`will` と `be going to` は、どちらも未来のことを表す表現として学校で習います。そのため、「どちらを使っても同じ」と思っている方も多いかもしれません。しかし、ネイティブスピーカーは、その未来の行動を「いつ決めたか」という意識によって、この2つを明確に使い分けているのです。
この記事では、そんな `will` と `be going to` が持つ、核となるニュアンスの違いを、具体的なイメージと共に分かりやすく解説していきます。
結論:決めたタイミングが鍵!「今決めた」か「前から決めていた」か
2つの未来表現を使い分けるための、最も重要でシンプルなルール。それは、話している未来の行動を、いつ心に決めたかという点です。
- will:話しているその場で決めた未来の意志・申し出。
→ イメージは、ピカッと光る電球💡。「あ、そうしよう!」というその場の思いつき。 - be going to:話す前からすでに決めていた未来の予定・計画。
→ イメージは、手帳に書き込んである予定📖。「〜するつもり」という事前の計画。
この「決めたタイミング」の感覚を掴むことが、ネイティブらしい自然な未来表現をマスターする一番の近道です。
will:「その場の意志」と「単なる予測」
will の核となるイメージは「意志」です。そこから派生して、「その場で決めたこと」や「(特に根拠のない)未来の予測」を表すときに使われます。よく `I’ll` のように短縮されます。
1. その場で決めた意志・申し出
会話の流れの中で、「じゃあ、私が〜するよ」と、その瞬間に決めた行動を表します。
【例文】
A: “I’m thirsty.” B: “OK, I’ll get you some water.”
日本語訳:A:「喉が渇いたな」 B:「わかった、お水を持ってきてあげるよ」(訳注:Aの発言を聞いて、「今」水を持ってくることを決めた)
【例文】
(レストランで) I think I’ll have the pizza.
日本語訳:(うーん)ピザにしようかな。(訳注:メニューを見ながら、その場で食べるものを決めた)
2. 客観的・漠然とした予測
話者の個人的な意見として、「〜だろうなあ」と未来を予測するときに使います。`I think …` や `probably` と一緒に使われることが多いです。
【例文】
I think it will rain tomorrow.
日本語訳:明日は雨が降るだろうと思います。(訳注:特に空を見ているわけではなく、漠然とそう思っている)
be going to:「前からの予定」と「兆候のある予測」
be going to の核となるイメージは「そちらに向かっている」です。そこから派生して、「前から決めていた予定」や、「今ある兆候から、そうなることが確実な未来」を表します。
1. 前から決めていた予定・計画
会話が始まる前から、すでに心づもりがあったり、計画を立てていたりしたことを表します。
【例文】
I’m going to travel to Spain this summer.
日本語訳:私はこの夏、スペインに旅行に行く予定です。(訳注:航空券を取るなど、前から計画していた)
【例文】
A: “The phone is ringing.” B: “I know. I’m not going to answer it.”
日本語訳:A:「電話が鳴ってるよ」 B:「知ってる。出ないつもりなんだ」(訳注:「出ない」という意志を、前から持っていた)
2. 目に見える兆候からの確実な予測
現在の状況から見て、「このままだと、ほぼ確実に〜になるだろう」と強く予測できるときに使います。
【例文】
Look at those dark clouds. It’s going to rain soon.
日本語訳:あの黒い雲を見て。もうすぐ雨が降るよ。(訳注:黒い雲という、目に見える兆候がある)
【一覧表】`will` と `be going to` の使い分けマップ
2つの未来表現のニュアンスの違いを、状況別に表で確認してみましょう。
状況 | will(その場の意志・漠然とした予測) | be going to(前からの予定・確実な予測) |
---|---|---|
意思決定 | 「手伝うよ!」 I’ll help you. (今決めた) |
「明日、彼を手伝う予定なんだ」 I’m going to help him tomorrow. (前から決めていた) |
未来の予測 | 「彼は成功するだろうな」 He will be successful. (客観的な予測) |
「見て!彼はゴールするよ!」 Look! He’s going to score! (そうなる兆候が見える) |
まとめ
今回は、未来を表す `will` と `be going to` の本質的な違いについて解説しました。日本語に訳すと似てしまいますが、ネイティブスピーカーは、その行動を「いつ心に決めたか」という感覚で、この2つを無意識に使い分けています。
未来について話すとき、「これは今思いついたことかな? それとも前から決めていたことかな?」と一瞬考えてみてください。この思考の癖をつけるだけで、あなたの英語はより自然で、意図が明確に伝わる表現へと変わっていきます。
今日のポイント
- ✅ 会話のその場で決めた意志や申し出には → will
- ✅ 会話の前から決めていた予定や計画には → be going to
- ✅ 特に根拠のない、話者の漠然とした予測には → will
- ✅ 目に見える兆候など、確信度の高い予測には → be going to