英語の参考書で必ずと言って良いほど目にする「接続詞」。
種類がたくさんあるうえに、それぞれ用法が異なるため、なんとなく苦手意識を持っている方も多いことでしょう。
「接続詞」と言うと確かに難しそうに聞こえますが、日本語でも「そのため」、「しかし」などが接続詞にあたるように、ごく日常的に使っている表現なのです。
そこでこの記事では、接続詞を大きく2種類に分類したうえで、意味別に接続詞を約30個ご紹介します。
接続詞は会話の流れを左右する重要な表現。使いこなせるかどうかで英会話や読解のレベルも大きく変わってきますので、ぜひこの機会に接続詞をマスターしてください!
接続詞とは
そもそも「接続詞」とは、文法的にどのような表現を指すのでしょうか。まずは接続詞が持つ2つの特徴を押さえておきましょう。
前後の文(単語)を繋ぐ
接続詞の本質は、「前後の文や単語を繋ぐ」ということです。
単語を繋ぐ
私は野球とサッカーが好きです。
文を繋ぐ
私は野球が好きで、あなたはサッカーが好きです。
1文目ではbaseball「野球」とfootball「サッカー」の名詞同士が、2文目ではI like baseball「私は野球が好き」とyou like football.「あなたはサッカーが好き」の文(節)同士が繋がっていることが分かりますね。
このように前後の内容を関連付けるのが、接続詞の根本的な役割と言えます。
会話をスムーズにする
接続詞の役割としては「会話をスムーズにする」ということも外せません。言い換えると、接続詞を上手に使うことで話の方向性を示し、会話をスムーズに展開することができるのです。
例文
私は彼のことが好きです。彼は私のことが好きではありません。
→I like him, but he doesn’t like me.
私は彼のことが好きです。しかし、彼は私のことが好きではありません。
例えば上記の例文では、but「しかし」があるだけで前後の文章がスムースに繋がることがお分かりでしょう。
聞いている方としても、but「しかし」という話のベクトルがあるだけで、後半の「彼は私のことが好きではありません。」という内容をだいたい予想することができます。
前置詞との違い
前後の内容をつなぐ品詞として、前置詞も挙げられます。役割が似ていることから、接続詞と前置詞を混同してしまう英語学習者も少なくありません。
そこでここでは、接続詞と前置詞の根本的な違いを明確にしておきましょう。
- 前置詞:直後に名詞が来る
- 接続詞:直後に文章(S+V)が来る
前置詞
彼の親切さゆえに、私は彼が好きです。
接続詞
彼は親切なので、私は彼が好きです。
前置詞because ofは後ろにkindness「親切さ」と名詞を伴うのに対し、接続詞のbecauseは後ろにbecause he is kind.「彼は親切なので」と文章を伴います。
中にはbeforeやafterのように、接続詞と前置詞の両方で使われる単語も存在しますが、後ろに続く品詞をチェックすれば、接続詞と前置詞を区別するのは決して難しくありません。
接続詞の種類
具体的に接続詞をご紹介する前に、まずは接続詞を大きく2つに分けて解説しましょう。接続詞は「等位接続詞」と「従属接続詞」の2つに大きく分けることができます。
等位接続詞
一つ目の「等位接続詞」とは、文字通り「等しい位を接続する」品詞。言い換えると、単語同士や文同士など、似ている者同士をつなぐ接続詞です。
等位接続詞の例としては、下記の6つが代表的です、それぞれの頭文字をとって”FANBOYS”と覚えると簡単ですね!
for「と言うのも~だから」
例文
私は彼が好きです。と言うのも彼は親切だからです。
and「そして」
例文
私は野球とサッカーが好きです。
nor「もまた~ない」
例文
私はお酒を飲まないし、タバコも吸いません。
but「しかし」
例文
私は彼のことが好きです。しかし、彼は私のことが好きではありません。
or「または」
例文
犬と猫のどちらが好きですか?
yet「しかし」
例文
私は彼のことが好きです。しかし、彼は私のことが好きではありません。
so「だから」
例文
彼は親切なので、私は彼が好きです。
いずれも単語同士、文同士など、同じ単位の英語を繋いでいることが分かりますね。
一つだけ注意点としては、等位接続詞は文頭では使えないということが挙げられます。例文のように文中で用いるのが基本ですので、間違えのないよう注意してください。
接続副詞
等位接続詞とセットで押さえておきたいのが「接続副詞」。これは厳密には副詞であるものの、等位接続詞と同じような役割を果たしている副詞のことを指します。
therefore「そのため、したがって」
例文
私は体調が悪いです。そのため、今日は仕事に行けません。
meanwhile「一方」
例文
私は仕事に出かけました。一方、彼女は買い物に出かけました。
moreover「さらに」
例文
この時計は良さそうです。さらに安いです。
otherwise「さもないと」
例文
もう行かなくてはなりません、さもないと電車に乗り遅れてしまいます。
接続副詞は等位接続詞と違って文頭で使えうことができますが、同じ文章の中で使用することはできません。一回文章を区切り、新たな文を作る必要があるのです。
等位接続詞と似ているようで微妙に用法が異なりますので、使い分けに注意しましょう。
従属接続詞
もう一つの「従属接続詞」は、似ていない要素同士をつなぐ接続詞。従属接続詞の前後には主従関係が生まれ、従属節が主節の一部として機能します。
because「~だから」
例文
彼は親切なので、私は彼が好きです。
when「~とき」
例文
駅に着いたとき、雨が降り始めました。
if 「もし~なら」
例文
もし鳥だったとしたら、何をしますか?
従属接続詞は文頭でも文中でも使うことができますが、文頭で使う際には区切れにコンマ(,)を使わなくてはなりません。
いずれにしても、従属接続詞に続く従属節よりも主節のほうが、文の意味としては重要であることが分かります。
接続詞の使い方
それでは具体的にどのような接続詞があるのか、主に6つの意味に分けて接続詞をご紹介していきましょう。
順接
順接の接続詞は、「だから」と訳される接続詞。文の前半部分が後半部分の順当な要因を表しています。
so「だから」
例文
彼は親切なので、私は彼が好きです。
therefore「だから」
例文
私は体調が悪いです。そのため、今日は仕事に行けません。
thus「そのようにして」
例文
私は一日中外で過ごしました。そのようにして私は日焼けしました。
consequently「結果として」
例文
私はその考えが好きじゃありませんでした。その結果、私はそれを断りました。
逆接
逆接の接続詞は「しかし」と訳されるのが一般的。文の前半部分とは逆の結論が来るときに使われます。
but「しかし」
例文
私は彼のことが好きです。しかし、彼は私のことが好きではありません。
although(though)「~だが」
例文
雨が降っていたが、私たちは出かけることにしました。
however「しかし」
例文
彼女は病気だったが、買い物に行かなくてはなりませんでした。
並列・添加
並列・添加は、文の後半で補足的に情報を追加するときに使う接続詞。「そして」、「さらに」と訳されるのが一般的です。
and「そして」
例文
私はお風呂に入り、ビールを飲むのが好きです。
also「さらに」
例文
今日は一生懸命働かなくてはなりません。さらに夜はジムに行きたいです。
furthermore「さらに」
例文
このアプリはすごく素敵です。さらに、これは無料です。
additionally「さらに」
例文
私は昇給しました。さらに宝くじにも当たりました。
対比・選択
対比・選択は、2つ以上のものを対比したり、1つを選んだりするときに使う接続詞。代表的なorをはじめ、下記のような接続詞があります。
or「~か」
例文
犬と猫のどちらが好きですか?
while「一方」
例文
私は犬が好きだが、一方で彼女は猫が好きだ。
in contract「対照的に」
例文
昨日は激しく雨が降りました。対照的に、今日は晴れています。
説明・補足
説明・補足は、結論に情報を追加するために用いられる接続詞。主に理由や結果を追加するのが一般的です。
because「~だから」
例文
彼は親切なので、私は彼が好きです。
since「~だから」
例文
雨が降り始めたので、今日は終わりにしましょう。
as「~だから」
例文
それはとても良いから買うべきです。
as a result「その結果」
例文
私は地図を持っていませんでした。その結果、迷子になりました。
転換
転換は、文字通り話題を変えるために用いられる接続詞。文の前半と後半で、大きく話題や方向性を変えることができます。
anyway「いずれにせよ」
例文
いずれにせよ、あなたは彼に感謝すべきです。
by the way「ところで」
例文
ところで、メアリーを見ましたか?
まとめ
約30個もの接続詞をご紹介しましたが、どれも一度は見たことがあるものばかりだったのではないでしょうか?
接続詞には前後の単語や文をつなぐ役割があり、大きく等位接続詞と従属接続詞の2つに分けられます。
いずれも話の展開を示すベクトルとなるため、接続詞をしっかり理解すれば、英会話や読解で内容を理解する際にも大いに役立つことでしょう。
ぜひこの記事を参考に接続詞をマスターし、英語力アップに役立ててくださいね!
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