日本のビジネスシーンでは「了解」、「承知しました」といった言葉が日常的に使われますが、これは英語でも同様です。カジュアルなものからフォーマルなものまで、場面ごとによって使い分けがあるのも英語の特徴であり、選ぶ言葉を間違えると相手に悪印象を与えかねません。
この記事ではビジネスシーンで使える「了解」という意味のフレーズを中心にご紹介しますので、ビジネスシーンで英語を使う機会がある方や、これから使うかもというはぜひ参考にして下さい。
同意・賛成の意を伝えるフレーズ
相手の指示や要求に対して、「同意」や「賛成」のニュアンスを伝える「了解」には以下のような種類があります。
例文
もちろんです
日本人におそらく一番馴染みの深いフレーズはOf courseでしょう。「もちろんです」という意味を表し、相手の意見に素直に同意する際に用いられます。
例文
もちろんです
もともとは「確かだ」という意味の単語で、「相手の言っていることは確かなので、同意する」というニュアンスを持ちます。
例文
あなたに同意します
相手に賛同する際には、前置詞のwithを使います。目的語は人となります。
例文
あなたの意見に同意します。
相手の意見に賛同する際には、前置詞はtoを使います。目的語はものですので、人と混同しないように注意が必要です。
また、ビジネスシーンではなくカジュアルなシーンであれば、以下のような表現も使うことができます。ビジネスシーンではあまり好まれませんが、もしビジネスシーンで使いたいときは最後に「, Sir」などと付けるだけでも、印象は変わってきます。
例文
オッケー
All right
わかりました
All good
全て承知しました
内容を理解、確認した意を伝えるフレーズ
続いて、「内容を理解した」、「把握した」といったニュアンスを持つ「了解」のフレーズをご紹介します。これらの表現はあくまで「内容を理解した」というだけであって、必ずしも賛成や同意のニュアンスを示すものではありません。
例文
理解しました
もっともシンプルな表現で、後ろに目的語を持ってきて「~を理解しました」という文章を作ることができます。「理解した」と言う文章を見ると過去形だからunderstoodとしたくなりますが、英語では理解している現在の状況を表わすため、現在形のunderstandが正解です。understoodとすると「過去に理解していました」という意味になってしまうので、時制には十分注意が必要です。
例文
理解しました
この場合の前置詞onは「~の上に立つ」ということから「~を把握した」という意味を表すことができます。前置詞を上手に使いこなすのは上級者でもなかなか難しいですが、意味だけは覚えておくと良いでしょう。
例文
承知しました
このcopyは「コピーをとる」と同じ単語ですが、「相手の意見を理解しました」という意味で使われます。特に会話表現ではよく使われる表現ですので、覚えておくと便利です。
例文
要点を理解しました
この場合のpointは「要点」というニュアンスで使われるため、逆を言えば要点は掴んだけど、細かいところは分からないといったニュアンスも汲み取ることができます。あくまで「だいたい分かった」、「要点は掴んだ」という意味なので、理解度は60~70%くらいのものと考えて良いでしょう。
例文
承知しました
この場合のnoteは「気に留める」といったニュアンスで、ただこちら側の意見を相手が認識したという意味です。したがって「賛同した」というニュアンスは含まれないので、使う際には注意が必要です。
例文
承知しました、ありがとうございます
ビジネスシーンや目上の人に対するメールなど、様々な場面で活用できる便利な表現。「相手の指摘を受け止め、感謝する」というニュアンスで、notedだけよりもかなり丁寧な印象になります。
例文
そのスケジュールについて承知しました
「承知した」という意味を直訳的に、かつ丁寧な印象で表したいときにはacknowledgeという単語を使います。スペルがなんだかややこしいですが、非常に便利な単語ですのでぜひ覚えましょう。
依頼を了承する意を伝えるフレーズ
最後に、相手からの頼まれごと・依頼を了承し、受け入れる場合に使われる「了解」のフレーズをご紹介します。上司などに対してはもっとも一般的に使われるフレーズですので、すぐに使えるよう覚えてしまうのがおすすめです。
例文
もちろんです
「同意・賛成」を伝えるフレーズとしても紹介しましたが、相手の意見をすんなりと受け入れる際にも用いられます。
例文
Sure thing.
もちろんです
※Of courseと同様に、「もちろんそうします」というニュアンスを伝える表現。
例文
承知しました
Certainlyはもともと「確かに」という意味ですので、「確実にあなたの要求を理解しました」というニュアンスが含まれています。かなり丁寧な表現ですので、上司やお客様、目上の人などに対する返事としてもぴったりでしょう。
例文
Definitely.
かしこまりました。
AbsolutelyやDefinitely.は、もともと「絶対に」という意味を持つ副詞。語調としてもかなり強くなるので、かなりフォーマルな印象を与えます。上司や目上の人に対する言葉としては便利ですが、同僚などに使うとちょっと堅苦しいので、使い分けには注意が必要です。
例文
あなたの要求を受け入れました。
一言の表現ではなく、文章で伝える際にはこうした表現を使うこともできます。行動の意思を伝えるフォーマルな表現ですので、メールなどでは便利です。
例文
喜んで飲みに行きます。
喜んで承るといったニュアンスの際に使用する表現。wouldを使うことで、丁寧な印象を与えることができます。
例文
喜んで飲みに行きます。
more than happy は「幸せ以上」ということですので、婉曲的に「喜んで~します」という意味で用いられます。最初は少しややこしく見える文章ですが、ネイティブも良く使う便利な表現ですので、ぜひ暗記しましょう。
カジュアルな表現も紹介
続いては、ビジネスシーンに限らずカジュアルなシーンでも使える「了解」のフレーズをご紹介していきます。
賛同・同意を伝える場合
まずは、相手の指示や要求に対して、「同意」や「賛成」のニュアンスを伝えるフレーズをご紹介します。
例文
オッケー
英語に限らず世界共通で使われている便利な表現。英語ではOkayと表記されることもあります。非常に便利な表現ですが、何度も繰り返していると「本当に分かっているのか?」と思われてしまいますので、使いすぎには注意しましょう。
例文
了解
こちらも日本人にはお馴染みの表現。「オーライ」と発音するので、初心者にも比較的発音しやすいでしょう。
例文
了解
直訳すると「すべてが良い」という意味ですが、転じて全て了解したという意味になります。
例文
いいですね
soundは「~に聞こえる」という意味の動詞。後ろに形容詞を持ってくれば様々なシチュエーションで使うことができます。
例文
それは良いですね!
直訳すると「それは良い計画に聞こえますね」という意味で、相手の意見に同意するときに用います。日常シーンでも「今日~に行こうか」という言葉に対して「それはいいね」といったニュアンスで使われることもあります。
理解を伝える場合
続いて、相手の内容を理解したというニュアンスを持つ「了解」のフレーズをご紹介します。
例文
わかりました
この場合のgetは「手に入れる」ではなく「自分のものにする」、「理解する」という意味。現在形でも過去形でも大きな違いはありませんが、過去形にすると前から言われていた内容に対して「分かってるよ」というニュアンスが込められます。
例文
わかりました
この場合のseeは「見る」ではなく「分かる」という意味を持ちます。
例文
了解
※I understandは「理解している」という状態なので過去形ではなく現在形を使うと前述しましたが、ここで使われているunderstoodは厳密に言うと過去分詞形。話した内容が「理解された」という受動態のニュアンスを示します。
依頼を了承する場合
最後にご紹介するのは、相手の依頼を了承するフレーズ。他の場面で使えるフレーズも多いので、ぜひ覚えておきましょう。
例文
問題ありません
「悪いけど~してくれる?」などと頼まれた際に、相手の心配を取り払う意味で使われます。
例文
心配ありません
No problemと同様、相手の心配を取り払う際に使われます。「どういたしまして」という意味でも使われ、非常に汎用性の高いフレーズですので、覚えておくと便利です。
例文
了解しました
I got itと混同しがちですが、こちらは相手の頼み事などを了承する際に使われる表現。レストランでオーダーをとる際などに使われます。I got itは「相手の発言を理解した」という意味ですので、非常に微妙なニュアンスの違いですが、使い分けが必要です。
例文
いいですよ
No problemやNo worriesよりもポジティブな印象を与えます。後ろにwithを使ってThat’s fine with me.と言うことも可能です。また、That would be fineと丁寧な表現にすれば、ビジネスシーンでも使うことができます。
例文
了解しました
I will do it.という文章が簡略化された表現。「それをやります」という意思を伝えることができます。
まとめ
「了解」を意味する様々なフレーズをご紹介してきましたが、同じ「了解」でも、英語の場合は場面とニュアンスの使い分けが必要だということがお分かりいただけたでしょうか?誤解を招くことのないよう、相手に応じて適切な言葉を選び、使い分けができるようにそれぞれのフレームを理解しておきましょう。
また、同じ言い方でもトーンで印象も変わってきます。I knowなどと言ってしまうと「(そんなの)分かってるよ」というニュアンスになってしまうので、くれぐれも使い方やトーンには意識をしてくださいね。
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