英語で「結論から話す」が苦手な人へ。論理的に意見を伝えるPREP法とは?
英語での会議で「結局、何が言いたいの?」という顔をされた経験はありませんか?本記事では、英語コミュニケーションの鍵となる「結論ファースト」の考え方と、誰でも論理的に意見を伝えられるようになる最強のフレームワーク「PREP法」を解説します。この「型」を身につければ、あなたの意見は驚くほどクリアに伝わります。

はじめに:なぜ英語では「論理的な伝え方」が重要なのか?
日本語のコミュニケーションでは、背景から丁寧に説明し、結論を最後に持ってくる「起承転結」が美しいとされることがあります。これは、お互いの文脈(コンテキスト)を察し合う「ハイコンテキスト文化」に基づいています。
しかし、英語圏、特にビジネス英語 コミュニケーションの場は「ローコンテキスト文化」が主流です。多様な背景を持つ人々が効率的に議論するため、言葉通りの意味が重視され、「結論から話す」ことが求められます。要点が不明瞭だと、ビジネスやディスカッションの場で「論理的でない」「自信がない」と誤解されてしまうことさえあるのです。
ステップ1:意見を切り出す「クッション言葉」を覚えよう
いきなり「結論はこうです」と切り出すのに抵抗がある場合、まずは「クッション言葉」を使いましょう。これは、聞き手に「今から意見を言います」というサインを送る役割を果たし、話をスムーズに切り出すことができます。自信の度合いによって使い分けるのがポイントです。
| 自信度 | 基本フレーズ | 日本語訳 |
|---|---|---|
| 基本 (Neutral) | In my opinion,… / I think (that)… | 私の意見では… / …と思います |
| 少し丁寧 (Polite) | From my perspective,… / It seems to me that… | 私の観点からは… / 私には…と思われます |
| 自信がある時 (Strong) | I’m convinced that… / I strongly believe that… | …だと確信しています / …と強く信じています |
これらのフレーズを文頭に置くことで、聞き手は「これから意見が始まる」と心の準備ができ、あなたの論理的に話す 英語の構成がぐっと分かりやすくなります。
ステップ2:説得力を高める最強のフレームワーク「PREP法」
クッション言葉で意見を切り出したら、いよいよ本題です。ここで役立つのが、PREP法(プレップ法)という論理構成の「型」です。PREPとは、以下の4つのステップの頭文字を取ったものです。
- P (Point): 結論・要点を述べる
- R (Reason): 理由を述べる
- E (Example): 具体例やデータを挙げる
- P (Point): 再び結論を述べて締めくくる
このPREP法 英語の構造がなぜ分かりやすいのか、具体的な例で見てみましょう。
PREP法を使った例文
(P) Point: 結論
【例文】 “I believe we should adopt the new software.”
(私たちは新しいソフトウェアを導入すべきだと思います。)
(R) Reason: 理由
【例文】 “…because it will improve our team’s efficiency.”
(なぜなら、チームの効率を改善するからです。)
(E) Example: 具体例
【例文】 “For example, a similar company increased their productivity by 15% after introducing it.”
(例えば、ある同業他社はそれを導入した後、生産性が15%向上しました。)
(P) Point: 結論(再)
【例文】 “Therefore, I think adopting this software is the best decision.”
(したがって、このソフトウェアを導入することが最善の決断だと思います。)
PREP法は、聞き手にとって「思考のロードマップ」として機能します。最初に「P(結論)」という目的地を示すことで、聞き手は「R(理由)」や「E(具体例)」が何のための情報なのかを理解しながら、迷うことなく話についてくることができるのです。
ステップ3:話を繋ぐ「つなぎ言葉(ディスコースマーカー)」を使いこなす
PREPという「骨格」を組んでも、それぞれのパーツがバラバラでは伝わりません。P→R→E→Pの流れをスムーズにする「つなぎ言葉(ディスコースマーカー)」を使いこなして、論理的に話す 英語の流れを強化しましょう。これらは、話の「道路標識」のようなものです。
理由を追加する (Adding reasons)
- Firstly,… (第一に、)
- Secondly,… (第二に、)
- Furthermore,… / In addition,… (さらに、加えて、)
具体例を挙げる (Giving examples)
- For example,… (例えば、)
- For instance,… (例えば、)
反対意見を述べる (Stating an opposing view)
- However,… (しかしながら、)
- On the other hand,… (その一方で、)
結論をまとめる (Concluding)
- In conclusion,… (結論として、)
- Therefore,… (したがって、)
- For these reasons,… (これらの理由から、)
これらの言葉が文と文の間に挟まるだけで、聞き手は「次に理由が来るな」「ここが結論だな」と予測できるため、話の論理性が格段に高まります。
まとめ:練習して「論理的に話す型」を身につけよう
英語で「結論から話す」ことが苦手なのは、あなたの英語力の問題ではなく、単に日本語と英語の「話の型」が違うからです。PREP法という最強の「型」を知った今、必要なのは練習だけです。
このPREP法 英語のフレームワークは、スピーキングだけでなく、Eメールやレポートなどのライティングにもそのまま応用できる、非常に強力なツールです。まずは「週末は何をしたか?」といった簡単なトピックからで構いません。PREPの型を意識して、論理的に意見を伝える練習を始めてみましょう。
この記事のポイント
- 英語圏のビジネスは「結論ファースト」が基本。背景から話す「起承転結」は伝わりにくい。
- 意見を言う時は、まず自信度に応じた「クッション言葉」(In my opinionなど)で切り出す。
- PREP法(Point→Reason→Example→Point)は、最もシンプルで伝わりやすい論理の「型」である。
- 「つなぎ言葉」(However, Thereforeなど)を使い、話の流れをスムーズにする。
- PREP法は練習すれば必ず身につく。スピーキングとライティング両方で活用できる。






