現在完了形のポイント|「~した」と「~したところだ」の違いとは?
英語の初心者と中級者を見分けるポイントの一つに、会話の中で現在完了形を適切に使えているかどうかがあります。現在完了形というと、難しいという先入観を持っている人がいるかもしれませんが、基本ルールさえ知っていれば、簡単に活用できて、経験や自分の考えを的確に言い表すことが可能です。例えば、ただ「アメリカに行った」ではなく「アメリカに行ったことがある」という経験のニュアンスを込めたり、「報告書を作成した」ではなく「ようやく報告書ができた」と完了の意味を含めたりできます。この際、現在完了形をしっかりと使いこなせるように勉強しておきましょう。
この記事では、英語の現在完了形と現在形や過去形との違いをはじめ、現在完了進行形についても解説します。
英語の初心者と中級者を見分けるポイントの一つに、会話の中で現在完了形を適切に使えているかどうかがあります。現在完了形というと、難しいという先入観を持っている人がいるかもしれませんが、基本ルールさえ知っていれば、簡単に活用できて、経験や自分の考えを的確に言い表すことが可能です。例えば、ただ「アメリカに行った」ではなく「アメリカに行ったことがある」という経験のニュアンスを込めたり、「報告書を作成した」ではなく「ようやく報告書ができた」と完了の意味を含めたりできます。この際、現在完了形をしっかりと使いこなせるように勉強しておきましょう。
この記事では、英語の現在完了形と現在形や過去形との違いをはじめ、現在完了進行形についても解説します。
現在完了形が表す意味と他の用法との違い
現在完了形には、主に4つの意味合いがあります。まずは、それぞれについて例文を通して確認していきましょう。
現在完了形の意味合い
継続
「今もずっと~している」という意味を表します。しばしば「since(~から)」がセットで用いられます。
I have studied architecture since 2000.(私は2000年から建築学を学んでいる)
学び始めたのは2000年で、その後、現在までずっと学び続けているということを表現できます。
経験
「~したことがある」という意味を表す用法です。例えば、「行ったことがある」と「行った」では、どちらもその土地に行った事実は同じですが、「行った」が「いつ行ったか」を視点に話しているのに対し、「行ったことがある」は「行ったかどうか」という視点で経験について伝えられます。以下の例文を見てみましょう。
I have been to London.(私はロンドンへ行ったことがある)
「I went to London.」では、過去にロンドンへ行ったという事実しか伝わりませんが、現在完了形を用いることで、自分の「経験」について述べられます。
完了
「~し終えた」「~したところだ」など、今終わったばかりの状態であることを伝える表現です。「just(たった今)」とともに使われることが多く、「すべきことをきちんと完了した」ことを強調したいときに「完了」の用法が重宝します。
I have just finished the task.(私は仕事を、たった今終えたところだ)
結果
「~した結果…になる」「~の内容により…の結果となった」という状態を表します。
I have lost my wallet.(私は財布をなくしてしまった)
結果の用法を使うと、〜した結果を伝えることで現在の状態を表せます。上記の例文では、財布をなくし、その結果、今もお金やカードがないという状態を表現します。
現在完了形と現在形、過去形、過去完了との違い
現在形との違い
現在形は、現時点での状態や現在の習慣を表します。現在完了形は、現時点まで続く状態や、経験を表します。次の二つの例文を見てみましょう。
I live in Tokyo.(東京に住んでいます)
I have lived in Tokyo since 2008.(2008年から東京に住んでいます)
どちらも、今東京に住んでいるという事実は同じです。ただし、現在完了形を使うことで、過去のある時点からずっと住んでいることを強調して伝えられます。
過去形との違い
過去形は、過去のある時点での状態を表します。一方、現在完了形の「経験」の表現は、過去について「~したことがある」という意味で、現在に続く経験として表現するために使います。以下二つの例文を見てみましょう。
I played tennis yesterday.(昨日テニスをしました)
I have played tennis.(テニスをしたことがあります)
どちらもテニスをした事実は同じです。しかし、過去形では「昨日テニスをしました」と、「いつテニスしたか」という視点なのに対し、現在完了形では「これまでにテニスをしたことがあるか」という視点で話されるのが大きな違いです。その動作を今までに行ったことがあるか、という観点で話したいときは現在完了形を使いましょう。
過去完了形との違い
過去完了形は、過去のある時点よりもさらに以前の事柄を表すときに使います。一方、現在完了形は現在まで続く状態について言及したいときに使います。
【過去完了形】
I had lived in Tokyo before my father died.(父が亡くなるまで東京に住んでいた)
【現在完了形】
I have lived in Tokyo since 2000.(2000年以来ずっと今も東京に住んでいる)
「~したことがある」など経験を表す現在完了形
現在完了形を使いこなせるようになるために、まずは基本ルールを押さえましょう。ここでは、現在完了形の構文のおさらいと注意点をご紹介します。
現在完了形の基本ルール
主語+have+過去分詞
上記が、現在完了形の基本の構文です。現在完了形を用いることで「継続」「経験」「完了」「結果」の4つの意味合いを表現できます。
例えば、過去形「I finished my work.(仕事が終わった)」を現在完了形にすると、「I have finished my work.(仕事が完了した)」となります。
現在完了形の注意点
現在完了形は一定の期間を表す用法のため、「yesterday」や「now」などある時点、瞬間を表す単語とは一緒に使えません。なぜなら現在完了形は現在まで続く「期間」を示す表現だからです。そのため、「since(~以来)」や「for(~の間)」など、期間を表す表現とセットでよく使われます。
また、「行ったことがある」と表現する場合は「go(行く)」でなく「be(いる)」を使います。「go」を使うと、行ってしまったきり、戻ってきていない状態を表すことになるので注意が必要です。「be to」で「いる」という意味はありませんが、現在完了形の特殊な活用として、「be」の後は「to」となります。
【「be」を使った場合】
He has been to America.(彼はアメリカに行ったことがある)=今はアメリカにいない
【「go」を使った場合】
He has gone to America.(彼はアメリカに行ってしまった)=今はアメリカにいる
現在完了形の例文
それでは、現在完了形の例文を用法別に見ていきましょう。
継続
I have known him since 2000.(彼と私は2000年から知り合いです)
I have wanted this for a long time.(これ、ずっとほしかったんです)
She has been ill since then.(彼女はあれ以来病気だ)
過去から現在に続く気持ちや状態を表しています。「I know him.」ですと、ただ彼のことを知っているということしかわかりませんが、「I have known him since 2000.」と聞くと、話し手と彼との関係の深さが伝わります。
経験
I’ve tried Natto before.(私は以前、納豆を食べてみたことがある)
Have you ever visited India?(インドへ行ったことはありますか?)
She has never seen Mt.Fuji.(彼女は富士山を一度も見たことがない)
話し手の経験について伝える用法です。経験の用法を使う際は、しばしば「ever(今まで)」や「never(決して~ない)」が用いられます。
完了
I have brushed my teeth.(私はもう歯は磨き終わった)
I have done my homework.(私はもう宿題は終えた)
She’s just come back home.(彼女は帰宅したばかりだ)
ただ終えただけではなく、すべきことを完了したことを伝える用法です。また、たった今終わったことを強調するときにも使われます。
結果
She has gone back to her country.(彼女は母国に帰ってしまった→もうここにいない)
I have lost my key.(鍵をなくしてしまった→家に入れない)
The clock has struck one.(1時になってしまった→締め切りを過ぎた)
結果の用法は、「その結果どうなったのか」という状況を連想させる表現です。例えば、上記の例文からは「→」以降のことが想像できます。
「ずっと~している」状態を表す現在完了進行形
続いて、現在完了進行形の意味と用法についても確認しておきましょう。現在完了進行形を使うと、過去のある地点から現在までの継続状態を示すだけにとどまらず、さらにこの先も続くというニュアンスを表現できます。
現在完了進行形の意味合い
現在完了進行形を使うと、過去から現在に続くことで「今も行われている」ことについて説明できます。一方、現在完了形は「今までしてきた」という意味合いが強く、現在完了進行形の「今もずっと~している最中」という意味合いとは異なります。見分け方としては、現在完了形では継続的な意味を持つ状態動詞(live、likeなど)を使い、現在完了進行形では進行中の動きを表す動作動詞(study、playなど)を使って区別します。
現在完了進行形の基本ルール
have+been(be動詞の過去分詞)+~ing(動詞の現在分詞)
上記が、現在完了進行形の基本の構文です。現在完了形の構文に、進行形を組み合わせて使います。
現在完了進行形の例文
I have been studying English for ten years.(私は10年間、英語を勉強しています)
今まですでに10年間学んできただけでなく、これから学び続けるニュアンスです。現在完了形では、今後も続けるかどうかの継続のニュアンスは出せません。
I have been eating only organic vegetables.(私は有機野菜のみを食べています)
以前からずっと続く習慣で、今後も続けていくニュアンスです。ただの進行形よりも、継続している時間の長さを強調できます。
現在完了形を使い、経験や意思を表現豊かに伝えよう
「~したことがある」という経験や「~してしまった」という完了などを表す現在完了形と「長く続けてきたことを、これからも続けていくつもり」というニュアンスを出せる現在完了進行形。この二つをマスターすると、自分の行動だけでなく、そのバックグラウンドや意思も伝えられるようになり、発言に奥行きが増します。用法は単純なので、意味を理解した上で、普段の英会話で積極的に活用していきましょう。