 
 「声、途切れてますよ」を英語で言える?リモートワークの「困った」を救うビジネス英語フレーズ集
リモートワークにおけるビジネス英語の成否は、「対面では起こらない特有の状況」をどれだけ具体的かつスマートに言語化できるかで決まります。「聞こえません(I can’t hear)」や「忙しい(I’m busy)」といった単純な表現では、相手に不要なストレスを与えたり、認識のズレを生んだりします。この記事で紹介する「声が途切れる(You’re breaking up)」や「手が離せない(I’m tied up)」といったピンポイントなフレーズを使いこなすことが、オンライン上の信頼関係を築く最短の道です。

「あ、フリーズした…」その沈黙が誤解を生む
リモートワークやテレワークが世界的に普及し、オンライン会議 英語でのコミュニケーションはビジネスパーソンにとって必須のスキルとなりました。あなたも毎日のようにZoomやTeams、Google Meetを使っていることでしょう。
しかし、こんな「困った」瞬間に直面したことはありませんか?
- 相手の声がブツブツ途切れて、重要な部分が聞き取れない…
- 自分のPCが固まってしまい、数秒間の沈黙が流れた…
- チャットで「今すぐ対応して」と来たが、別の緊急タスクの真っ最中だ…
対面であれば表情やジェスチャーで補えたニュアンスも、オンラインでは画面越し。「ビジネス英語 フレーズ リモート」編として、これらの状況を適切に処理する言葉を知らないと、非効率であるばかりか、「この人は対応が悪い」「話が通じない」というマイナスの印象を与えかねません。
この記事では、リモートワーク特有のピンポイントな状況に焦点を当て、あなたの評価を格段に上げるスマートな英語フレーズを、シーン別に徹底解説します。
【シーン1】オンライン会議での「音声・映像トラブル」対処法
リモート会議で最も頻繁に発生し、最もストレスのたまるのが「接続トラブル」です。ここでいかにスムーズに状況を伝えられるかが、会議の進行を左右します。
相手の声が「途切れている」時: “You’re breaking up.”
相手の声が聞こえない時、とっさに “I can’t hear you.” と言っていませんか? もし完全に無音なら間違いではありませんが、相手の声が「ブツブツ…ザザ…」と途切れている場合は、このフレーズが最適です。
【例文】
“Sorry, John. You’re breaking up a little bit. Could you repeat that last part?”
日本語訳:「すみません、ジョン。少し音声が途切れています。最後の部分をもう一度言ってもらえますか?」
“break up” は、電話や無線の音声が途切れる様子を表す完璧な表現です。単に “I can’t hear.” と言うよりも、「あなたの接続環境が悪いようだ」と具体的に状況を伝えられます。
逆に、自分がちゃんと聞こえているか不安な時は、“Am I coming through clearly?”(私の声はクリアに届いていますか?)と尋ねるとスマートです。
画面やPCが「固まった」時: “My screen froze.”
自分のPCが数秒間フリーズし、相手の言葉に反応できなかった。こんな時、沈黙は最悪の対応です。原因が自分にあることを即座に伝えましょう。
【例文】
“Ah, sorry. My screen just froze for a second. What did I miss?”
日本語訳:「あ、すみません。今ちょっと画面が固まってしまいました。何(を言い)ましたか?」
“freeze”(過去形は “froze”)は「凍る」という意味ですが、コンピュータ用語として「(画面やPCが)固まる、フリーズする」という動詞でそのまま使えます。これを一言いうだけで、あなたが「話を無視した」のではなく「PCトラブルだった」と明確に伝わります。
もし相手の画面が固まった場合は、“You froze for a moment there.”(今ちょっと固まってましたよ)と教えてあげましょう。
ラグ(遅延)が発生している時: “There’s a lag.”
映像と音声がズレている、または会話のテンポが妙に噛み合わない…。これは「ラグ(遅延)」が原因かもしれません。
【例文】
“I think there’s a slight lag. I’m hearing you a bit delayed.”
日本語訳:「少し遅延(ラグ)があるようです。あなたの声が少し遅れて聞こえています」
“Lag”(名詞・動詞)は、日本語の「ラグ」と全く同じ意味で使えます。会話が噛み合わない原因を特定して共有することで、お互いに「話しにくいな」と感じるストレスを軽減できます。
(おまけ)ハウリングしている時: “There’s some feedback.”
誰かのマイクが「キーン」という不快な音(ハウリング)を拾っている時、それは “feedback” または “echo”(反響)と表現します。
【例文】
“I’m hearing some feedback (echo). Could everyone check if they are on mute?”
日本語訳:「ハウリング(反響)が聞こえます。皆さん、ミュートになっているか確認してもらえますか?」
【シーン2】ビジネスチャットでの「スマートな状況伝達」
SlackやTeamsなどのビジネスチャット 英語の難しさは、「即時性」と「非同期性」のバランスです。すぐに返信したい気持ちはあっても、物理的に無理な時。どう伝えるのがプロフェッショナルでしょうか。
「今、手が離せない」を伝える: “I’m tied up.”
“I’m busy.”(忙しいです)は、あまりにも漠然としていて、時には「あなたに対応したくない」と冷たく聞こえる危険性があります。そこでおすすめなのがこのフレーズです。
【例文】
“I’m a bit tied up right now. Can I get back to you in about 30 minutes?”
日本語訳:「今、ちょっと手が離せません。30分後くらいに折り返してもいいですか?」
“be tied up” は「(ロープなどで)縛られている」が元の意味。そこから転じて、「(別の仕事や会議に)縛られていて身動きが取れない」という具体的な状況を表します。いつ頃なら対応できるか(in 30 minutes)をセットで伝えると、相手は安心して待つことができます。
類義語として “I’m in the middle of something.”(今、何かの真っ最中なんです)も非常に便利です。
「(対応可能だが)少しだけ待って」: “Give me a second.”
チャットでメンションが飛んできた。内容は確認できるが、返信を打つのに1〜2分かかりそうな時。既読スルーは避けたいものです。
【例文】
“Got it. Give me a second, I’ll check that now.”
日本語訳:「了解です。ちょっと待ってください、今確認します」
“Give me a second” や “Give me a minute” は、「ちょっと待って」の定番表現。ポイントは、”Got it”(受け取りました)と反応した上で「今から確認する」という対応意思を見せることです。これにより、相手は「無視されたかも」という不安から解放されます。
【シーン3】リモートでの「命綱」! 認識合わせフレーズ
非対面コミュニケーションで最も恐ろしいのは「認識のズレ」です。対面なら「あれ?」と気づける空気感も、オンラインでは伝わりません。だからこそ、積極的に認識を合わせに行くフレーズが不可欠です。
共通認識を確認する最強フレーズ: “Are we on the same page?”
これぞ、リモートワークで最も重要なフレーズの一つです。「私たちは同じページ(台本)を見ていますか?」が直訳。つまり「私たちの認識は一致していますか?」という意味の、非常に洗練されたイディオムです。
【例文】
“Before we move on, I just want to make sure we’re all on the same page.”
日本語訳:「次に進む前に、我々全員の認識が一致しているかだけ確認させてください」
会議の途中や最後にこの一言を挟むだけで、後の「言った、言わない」トラブルを劇的に減らすことができます。“Just to be on the same page, …”(認識を合わせるために言っておくと…)という使い方もできます。
相手の意図を要約・確認する: “Just to clarify…”
相手の英語が早口で聞き取れなかったり、接続が悪くて自信がなかったりする時。「え?」と聞き返すだけでは不十分です。「明確にしたいのですが」と前置きし、自分の理解を要約して確認しましょう。
【例文】
“Just to clarify, you’re saying we should postpone the deadline, right?”
日本語訳:「確認ですが、あなたは『締め切りを延期すべきだ』と言っているのですよね?」
“clarify”(明確にする)は、ビジネス英語における必須単語です。相手の発言を自分の言葉で復唱(パラフレーズ)することで、もし認識がズレていても、相手がその場で訂正してくれます。
会議の「次」を決める: “What are the next steps?”
議論が盛り上がったものの、「で、結局誰が何をするんだっけ?」と曖昧なままオンライン会議が終了…。これを防ぐための一言です。
【例文】
“Okay, that was a productive discussion. So, what are the next steps?”
日本語訳:「はい、有意義な議論でした。それで、次のステップ(やるべきこと)は何になりますか?」
“Next steps” や “Action items”(実行項目)を最後に確認することで、会議が「ただ話しただけ」で終わるのを防ぎます。リモートでは特に「責任の所在」を明確にすることが重要です。
【早見表】リモートワークの「困った」を救うフレーズ一覧
今回ご紹介した、ピンポイントで使えるフレーズを表にまとめました。
| シチュエーション | 使えるフレーズ | ニュアンス / 日本語訳 | 
|---|---|---|
| 声がブツブツ途切れる | You’re breaking up. | (接続が悪く)声が途切れていますよ | 
| 画面・PCが固まった | My screen froze. | (自分の)画面が固まりました | 
| 映像や音声が遅れる | There’s a (slight) lag. | (少し)遅延がありますね | 
| ハウリングしている | I’m hearing feedback / an echo. | ハウリング / 反響が聞こえます | 
| 今、手が離せない | I’m a bit tied up right now. | (別の仕事で)今ちょっと手が離せません | 
| ちょっとだけ待ってほしい | Give me a second. | (すぐ対応するので)少し待ってください | 
| 全員の認識を確認したい | Are we on the same page? | 私たちの認識は合っていますか? | 
| 相手の意図を確認したい | Just to clarify… | (念のため)確認ですが… | 
| 次にやることを決めたい | What are the next steps? | 次のアクション(やるべきこと)は何ですか? | 
まとめ:リモート英語は「具体性」と「積極性」が鍵
今回は、リモートワークという特殊な環境でこそ真価を発揮する、ピンポイントなビジネス英語フレーズをご紹介しました。
対面でのコミュニケーションと異なり、オンラインでは非言語情報(表情の変化、身振り手振り、場の空気)が著しく制限されます。だからこそ、「今、何が起きているのか」「自分はどういう状況なのか」を、より具体的かつ積極的に言語化する必要があります。
「声が途切れる」「画面が固まる」「手が離せない」といった状況は、決してあなたの英語力のせいではありません。しかし、それを伝える「フレーズ」を知っているかどうかで、あなたのビジネスパーソンとしての評価は大きく変わります。
最後に、本記事の重要なポイントをまとめます。
- トラブルは「具体的に」伝える: “I can’t hear.” ではなく “You’re breaking up.”、沈黙ではなく “My screen froze.” と、状況を具体的に描写することが、円滑な進行と信頼につながります。
- 「できない」理由は「スマートに」伝える: “I’m busy.” で突き放すのではなく、”I’m tied up.” と状況を説明し、”I’ll get back to you in 10 minutes.” と代替案を提示することで、相手を不安にさせません。
- 認識のズレは「積極的に」防ぐ: 「たぶん大丈夫だろう」はリモートでは通用しません。”Are we on the same page?” や “Just to clarify…” を合言葉に、石橋を叩いて渡るくらいの「積極的な確認」が、結果的に仕事のスピードを上げます。
これらの「ビジネス英語 フレーズ リモート」編をあなたの武器に加え、オンラインでも円滑なコミュニケーションを築き上げてください。






