英熟語が覚えられない!英熟語暗記のNGとオススメ暗記法
この記事では、間違った英熟語暗記法を取り上げたうえで、おすすめの英熟語暗記法やポイントなどを解説します。「英熟語は苦手」、「英熟語が覚えられず困っている」という方はぜひ参考にしてください!
英語学習者にとって大きな壁となる英熟語。英単語に比べても脳に定着しづらく、「なんとなく後回しにしてしまっている」という方も多いのではないでしょうか?
英熟語には”make the best of”と”make the most of”のように似ている熟語も多く、頭が混乱してしまうということも少なくありません。しかし、英熟語を難しいと感じるのには必ず理由があり、正しい暗記法さえ押さえて記憶していけば、厄介な英熟語も効率よく記憶することができるのです。
この記事では、間違った英熟語暗記法を取り上げたうえで、おすすめの英熟語暗記法やポイントなどを解説します。「英熟語は苦手」、「英熟語が覚えられず困っている」という方はぜひ参考にしてください!
熟語が難しいと感じる理由
英単語よりもはるかに厄介に感じられる英熟語。これは英熟語が2~3の連語であるというだけでなく、他にも様々な要因が関係しています。
英熟語において多くの方が苦戦するのが「前置詞」の存在でしょう。前置詞にはそれぞれ異なるニュアンスが含まれているため、どれだけ似ている英熟語でも前置詞が異なれば意味も全く変わってきます。
例えば、getという基本的な動詞一つとっても、英熟語は下記の通りバリエーション豊富です。
英熟語 | 意味 |
---|---|
get in | 入る、乗り込む |
get on | (乗り物などに)乗る |
get off | 立ち去る、(乗り物などから)降りる |
get up | 起きる、立ち上がる |
get to | ~に着く、~するようになる |
get away | 立ち去る |
get over | 回復する、乗り越える |
上記はあくまで一例であり、これ以外にも様々な前置詞を組み合わせて英熟語を作ることが可能です。get「手に入れる」という同じ意味の動詞も、前置詞一つで意味が大きく変わっていることがお分かりでしょう。
日本語には「てにをは」などはあるものの、こうした前置詞の概念は基本的に存在しません。単語だけではどうしても意味を推測しにくい熟語もあるため、まずは前置詞について理解を深めることが必要不可欠だと言えます。
間違った英熟語の覚え方
「英熟語が覚えられない」、「何度も繰り返しているのにすぐ忘れてしまう」といった方は、そもそも間違った覚え方をしてしまっている可能性があります。ここでは、特に英語初心者の方が陥りがちな、間違った英熟語勉強法を2つ解説します。これから英熟語を覚えようとお考えの方は、こうした勉強法は避けてください。
英熟語のNG学習法 1:丸暗記する
英熟語の学習法としてやってしまいがちなのが、ひたすら丸暗記するという方法です。確かに一つずつ地道に覚えていけば語彙量は増えますが、これは英熟語ではなく英単語学習に適した方法だと言えます。
複数の単語から成り立つ英熟語を覚える場合、これではすぐに意味も忘れてしまいますし、似た英熟語が出てきたときにすぐに混乱してしまいます。英熟語は英単語とは違う方法で覚えるべきだということを、まずは念頭に置きましょう。
実際、英熟語において丸暗記はとても非効率的ですので、単語の組み合わせと意味を丸暗記するのではなく、まずは前置詞の理解を深めることを優先させてください。
英熟語のNG学習法 2:アウトプットしない
英熟語はインプットするだけでなくアウトプットすることも大切です。英熟語を身に付けたら、英会話や英作文の中で使える機会がないか、身近な所から探してみてください。
英単語と同じように、アウトプットすれば脳への定着度も飛躍的に向上します。「アウトプットする機会がない」という方は、英熟語を覚える際に自分なりに例文を作るだけでも、同様の効果を期待することができます。
英熟語イメージ暗記法のすすめ
英熟語学習において最も効果的な方法が、熟語をイメージと結びつけて覚える「イメージ暗記法」です。この学習法を取り入れるだけで、英熟語の習熟度を大きくアップさせることができるでしょう。
イメージ暗記法とは?
「イメージ暗記法」は、文字通り熟語をイメージと結び付けて英熟語を記憶する方法。それぞれの単語を脳内でストーリー展開することで、たとえ意味が分からなくても意味を推測することが可能となります。
例えば、英熟語によく使われるlookは、下記の通りイメージすることができます。
英熟語 | 意味 | イメージ |
---|---|---|
look at | ~を見る | atは「点」を表すため「~(一点)を見る」というイメージ |
look after | ~の世話をする | afterは「~の後を常に追う」という意味から、「世話をする」というイメージ |
look ahead | 前を見る、将来のことを考える | aheadは「前方」という意味から「前を見る」というイメージ |
look back | ふり返る | backは「後ろ」という意味から「ふり返る」というイメージ |
look down | 下を見る、見下す | downは「下」という意味から「下を見る、見下す」というイメージ |
look for | ~を探す | forは「~を求めて、~のために」という意味から「探す」というイメージ |
look out | 注意する | outは「~を見出す」という意味から「注意する」というイメージ |
look up | (辞書などで)調べる | upは「拾い上げる」という意味から、「調べて見つけ出す」というイメージ |
熟語を構成する単語は、共通の意味やイメージを持っており、それらを組み合わせることで一つの意味を形成しています。逆を言えば、上記の表のように一つ一つの単語の意味をしっかり理解していれば、意味を推測することも十分に可能なのです。
また、英熟語の中には形成された文化や歴史的背景が含まれていることも少なくありません。こうした歴史的背景を含めて理解すれば、意味を忘れることもなくなるでしょう。
【例文】The car drew up in front of the supermarket.
その車はスーパーの前で停車した。
draw upは直訳すれば「引っ張り上げる」という意味ですが、この例文では「(乗り物を)止める」という意味を持ちます。これはかつて馬車を使っていた際に、手綱を引き上げて馬車を止めていたことに由来しており、現在でもその意味を守り続けています。
イメージ暗記法に欠かせない前置詞のニュアンス
イメージ暗記法を実践するにあたり、前置詞の理解は欠かせません。前置詞は、和訳ではなくニュアンスで覚えた方が、より幅広いシーンに対応することができます。下記に重要な前置詞のイメージをまとめましたので、イメージ暗記法に役立ててください。
前置詞 | イメージ | 例文 |
---|---|---|
at | 点 | Look at him. 「彼を見てください。」 |
on | 接触、上 | I put the key on the desk. 「私は机の上に鍵を置きました。」 |
in | 内部 | There is a banana in the box. 「箱の中にバナナが入っています。」 |
to | 目的、到達 | The road lead to Rome. 「すべての道はローマに通ず。」 |
for | 目標 | This train is bound for Tokyo. 「この電車は東京行きです。」 |
from | 起点 | The store opens from 9 to 17. 「その店は9時から17時まで開いています。」 |
off | 離脱 | Please take off your shoes. 「靴を脱いでください。」 |
of | 一部 | He ate a piece of cake. 「彼はケーキをひとかけ食べました。」 |
over | 跨ぐ | We went over the bridge. 「私たちは橋を渡りました。」 |
above | 浮遊 | Stars shine above in the sky. 「星は空高く輝きます。」 |
上記は一例にすぎず、英語の前置詞は他にもたくさん存在します。前置詞を集中して覚えたいという方は『英語の前置詞は【イメージ】で覚えれば絶対使い分けができる!』を参照してください。
イメージ暗記法のメリット
イメージ暗記法の最大のメリットは、仮に英熟語の意味を知らなくても、イメージのみで熟語の意味を推測できるということです。英熟語には似たような構成の熟語も多いですが、イメージ暗記法を活用すれば、これらを判別するのは決して難しくありません。
また、イメージ暗記法で覚えた熟語は、文字や意味をそのまま暗記するよりもはるかに定着しやすいと言えます。自分なりに英熟語にストーリー性を持たせれば、思い出すのも簡単でしょう。
「イメージ暗記法」は単純記憶よりもはるかにメリットの多い英熟語学習法ですので、英熟語習得に苦戦している方はぜひ実践してください!
英熟語学習のポイント
イメージ暗記法は英熟語習得に非常に効果的ですが、もちろん一気に英熟語が覚えられるわけではありません。以下にご紹介する2つのポイントを押さえながら、少しずつ積み上げていくことを意識してください。
何度も反復する
イメージ暗記法を使ったとしても、英熟語は一度覚えただけでは定着しません。英熟語の参考書にもよりますが、目安としては1日数十個を反復しながら覚えることを意識しましょう。
例えば1日30個と決めた場合、以下のように前の日の分を復習しながら覚えると効果的です。ある程度数をこなしたら、復習だけに専念する日を設けるのも効果的でしょう。
- 1日目:1~30
- 2日目:1~60
- 3日目:30~90
- 4日目:60~120
- 5日目:90~150
この際、特に似た表現の区別を意識しながら覚えれば、さらに英熟語のレベルアップを図ることができます。1日の終わりに覚えたとしても、次の日になったら忘れてるということは決して珍しくありません。「一度覚えたら終わり」ではなく、何度も繰り返し反復することを心がけてください。
積極的にアウトプットする
何度も繰り返して習得できた英熟語は、積極的にアウトプットしていきましょう。インプットしただけの英熟語は時間の経過とともに忘れてしまいがちですが、一度でもアウトプットした英熟語は脳にしっかりと定着するものです。
英会話で実践できれば理想ですが、自分なりに英作文をするだけでも問題ありません。出来た文章は目で読むだけでなく声に出し、耳からも記憶するようにしましょう。英作文に不安がある方は、ネイティブの添削サービスなどを活用するのもおすすめです。
まとめ
英熟語を苦手とする方は多いですが、それには勉強法が大きく関係しています。一からひたすら記憶する方法も不可能ではありませんが、あまりにも非効率すぎると言えるでしょう。
「英熟語を覚えるのは苦手」、「何回やっても英熟語は覚えられなかった」という方は、ぜひこの記事でご紹介した「イメージ暗記法」を真似して、単語や前置詞の意味を「イメージ」しながら英熟語を習得してみてください。
イメージ暗記法のやり方が分かったら、あとは継続あるのみ。「何度も反復すること」、「アウトプットすること」の2点を心がけ、英熟語を効率よくマスターしましょう!