ビジネスシーンでは、対面、電話、ビジネスメールなど、さまざまな手段で関係会社や取引先の会社とのやりとりを行います。そしてどのような形でコミュニケーションをとるにしても、相手にしっかり伝わる言い方で「お礼のメッセージ」を伝えることは非常に大切です。
問い合わせや発注などビジネス上の基本的な定型文は書けても、「ありがとう」の気持ちを伝える「お礼」表現については、「Thank you.」レベルしか知らないという人もいるのではないでしょうか。
この機会に、取引先との打ち合わせ後、上司から指導を受けた際、同僚からフォローしてもらった際などに使える、さまざまなお礼の表現を覚えておきましょう。
目次
英語のメールのポイント
まず、英語圏の文化を正しく理解することが大事です。
英語メールでは簡潔かつ、具体的に書くことがとても大事。
日本語のメールと異なって、時節の挨拶や前置きを書いたりせず、伝えたいことをシンプルに伝えます。
あまり長く色々と書いてしまうと、それを読む相手の時間を取ってしまいます。
シンプルでありながらも、英語の丁寧な表現を使って「感謝の気持ちが伝わるメール」を書くようにしましょう。
お礼の基本は「Thank you」
英語で感謝を伝える際に基本となるのは、やはり誰もが知る「Thank you」となります。
単純にThank youだけでも十分に感謝の意持ちを伝えることはできますが、以下のように少し応用させることもできます。
例文
本当にありがとうございます(強い感謝)
例文
ありがとう(フランクな感じ)
例文
ありがとうございます(かしこまった言い回し)
より丁寧に伝えるには
取引先などに丁寧に感謝の気持ちを伝える際には、以下のような表現も便利です。
例文
~にお礼申し上げます
例文
~に感謝いたします
例文
~に心より感謝します
感謝の表現ではforを用いるのが一般的ですが、appreciateは直後に名詞を持ってくるのがポイントです。I appreciate your kind cooperation.「ご親切な協力に感謝します」といった表現は非常に便利なので、覚えておくことをおすすめします。
よりカジュアルに伝えるには
ある程度仲の良い同僚などに対しては、以下のようにカジュアルな表現を用いることも可能です。
例文
ありがとう
例文
借りができたね
例文
本当にありがとう
例文
ありがとう
最後のCheersは「乾杯」という意味もありますが、イギリス英語では単純に感謝の意味で用いられることもあります。
お礼メールの基本
お礼メールを書く際は、丁寧さはもちろん、わかりやすさにも気を配って文章を作成することが大切です。初めに、英語でお礼を伝える際に押さえておきたいポイントを見ていきましょう。
なるべくフォーマルに
まず、文面をフォーマルにするか、カジュアルにするかを判断します。仕事上もプライベートもなじみが薄い相手に対しては、なるべくフォーマルな表現にしましょう。一方、気心の知れた相手には、堅い文面を送ると距離を置いているように取られてしまうおそれがあるので、適度に親しみを込めた表現にすることが大切です。
フォーマルなメールで「thank you」では少々カジュアルな印象になります。フォーマルさを出すには、以下のような例文を用いるようにしましょう。
例文
~にお礼申し上げます
例文
~のに感謝いたします
例文
~に心より感謝します
例文
~のはあなたのおかげです
タイトルは簡潔にわかりやすく
「Thank you」は、本文で使うとややカジュアルな印象を与えますが、タイトルではよく使われます。
お礼メールであることが一目で簡潔に伝えられるためです。また、「:(コロン)」を使うと区切りがはっきりし、見た目もすっきりするので目的を明瞭に伝えやすくなります。
例文
ご招待ありがとうございます/ました
会合や会食など、招待をいただいた際の件名です。出席する前か後かは問わず、使うことが可能です。
ホテルやレストランなどで顧客からの予約を受け付けたことを伝える件名です。お礼と、予約を受診していることが端的に一目で分かります。
例文
ご予約ありがとうございます
会議や商談の日取りが確定した後など、取り急ぎ確認連絡とお礼を伝えたいときに使える件名です。相手は「Quick」という単語から簡潔な内容のメールであることを予想できます。
強調したい要件については大文字で表記する場合もあります。しかし、件名すべてを大文字にするのは、文字の主張が強くなり、叫んでいる印象を与えてしまうおそれがあるため、避けたほうが良いでしょう。
そのほか、タイトルが短すぎるとスパムメールに間違われるケースもあります。「適度な長さで内容がすぐ伝わる」ことを意識して件名を作成しましょう。
お礼メールの書き出し
書き出しにおいて、まずは相手への感謝の気持ちを伝えます。「Thank you for~」と書きだしても問題はありませんが、以下のような表現を用いることで、より丁寧かつクレバーな印象を相手に与えることができます。
例文
あなたのアドバイスに、感謝申し上げます。
例文
あなたのサポートに、心より感謝いたします。
お礼メールの締め
例文
お力添えに、重ねて感謝いたします
例文
あらためまして心より御礼申し上げます
冒頭にお礼を伝えた後にほかの用件を記載し、再度お礼で締めくくりたいときは1つ目の表現を使います。「help」は、状況に応じて「support(支援)」、「kindness(親切な行為)」、「consideration(配慮)」「cooperation(協力)」などにも言い換えましょう。2つ目の文は少し古風ですが、読み手に上品な印象を与えます。「may」から始まりますが、疑問文ではなく、肯定文として使われます。
結び言葉の定型フレーズ
メールの最後には、結び言葉と差出人名を記載します。結び言葉としては、以下をはじめたくさんの言い回しがあるので、何パターンか覚えておくことをおすすめします。
- Best regards
- Best wishes
- Sincerely yours
- Respectfully yours
ビジネスですぐに使えるお礼メールの例文
ここからは、シチュエーション別にお礼メールに使うフレーズをご紹介します。まずは、ミーティングなどで相手に会った後に送るお礼の表現です。
来社のお礼
取引先が出向いてくれた際には、以下のようなフレーズを用いて来社への感謝を伝えます。
例文
昨日は来社くださり、ありがとうございます。
例文
お越しいただく時間をお取りいただき、ありがとうございます。
会議の後のお礼
フォーマルなシーンでは、「thank」よりも「appreciate」や「be grateful」を使うようにしましょう。また、「truly(本当に)」「deeply(深く)」「sincerely(誠実に)」などの副詞を使うとvery muchより「心から」のニュアンスが強まります。
【先方が会合に招いてくれた場合】
例文
本日はミーティングへのお招き、ありがとうございました
【自社の会合に出席してくれた場合】
例文
当社のミーティングにご出席くださり、誠にありがとうございました
面接へのお礼
例文
お忙しいなか面接していただき誠にありがたく存じます
先方がこちらの頼みごとや求職に時間を割いて会ってくれたことに対するお礼です。「busy(忙しい)」の代わりに「precious(貴重な)」を使ってもOKです。
例文
前もってご検討いただけますと幸いです
頼みごとを前向きに検討してもらうためのやんわりとした「ひと押し」です。「in advance(前もって)」は、結果はともかく、検討してほしいときによく使われます。
指導やアドバイスへのお礼を伝えるとき
ビジネスでは、社内外で指導やフィードバックを受けるシーンがあります。そこで、取引先、上司や先輩などからのアドバイスに対するお礼のフレーズを覚えておきましょう。
取引先からのアドバイスへのお礼
例文
的確なご指摘をいただき、何とお礼を申し上げてよいかわかりません
例文
御社ならではの専門的視点からこの問題をご指摘くださり、誠にありがとうございます
いずれも取引先からアドバイスや指摘を受けたときのお礼です。
クレームの場合は、まず以下のように陳謝した上で、お礼を付け加えましょう。
例文
本件に伴うご不便に対し、心よりお詫び申し上げます
上司からの指導へのお礼
例文
出張中は何かとお世話になりました
例文
出張の際は訪問先までご案内いただき、とても感謝しています
どちらも上司や同僚から指導やフォローをしてもらったときのお礼です。「kind advice」を「hearty counseling(親身な相談)」にしても良いでしょう。シチュエーションに合わせて以下の単語を参考にアレンジしてみてください。
suggestion/ guidance/ instruction/ feedback(示唆/ 指導・助言/ 指示/ フィードバック)
勉強会の講師へのお礼
例文
勉強会で講義してくださりありがとうございます。とても有益な時間でした
例文
先生のご講義のおかげで、とてもやる気が湧いてきました
いずれも勉強会で講義してくれたことに対するお礼です。自分がどう影響を受けたかを伝えると、感謝の気持ちが一層強く伝わるでしょう。「勉強会」は、「study meeting」や「training session」にも言い換えられます。
よく使うフレーズ
通常のメールのやり取りでもお礼をする局面はたくさんあります。返信に対するお礼や、依頼を承諾されたときの表現など、シチュエーション別に見ていきましょう。
メールの返事へのお礼
例文
早速のご返信ありがとうございます
例文
ご親切なお返事に感謝いたします
上記の例文はいずれも先方からのメールの返事に対するお礼です。状況に合わせ、「reply」の前の形容詞を「warm(暖かい)」「detailed(詳細な)」「positive(前向きな)」などに置き換えると良いでしょう。特に思いつかないときは、「わざわざお返事くださって」のニュアンスが含まれる「kind」が有用です。
感謝を伝える以外に用件があると良いですが、特にない場合、お礼のみで終わってしまうのも味気ないので、以下を参考に追記してみてください。
例文
現在、このプロジェクトに鋭意取り組んでいます
例文
何か問題が生じた場合はまたお知らせします
贈り物などを頂いた場合のお礼フレーズ
相手に贈り物などを送ってもらった際には、以下のようなフレーズを活用して、速やかに感謝のメールを送ることが大切です。
例文
素敵なプレゼント、ありがとうございます。
例文
素敵なプレゼントに感謝いたします
これから協力いただく相手に事前にお礼を伝えるフレーズ
例文
ご理解賜りありがとうございます
例文
ご協力に前もって感謝いたします
これらは、すでに先方が依頼に承諾してくれており、結果がまだ出ていないときに使う感謝のフレーズです。「understanding」の代わりに「consideration(考慮/検討)」もよく使われます。
お祝いメールでよく使うフレーズ
ビジネスシーンを円滑にするのは感謝表現だけではありません。さまざまなお祝いフレーズもまた、感謝フレーズと同様コミュニケーションを促進するものです。ここでは代表的なお祝いメッセージとして「誕生日祝い」の例文一覧を掲載します。ビジネスパートナーへの感謝メールの中で、ぜひ使ってみてください。
例文
心安らぐお誕生日をお祈りいたします
例文
この良き日がたくさん繰り返されますように
例文
誕生日のお祝いと、あなたとご一緒できることへの感謝をお伝えします
「Thank you」以外のお礼フレーズ
英語のお礼フレーズで「Thank you」が基本ですが、「感謝」を表現する「be grateful」や「be thankful」を使えるようになると、表現が更に豊かになります。
時にはこういったフレーズを使うことで、使えるフレーズのバリエーションを増やしておくと良いでしょう。
例えば「appreciate」や「grateful」などフォーマルな感謝の英語を使えるとカッコいいです。
「be grateful」も「be thankful」のどちらも「感謝している」という意味となりますが、「be grateful」の方が丁寧な言い方だ捉えておくと良いでしょう。
あまり口頭で使う表現ではありませんが、メールやメッセージカードなどではとても役立つ表現です。
例文
あなたの協力は、大変ありがたかったです。
例文
たくさん手伝っていただき、感謝しています。
「~してくれたら有難い」と伝えるお礼フレーズ
相手に何かお願いをするときには「I would appreciate it if you could~」という定番表現を用います。wouldやcouldと過去形にすることで丁寧なお願い表現となります。
例文
手伝ってもらえたらありがたいです。
誘いを断るときに伝えるお礼フレーズ
何か誘いを断るときには、誘ってくれたことへの感謝を添えるだけで、相手に与える印象はガラリと変わってきます。以下のような表現は定番なので、ぜひ覚えておきましょう。
例文
誘ってくれてありがとう。
例文
親切に誘っていただき、ありがとうございます。
お礼はすぐに伝えよう!
お礼を伝える際のポイントは、すぐに言葉にして伝えることです。時間が経つとなかなか伝えにくくなってしまいますので、感謝の気持ちを持ったらすぐに口に出すように意識してみてください。また、感謝の度合いにも注目すると、表現を選びやすくなります。
取引先と打ち合わせ後に、時間をもらったことに対してお礼を伝えたいときと、上司から参考になるアドバイスをもらってお礼をするときでは、感謝の深さは異なるでしょう。
シチュエーションに応じたフレーズをストックし、メールで適切にお礼の気持ちを伝えましょう。
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