を書くことがポイントです。
実際に、件名の例を見ながら確認していきましょう。下記の件名例はいずれも基本的なフレーズなので、目的やシチュエーションに応じて言い回しを変えながら活用してください。
緊急・重要度の高いメールの場合
- 用件を【 】で囲んで強調する
- 「!」はスパムと勘違いされやすいので避ける
例文
【緊急】 アポイントメント変更のお願い
また、もしメールで案内した内容に期日がある場合は、件名に日付を明記するのも効果的です。
宛名
宛名には主に「Dear」を使います。「Dear」を日本語訳すると「~殿」「~御中」「~様」となりますが、英語では「Dear」の後に相手の名前を続けて宛名とします。
Dear以外にもHiやToなどがありますが、Hiはカジュアルな印象を、Toは知らない相手に対して用いられるため機械的な印象を相手に与えます。
そのため、Dearを基本として覚えておくことをおすすめします。
送信先の担当者が分かる場合
最初のメ-ルのときの宛名はフォ-マルな、「Dear 敬称 姓」の形を使いましょう。名前の後には「,」(カンマ) または「:」(コロン) をつけます。(コロンの方がフォ-マルになります。)
何度かのメ-ルの後は、相手によっては「Dear 敬称 名前」も使えます。
フォーマルな順に並べると、以下のようになります。
「Dear Ms. Johnson,」(Dear 敬称 姓 カンマ)
「Hello Mike,」(Hello 姓)
「Hi Mike,」(Hi 姓)
「Mike,」(名前のみ)
敬称は以下のように使い分けますが、ビジネスにおいて女性の敬称は、既婚未婚を問わず使える「Ms.」を用いるの が一般的です。
敬称の使い分け | 既婚 | 未婚 |
---|---|---|
男性 | Mr. | Mr. |
女性 | Mrs. | Miss |
送信先の担当者が分からない時
担当者が分かっていない時や、初めて問い合わせをする場合は、次のようにします。
例文
ご担当者さま
例文
ご担当者さま
例文
販売部門御中
例文
ABC社・営業部長様
本文
英語メールでは要点を簡潔に伝えることが大切です。
英語メールでの書き出しの基本フレーズを覚えましょう。
自己紹介
英語メールは本題から入るのが基本ですが、初めてメールする場合は、氏名、社名、事業内容を簡単に伝えるのがビジネスマナーです。
送り主の情報を最初に伝えることで、その後の要件が伝わりやすくなります。以下の自己紹介フレーズを参考にしてください。
例文
私は、(社名)で営業課長を務めております、○○と申します。注文を確認するためにメールしました
例文
私は(社名)の○○です。広報担当です
自己紹介の際に名乗る表現は、「I am~」または「My name is~」が一般的です。担当や役割の説明をする際は、「in charge of~(~を担当している)」や 「responsible for~(~に責任がある)」という言い方をします。
また、何の目的のメールなのかを伝える際には「I am writing to ~」という表現が便利です。このtoは目的を表す不定詞なので、直後には動詞を伴うのがポイントとなります。
本題前の気遣いフレーズ
本題に入る前に、相手を気遣うフレーズがあると印象がグンと良くなります。連絡を取り合うのが久しぶりという時には、「お久しぶりです。」「お元気にしてましたか?」などのフレ-ズを添えるのがおすすめです。
フォーマル
例文
お久しぶりです。お元気にしてましたか?
カジュアル
例文
お久しぶりです。お元気にしてましたか?
例文
お元気ですか?
既知の相手にメ-ルをする場合
既知の相手にメ-ルをする場合は、「Hi Ms. Smith, 」「Hello John,」または単に、「Hi. 」「Hello.」と簡単に挨拶をします。用件について伝える場合には、状況に応じて以下のような書き出しで始めると良いでしょう。
フォーマル
例文
~をしていただいてもよろしいでしょうか。
例文
~についてお知らせします。
ややカジュアル
例文
~についてメ-ルをしております。
例文
取り急ぎ~をお知らせします。
良い知らせ
例文
~をお知らせできて光栄です。
悪い知らせ
例文
恐れ入りますが~をお知らせします。
例文
残念ながら~をお知らせします。
フォ-マルな場での言いかえと書き言葉
ビジネスメ-ルでは相手との関係によりカジュアルな表現を用いるときもありますが、フォ-マルな場では適切な表現を使うように心がけましょう。
例えば次のようなフォ-マルへの言いかえ表現があります。
例文
~したいと思います。
例文
~して申し訳ございません。
また、英会話と違って省略された形の語彙の中には、英文書き言葉としてインフォ-マルな表現もあります。
例文
I can’t ~ ⇒ I cannot~
I don’t ~ ⇒ I do not ~
bike ⇒ bicycle
phone ⇒ telephone
I’m 名前. ではなく I am 名前. と書くようにします。
例文集などを作っておくとメールを出すときに役に立つでしょう。
英語メールの書き出し【問い合わせ・依頼】
問い合わせや依頼のメールでは、相手側が聞きたいことや、相手に求めているアクションを簡潔に伝えることが大切です。
問い合わせ
商品・サービスについて問い合わせたいときに使える表現をご紹介します。社内の人たちに向けてメールを送る際にも使えるフレーズです。
例文
貴社ウェブサイト掲載の(商品名)について問い合わせをするためにメールをしました
例文
価格表に関する問い合わせのためにご連絡をしました
例文
3月15日の戦略会議についてお伺いしたく、メールいたしました
書き出しの表現は、「I am writing to~」を使うことが一般的です。問い合わせの場合には「ask about~」や「inquire about~」と続けます。
例文
貴社の(商品・サービス名)についていくつか質問がございます
質問が複数ある場合には、「I have a few questions.」と始めると受け手がわかりやすく、解答する準備ができます。
例文
貴社の(商品・サービス名)に関して情報をいただきたく、メールいたしました
「I would like to~」は、相手に何かお願いをするときの丁寧な表現です。「I would like to some information about~」とすることで、「~に関する情報をいただきたい」という意味合いになります。「少々伺いたいのですが」というニュアンスで、丁寧に聞くときに使用できるセンテンスです。
依頼
依頼のメールでは、要件を明確に伝えることが重要です。アポイントの依頼、注文のキャンセル、スケジュール変更、資料の送付依頼の連絡など、内容を明示しましょう。
例文
来週のミーティングの日程を変更していただきたく、ご連絡いたしました
「I am writing to~」を使って依頼をするフレーズです。依頼の際も使える便利な表現なので、覚えておきましょう。
例文
顧客調査に関してメールいたしました。3月15日までに調査資料を私までお送りいただければ幸いです
「I would appreciate it if you could~」 は、とても丁寧な表現となるので、面識のない人や目上の人、相手にとって手間のかかる依頼をするときなどに使いやすいフレーズです。
例文
月曜までにお願いしたいのですが
例文
当部署の新サービスについてディスカッションするミーティングを開催させていただけないでしょうか
「I would like~」は依頼をする際の丁寧な表現として一般的ですが、「行ってください」と強制するニュアンスが含まれます。丁寧かつはっきりと依頼したいときに使うと良いでしょう。過去に依頼をしたことがある相手や、高圧的ととらえられない関係の相手であれば問題ありませんが、信頼関係が十分に構築されていない相手や初対面の相手には避けたほうが無難です。
サンプル
Dear Sir or Madam,
Hi there.
I am Taro of ABC company. I am in charge of Sales Department.
I would like to request an appointment for negotiation.
英語メールの書き出し【お詫び・感謝】
お詫びや感謝など、気持ちを伝える英語メールにも、基本的な定型文があります。丁寧に気持ちを伝えて円滑なコミュニケーションをとるために、覚えておきたい表現をご紹介します。
お詫び
お詫びを伝えるメールを送る際も、本題から書き出します。メールの返信が遅れたことのお詫び、欠席連絡をするときに添えるお詫びの言葉、クレームに対するお詫びの返信などを例に見ていきましょう。
例文
メールの返信が遅れて申し訳ありません
例文
プロジェクトAのレポート提出が遅れましたこと、心よりお詫び申し上げます
例文
配達が遅れ、誠に申し訳ございません
お詫びには、「I am sorry for~」または「I apologize for~」を使うのが一般的です。また、「very」や「deeply」、「sincerely」を使うことで、お詫びのニュアンスが強まります。
例文
直前の連絡で大変申し訳ありませんが、インフルエンザに罹患しため、本日のミーティングをキャンセルさせてください
キャンセルや予定変更をするときは、その理由を説明することもお詫びメールにおけるマナーです。「because I ~」と続けて、お詫びの理由を伝えましょう。
例文
ご迷惑をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます
「Please accept my sincerest apologies for~」は、深いお詫びをしたいときに使用します。
クレームが発生したときなど、相手に陳謝したいときに使える表現です。
感謝
訪問や会議参加、食事招待のお礼だけでなく、顧客や同僚とのやり取りの中にも感謝を伝える場面はあります。
例文
本日は私のためにお時間を取っていただきありがとうございました
例文
素晴らしい会議を企画していただきありがとうございました
例文
弊社の新製品に関してお問い合わせいただき、ありがとうございます
例文
プロジェクトAの詳細をお送りいただきありがとうございます
感謝のメールは 「Thank you for~」で書き始めるのが一般的です。「taking the time(時間を使う)」「contacting(連絡する、問い合わせる)」「sending(送る)」 など、「Thank you for~」に続けて、よく使われる表現もセットで覚えておきましょう。
例文
問題解決にご協力いただきましたことに心より感謝申し上げます
少しかしこまった表現ですが、「I appreciate~」も感謝を伝える際に使います。「appreciate」の用法で押さえておきたいポイントは、「thank you」とは異なり、「I appreciate your help.(お手伝いいただき感謝します)」など、事象に対して使われるという点です。
署名のポイント
署名には名刺と同じ情報を記載するようにしましょう。
すぐに確認したい場合等、電話出の対応を要する場合がありますので、電話番号(国番号)を含めた記載にすると良いでしょう。
【電話番号の載せ方】
+81(国番号) - 3(市外局番・冒頭の0は無し) - 3214 - 5618
同僚や上司など社内の人にメールを送る場合
ここまで社外へのメールの書き方について詳しく説明しましたが、続いて社内メールの書き方もご紹介します。社外メールに比べると簡素になりがちですが、基本的なルールは変わりません。
件名
社内メールにおいても、重要な事柄だけを端的にまとめるのがポイントです。重要な単語は目の行きやすい一番最初に持ってくるのが良いでしょう。
例文
9月1日、ミーティングのお願い
Notification of the Relocation
移転のお知らせ
Request「お願い」、notification「お知らせ」といったように、動詞ではなく単語を用いることで、シンプルかつ明瞭な賢明になります。
自己紹介
例文
人事部の〇〇です。会議が延期となりましたので、ご連絡差し上げました。
例文
マーケ部の〇〇です。ウェブページがリニューアルされましたので、お知らせします。
社外にメールを送る場合と、フォーマットは大きく変わりません。名乗る際には所属の部署を忘れずに明記しましょう。
サンプル
Hi there.
I hope all of you are doing well.
This is to let you know that weekly meeting will be held at 2 PM on 4th of June.
相手に伝わりやすい書き出しで、読みたくなるメールに
英語メールの書き出しは、挨拶や問い合わせ、感謝、謝罪など要件に合わせたパターンを覚えると、さほど難しくはありません。自分から発信するときだけでなく、返事を書く場合も同様です。初めの一文で、相手に印象の良い印象を与えられるよう、まずはテンプレ-トを参考に基本フレーズを押さえ、どんどんメール文を書いてみましょう。
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