英語論文で使える基本フレーズ | 絶対に押さえておこう!
日本語で論文を書く際は、論文に相応しい表現を用いることが求められますが、英語も決して例外ではありません。日常英会話がどれだけ得意でも、論文独自のフレーズやルールを覚えておかないと、英語で説得力のある論文を書くことは極めて
日本語で論文を書く際は、論文に相応しい表現を用いることが求められますが、英語も決して例外ではありません。日常英会話がどれだけ得意でも、論文独自のフレーズやルールを覚えておかないと、英語で説得力のある論文を書くことは極めて困難です。
そこでこの記事では、英語で論文を作成する際に注意すべき点や基本フレーズ、さらに日常英会話で用いる表現を論文ではどう言い換えるべきかなどについて詳しく解説します。論文が必要な試験対策としてはもちろん、リーディング力アップに役立つ情報が盛りだくさんですので、ぜひ参考にして下さい!
英語の論文で注意すべき点
学術論文は英語で「essay / paper / study」などと呼ばれます。ある程度格式のある表現が求められるため、日常英会話とは性質が大きく異なると言えるかもしれません。まずは定番表現を身に付けたうえで、簡潔で分かりやすい文章を心がけることが大切です。
表現の言いかえ
英語で論文を書く機会がある方は、おそらく日常英会話なら得意という方が多いでしょう。しかし、日常会話やビジネス英語でよく使う表現でも、論文では使うべきではないとされる表現もたくさんあるので、まずはこうした表現の言い換えを習慣化することが大切です。
例えば、日常英会話では必ずと言って良いほど使う「And」は、論文においてはNGです。「Moreover」「Further」といった単語に言い換えなければなりません。同じく接続詞として定番の「But」も、「However」「Nevertheless」に言い換える必要があります。
このように言い換えが必要な表現については、記事の後半にあるリストを参照してください。頭の中で自動変換できるようになるまで、まずはリストを暗記することをおすすめします。
英語の論文構成
英語で論文を書く際には、構成を意識することが非常に大切です。日本語の感覚だと「~で、~だから、~。」というように最後に結論を持ってくることが多いですが、英語の論文では結論を最初に持ってくるのが鉄則です。
タイトル(Title) | 論文のタイトル |
前文(Abstract) | 論文を簡潔にまとめた要旨 |
本文(Body) └導入(Introduction) └主張(Discussion) └結論(Conclusions) | 論文の本題 研究の背景や目的など 研究で得られた結果や考察など 論文で一番言いたいこと |
参考文献(Reference) | 参考、引用した文献 |
付録(Appendices) | 論文に掲載できなかったデータや資料など |
基本構成としては、このようになります。メインとなるのはやはり「本文」ですが、それ以外にもたくさんの要素を盛り込まなくてはなりません。特にタイトルと前文は読者が一番最初に読むパートとなりますので、ここで「この論文面白そう」、「この論文なら読む価値がありそう」と思ってもらえるかどうかが、論文の評価を左右するとも言えます。
また、作成する論文のテーマによっては、こうした基本構成も多少変わってくる可能性があります。そのため、論文のテーマが決まったら、同じテーマを扱った他の論文がどのような構成で組み立てられているのかを参考にするのもおすすめです。各項目のルールやポイントについては、続いての章でじっくり解説していきましょう。
論文で使われる表現
英語の論文における基本構成をご紹介しましたが、初心者の方にとっては「何が何だかよく分からない」となってしまうかもしれません。そこでここからは、各項目で気を付けるべきポイントや具体的な表現をご紹介しますので、まずはこのフォーマットに則って論文を作成してみてください。
タイトル
タイトルは、いわば「論文の顔」とも言えるパートです、どれだけ論文の内容が素晴らしくても、タイトルがいま一つだと読まれる機会も減ってしまうことでしょう。論文のテーマとなるキーワードをしっかりと盛り込み、読者の興味関心を惹きつけることが重要です。ただし、「~なのか?」のように疑問形を用いることは、論文においては好まれません。
英語の論文では、タイトルは10~12語を目安に作成するようにしましょう。その際、各単語の頭文字を大文字で書くというルールも忘れてはいけません。ただし、前置詞や定冠詞「the」などは、そのまま小文字が適用されます。
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]Psychological Effects of Recently Approved Drug A on Diabetes Patients.
近年承認された医療薬Aが糖尿病患者に与える心理的影響
[/st-mybox]
前文
続いての前文は、論文全体の要旨をまとめたものです。読者にとっては論文を読むかどうかを決める判断基準にもなり得ますので、簡潔に分かりやすくまとめることを意識してください。コンパクトな小論文の場合には、前文は省略されることも少なくありません。
論文の長さにもよりますが、基本的には200~300語程度で書くのが一般的とされています。論文の主張をギュッとまとめなくてはいけないので、200~300語でも意外に難しく感じられるかもしれません。論文の最初に作成しても良いですが、論文を書き上げた後に最後に作成すると、よりスムーズに書くことができます。
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]The purpose of this study is~.
この研究の目的は~だ。
[/st-mybox]
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]This study provides~.
この研究は~をもたらす。
[/st-mybox]
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]This paper examines~.
この論文は~について調査する。
[/st-mybox]
前文でよく用いる表現としては、以上のようなものが挙げられます。「provide」や「examine」は、論文ならではの動詞と言えるでしょう。前文では、何よりも論文や研究の目的を簡潔かつ明確に提示することを心がけてください。
本文
本文は「導入」、「主張」、「結論」の主に3つのパートから構成されます。
まず「導入」部分では、なぜこの論文を作成しようと思ったのか、この論文を作成することにどのような意義があるのか等について解説します。ここに説得力を持たすことで、論文がいかに重要であるかを読者に印象付けることが可能です。
続く「主張」では、研究や検証によって得られた情報を順序立てて説明していきます。ただの文章では飽きてしまうので、途中で図やグラフを用いると効果的でしょう。その研究によってどのような結果が得られたかだけでなく、今後どのような研究が可能かについて触れると、より深みを持たせることができます。
最後の「結論」は、論文のまとめとなる重要なパートです。論文の本題はすでに「主張」で述べていますので、あまり長くならないよう簡潔にまとめてください。
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]There is a possibility that~.
~の可能性がある。
[/st-mybox]
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]It has been discussed that~.
~ということが議論されてきた。
[/st-mybox]
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]Other studies have concluded that~.
他の研究では~と結論付けられた。
[/st-mybox]
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]It is reasonable to suppose that~.
~と考えるのは妥当だろう。
[/st-mybox]
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]We see from Table A that~.
表Aから~ということが分かる。
[/st-mybox]
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]The graph A show that~.
グラフAは~と示している。
[/st-mybox]
本文では以上のような表現を身に付けておくと便利です。いずれも日常英会話ではあまり使うことのない堅苦しい表現に思えますが、論文を書く上ではぜひ覚えておきたい表現だと言えるでしょう。表やグラフに関する表現は、ビジネスシーンであればプレゼンなどでも活用することができます。
参考文献
参考文献では、論文作成において参考にした文献をもれなく記載することが大切です。近年はインターネット上の資料を参照することも多いかと思いますが、その際には念のため閲覧日を明記しておくと、資料により正確性を持たせることができます。
参考した文献を明記しないと著作権などの問題も絡んできてしまうため、参考資料はその都度何かにメモしておくことを習慣づけましょう。
付録
本文で記載することのできなかったデータや資料をまとめます。本文中には「See Appendix A(付録Aを参照)」と記載しておき、付録内に「Appendix A」というデータを貼り付け、呼応させます。
ただし、本文内ですべての資料を紹介した場合には、必ずしも付録を使わなければいけないということではありません。論文の内容をサポートする資料があれば、付録を積極的に活用するようにして下さい。
言いかえが必要な表現例
英語の論文においては、日常の英会話の表現がそのまま用いられることは多くありません。日常英会話が得意という方も特定の表現を論文調に言い換える必要がありますので、下記のリストを参考に、論文ならでは表現をマスターしていきましょう。
日常英会話における表現 | 論文で用いるべき表現 |
and「そして」 | moreover, further「さらに」 |
but「しかし」 | however, nevertheless「しかしながら」 |
so「だから」 | therefore, hence「それゆえ」 |
around, about「だいたい」 | approximately 「およそ」 |
just「ただ」 | simply「単に」 |
very, really「とても」 | quite「かなり」 |
all「全ての」 | entire「全体の」 |
popular「人気」 | common, general「一般的」 |
like「~のように」 | same as「~と同様に」 |
about「~に関して」 | as regards, regarding「~に関して」 |
nowadays「最近」 | currently「現在」 |
while「一方で」 | whereas, on the other hand「一方で」 |
especially「特に」 | in particular「特に」 |
People say~.「~と言われている」 | Generally speaking「一般的に言って」 |
to~「~するためには」 | in order to~「~するためには」 |
まとめ
英語の論文に関するルールや基本フレーズなどをご紹介しましたが、日常の英会話とは全く異なるものだということがお分かりいただけたのではないでしょうか?実際、英語の論文は英語が得意なら書けるというものではなく、しっかりとした構成や基本ルールに基づいて書くことが必要不可欠です。そのため、英語で論文を書く際は、まずはこうした論文の基礎を
学ばないと、説得力のある英語論文を書くことはできません。
英語構文を書く機会としては大学の論文、英検、IELTSなどが挙げられます。急に書く機会ができても困ることのないよう、今のうちから英語論文の基礎を築いておきましょう。また、どれだけ論文の書き方を身に付けても、やはり正確な文章が書けなければ意味がありません。そのためには正しい英文法が使えていることが鉄則となりますので、文法面で不安の残る方は文法も同時におさらいしてください。
英語の基礎が備わっていれば、英語で論文を書くことは決して難しいことではありません。初めのうちは苦戦するかもしれませんが、書き進めていけば徐々に慣れてきて、いずれスムーズに書けるようになるものです。ぜひこの記事を参考に、英語論文に必要な知識を身に付け、どんどん英語論文の執筆に慣れていきましょう!