基本だけど意外とつまずく?名詞に関する英語の基礎の「キ」
英語学習で最初に触れることになる名詞。基本の品詞ですが、その用法を正確に理解している人は意外と多くありません。英語の名詞には日本語の名詞とは異なる文法上のルールがあるので、それらがスムーズな理解の妨げになっている側面もあ
英語学習で最初に触れることになる名詞。基本の品詞ですが、その用法を正確に理解している人は意外と多くありません。英語の名詞には日本語の名詞とは異なる文法上のルールがあるので、それらがスムーズな理解の妨げになっている側面もあるでしょう。そこで今回は、名詞の種類や用法、可算名詞と不可算名詞の違いなどについて、例文とともに詳しく解説します。
名詞の種類
まずは、名詞の種類について見ていきましょう。名詞にはいくつか種類がありますが、ここでは、その中でも重要度の高い固有名詞と代名詞について解説します。
固有名詞
人や土地、建物の名称など、固有の名前を表す名詞のことを「固有名詞」と呼びます。固有名詞には、最初の文字を大文字にするというルールがあります。いくつか固有名詞の例を見てみましょう。
- Japan(日本:国)
- Tokyo(東京:都市)
- Shinjuku Station(新宿駅:駅)
- Tom(トム:人の名前)
- Central Park(セントラル・パーク:公園)
- Mount Fuji(富士山:山)
- Google(グーグル:企業)
上記の名詞はそれぞれ固有の名前を持つ固有名詞となります。
また、以下のケースに当てはまる場合には、固有名詞の前に冠詞の「the」をつけることがあります。
川・運河・海
- the Hudson River(ハドソン川)
- the Pacific Ocean(太平洋)
複数形の固有名詞
- the Alps(アルプス山脈)
- the United States of America (アメリカ合衆国)
ofのつく固有名詞
- the University of Oregon(オレゴン大学)
- the Cape of Good Hope(喜望峰)
公共の建築物
- the British Museum(大英博物館)
- the White House(ホワイトハウス)
新聞・雑誌
- the New York Times(ニューヨーク・タイムズ紙)
- the Economist(エコノミスト誌)
代名詞
代名詞とは、名詞の代わりになる品詞です。文法書などでは名詞とは別項目で説明されることも多いですが、名詞と関係が深い品詞ですので、この機会に基本事項を確認しておきましょう。
主な代名詞は以下の通りです。
- 人称代名詞(she, he, theyなど)
- 指示代名詞(this, that, thoseなど)
- 不定代名詞(one, some, any, other, など)
- 疑問代名詞(who, whoseなど)
- 関係代名詞(who, what, whichなど)
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これらの代名詞の基本的な役割は上述の通り「名詞の代わり」になることです。英語は原則として主語を省略しないので、必然的に同一の人・モノ・コトが文章の中に何度も登場します。一方で、英語は同じ単語の繰り返しを避ける言語です。ですから、すでに登場した名詞の代わりになる代名詞が頻出することになります。
以下、代名詞の中でも重要度の高い人称代名詞と指示代名詞を使った例文です。
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Tom is my older brother. He is a University student.
(トムは私の兄です。彼は大学生です。)
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最初の文に出てくるTomと次の文のHeは同一人物です。2つ目の文では、繰り返しを避けるために人称代名詞のHeが用いられています。
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I can’t find my iPhone. Do you know where it is.
(iPhoneが見つからない。どこにあるか知ってる?)
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2つ目の文に登場する人称代名詞のitは、前の文のiPhoneを指しています。
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Steve said he had lost the document, but that was a lie.
(スティーブはその書類を紛失したと言っていたが、それは嘘だった。)
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文の後半に出てくる指示代名詞のthatは、「he had lost the document」という節の内容を指しています。
名詞の使い方
続いて、名詞の用法について解説していきます。名詞は文章の中でどのような使われ方をするのでしょうか。
主語として
英語の文法を習う時に必ず出てくる「SVO」「SVOC」などの文型には、必ずSとVが入っています。このことからも分かる通り、英語の文は原則として主語(subject)と動詞(verb)がなければ成立しません。名詞は文の中で主語になることができます。名詞は英語の文の中心を担う重要な品詞なのです。
名詞が主語として機能している文を実際に見てみましょう。
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Hanako is a lawyer.
(花子は弁護士です。)
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上の例文では、固有名詞の花子が主語となっています。
目的語として
名詞は目的語としての働きもします。目的語とは動作・行為の対象となる語です。例文を見てみましょう。
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I like coffee.
(私はコーヒーが好きです。)
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上の例文では、coffeeが目的語となっています。
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He speaks English fluently.
(彼は流暢に英語を話します。)
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ここでは、名詞のEnglishが目的語として機能しています。
その他の使い方
名詞は主語、目的語以外にもさまざまな使い方があります。順に見ていきましょう。
所有を表す名詞の形
英語で「AのB」のように所有を表す表現をしたいとき、どのような言い方をすれば良いか分かりますか?
正解は「A’s B」となります。
このようなA’sという形は「名詞の所有格」と呼ばれます。いくつか例を挙げてみましょう。
- a baby’s head(赤ちゃんの頭)
- a dog’s tail(犬のしっぽ)
- a women’s college(女子大学)
- Kazuo Ishiguro’s novels(カズオ・イシグロの小説)
日本語の「?の」と似たような使い方なので、分かりやすく感じるのではないでしょうか。
例文も見てみましょう。
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Today is Emi’s birthday.
(今日はエミの誕生日です。)
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この文では、エミの誕生日をEmi’s birthdayと表現しています。
名詞の所有を表す表現は、上で説明した名詞の所有格以外に「A of B」という形もあります。
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Can you see the roof of the temple?
(お寺の屋根が見えますか?)
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ここでは、「お寺の屋根」を「the roof of the temple」と表現しています。
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I went shopping with a friend of mine last Sunday.
(先週の日曜日、友達と買い物に行きました。)
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買い物に一緒に行った「(私の)友達」を「a friend of mine」と表現しています。この言い方はよく使われるので、覚えておきましょう。
前置詞+名詞
名詞は前置詞と組み合わせて使われることが非常に多いです。例文を見てみましょう。
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I’m going to meet Angella at the office tommorow.
(明日、会社でアンジェラと会う予定です。)
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名詞のofficeの前に前置詞のatを置くことで、「会社で」と表現できます。
以下、よく使われる名詞と前置詞の組み合わせの一覧です。
- on the table(テーブルの上に)
- in Tokyo(東京に・東京で)
- at school(学校で)
- by walk(徒歩で)
- on Monday(月曜日に)
- with Mr.Takahashi(高橋さんと)
- for a month(1ヶ月間)
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数えられる名詞・数えられない名詞
英語の名詞はが数えられるかどうかによって文中での使われ方が変わります。この性質は、英語の名詞と日本語の名詞の最大の違いと言えるでしょう。数えられる名詞を「可算名詞」、数えられない名詞を「不可算名詞」と呼びます。それぞれの特徴について見ていきましょう。
可算名詞
可算名詞(数えられる名詞)は、単数系の場合に単独で使えません。文中では必ず、a(an)、the、myなどと結びつきます。複数形の場合は原則として語尾にsがつきます。
可算名詞の例
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I bought an apple and three eggs at the supermarket.
(スーパーマーケットでリンゴ1個と卵3個を買いました。)
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買ったリンゴは1個なので冠詞のappleの前にanがつき、卵は3個なのでeggsと複数形になっています。
複数形の不規則変化
可算名詞は複数形の場合に形が変わります。原則は、語尾にsをつけるだけです。しかし、children(childの複数形)、tooth(teethの複数形)などのように、不規則に変化する名詞もあります。以下、不規則に変化する代表的な名詞を一覧にしました。
- man → men(男性)
- woman → women(女性)
- child → children(子供)
- teeth → tooth(歯)
- mouse → mice(ねずみ)
- foot → feet(足)
- datum → data(データ)
- phenomenon → phenomena(現象)
上記以外にも複数形が不規則に変化する名詞はありますが、英語の文章に多く触れる中で自然と覚えられるでしょう。
不可算名詞
上述の通り、不可算名詞とは数えることができない名詞のことを言います。不可算名詞の特徴は以下の通りです。
- aやanなどの冠詞をつけない。
- 原則として複数形にできない。
- 数詞を直接つけない。
これらの特徴を不可算名詞のcoffeeを例にとって見ていきましょう。
不可算名詞の例
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I drink coffee every morning.
(私は毎朝コーヒーを飲みます。)
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上の文では、coffeeの前に不定冠詞のaがついておらず、複数形にもなっていません。ここでのcoffeeは飲み物の種類を指しており、数えることができないからです。
それでは、「毎朝コーヒーを3杯飲む」と言いたいときにはどのように表現したら良いでしょうか。
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I drink three cups of coffee every morning.
(私は毎朝コーヒーを3杯飲みます。)
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コーヒーはコップに入った状態であれば1つのまとまりとして数えられるようになるので、上の例文のように可算名詞のcupの前に数詞のthreeを置き、cupsと複数系にします。例文のcoffeeの部分をteaやwaterに変えることも可能です。
不可算名詞が可算名詞として扱われるケース
先ほどの例文のように、原則としてcoffeeには不定冠詞のaがつかず複数形にもなりませんが、カフェやレストランでの注文では話が違ってきます。カフェやレストランでは、コーヒーを1つのメニューとして捉えることができますから、aをつけたり数詞をつけて複数形にすることもできるのです。
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Can we have a coffee and two teas, please.
(コーヒーを1つと紅茶を2つください。)
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このように、通常、不可算名詞として使われる名詞が、文脈によって可算名詞として扱われることがあります。見極めるポイントは、それぞれの名詞が範囲を限定でき、1つのまとまりを持ったものとして捉えられるかどうかです。原則は押さえつつ、文脈や状況によって可算名詞なのか不可算名詞なのかが変わってくることも頭に入れておきましょう。
この他、不可算名詞には以下のようなものがあります。
- air(空気)
- dirt(土)
- iron(鉄)
- butter(バター)
- information(情報)
- knowledge(知識)
- happiness(幸福)
- money(お金)
- music(音楽)
water、air、iron、butterなどの液体・気体、素材、材料などを表す名詞は「物質名詞」、information、knowledgeなどの抽象的で一つのまとまりとして捉えることのできない名詞は「抽象名詞」と呼ばれます。これらは、そのままの状態では数えることができないので、不可算名詞となります。
まとめ
名詞の種類や基本的な使い方について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。名詞の用法は一見すると複雑でややこしく感じられるかもしれませんが、これらは英語を学ぶ上での基本事項となります。今後の英語学習をより効果的に進めていく上でも重要ですから、ぜひ押さえておきましょう。