「時制」とは、「その出来事がいつ起きるか(起きたか)」を説明する時に使われる文法で、英語で最も重要な文法の一つです。
英語の時制は全部で12種類あり、それぞれ使い分けが必要ですが、時制に対して苦手意識を持っている人も多く、英語学習の中でも理解している人があまり多くない文法です。
今回はそんな英語の「時制」について、イメージしやすいように解説をしていきます。
英語の時制の使い方
ここで二つの例文を見ていきます。
例文
私は寿司を食べる。
I ate Sushi.
私は寿司を食べた。
I will eat Sushi.
私は寿司を食べるだろう。
それぞれ現在、過去、未来の出来事について説明した文章ですが、文を見ると分かるように英語の時制は動詞の形を変えることで表現しています。(未来形は未来を表す助動詞「will」を使う)
英語の時制を理解するポイントは、
- いつの視点で、
- どのような動作の状況であるかを
- 動詞の形を変えて
表現するということです。
では、それぞれの時制表現について解説をしていきましょう。
時制の種類
時制には全部で12種類あって沢山あるように感じますが、大きく分けると4つのグループに分けられるので、そのグループごとに理解を進めていけばそれほど難しくありません。
まず、時制12種類全体のイメージを一覧で掴んでみましょう。
時制の種類 | 使い方 |
---|---|
一般形 | 基本的な時制。 |
進行形 | その時点において継続している状態や動作について説明する。 |
完了形 | その時点において既に完了している状態や動作について説明する。 |
進行完了形 | 過去のある時点から状態や動作が継続、現在も続いている、或いは完了していることを説明する。 |
では、基本の時制から解説をしていきます。
基本時制
まず基本の時制である一般形について解説をしていきます。
一般形として分類されるのは「現在形」「過去形」「未来形」の3種類。
現在形が表すことは「習慣」あるいは「事実」であることのみ。
例文
私は8時に会社に出勤している。
He lives in Tokyo.
彼は東京に住んでいる。
8時に会社に出勤しているのは「習慣」、東京に住んでいるのは「事実」。
こういった習慣的なものを説明したり、事実を説明する場合は現在形を使用します。
過去形は過去のある時点における出来事や事実を説明するもので、その内容が現在どうであるかは言及しません。
例文
私は昨日、塾へ行った。
John watched the movie yesterday.
ジョンは昨日映画を見た。
未来形は未来のある時点で起きているであろう予定や、未来に向けての意志を説明する表現です。
例文
私は今週末レストランに行く予定です。
I will go to Hawaii next summer.
来年の夏にはハワイに行きます。
基本時制の現在形、過去形、未来形の時間軸イメージは以下のような感じで、他の時間との繋がりはなく、現在・過去・未来のある時点の説明をピンポイントでするものです。
基本時制のイメージ

進行形
進行形は継続性のある動作や出来事を表現するもので、基本時制がピンポイントで説明するのに対し、現在・過去・未来のある時点において「起きていること」を説明します。
現在進行形では、現時点で今まさに起きていることを説明します。
例文
私は今本を読んでいます。
過去進行形は、過去のある時点において進行中の出来事について説明をします。
例文
彼は昨日の午後5時、校庭を走っていました。
未来進行形は未来のある時点において、進行中であろう出来事について説明をします。
例文
私たちは明日の今頃は登山をしているでしょう。
進行形の時間軸イメージは、述べている時点においてその動作や出来事が進行中、継続中であることです。
進行形のイメージ

完了形
日本語の場合、完了形にあたる日本語訳はありませんが、完了形は文中で語られている時点において、物事の完了や結果、あるいは経験、継続について強調する文法です。
一般時制や進行形と同様に、現在・過去・未来の3種類があります。
現在完了形では、現時点における物事の完了・結果・経験・継続について語る文法で、イメージとしては「過去のある時点から始まった出来事を、現在の視点から見ている」のを頭に置いておきましょう。
例文
彼はもうすでに仕事を終えている。
I have seen that movie twice.
私はその映画を二回見たことがある。
My grandfather has been in bed with a cold for three days.
祖父は3日間も風邪で寝込んでいる。
過去完了形では、過去のある時点において、それよりも過去から始まった出来事がどうであるかを語る文法です。
例文
ジョンは昨日その仕事を終えていた。
I had never eaten eels until then.
私はその時までうなぎを食べたことがなかった。
未来完了形も同様の考え方で、未来のある時点において完了、経験、継続しているであろうことを語る文法です。
例文
今週末には私はこの仕事を終えているだろう。
Next year he will have lived in Tokyo for 20 years.
来年で彼は東京に住んで20年になる。
完了形の時間軸イメージは文中で述べている時点と、物事が始まった過去との繋がりをイメージします。
完了形のイメージ

完了進行形
完了進行形は文中で述べているある時点において、過去から継続している動作について語る文法です。
現在完了進行形は「過去のある時点から始まった動作が現時点も継続している」ことを語る文法です。
例文
弟は2時間ゲームをし続けている。
完了進行形の用法は、完了形の継続用法と非常によく似ています。
両者には、
- 完了形の継続用法…状態が継続していることを述べる
- 完了進行形…動作が継続していることを述べる
という違いがあり、用いられる動詞が異なります。
過去完了進行形も同様に、「過去のある時点において、それよりも過去から始まった動作が継続している」ことを語る文法です。
例文
私が家に帰宅するまで兄は2時間も飲んでいた。
When John got here, I had been waiting for 40 minutes.
ジョンがここに来た時、私は40分待っていた。
未来完了進行形の場合は、「未来のある時点で始まった動作が、更に未来のある時点において動作が継続している」ことを語る文法です。
例文
来年の夏で私は水泳を10年習っていることになる。
この例文と同じような内容を未来完了形で表現すると、
例文
来年の夏で私は水泳を10年間習ったことになる。
どちらも「来年の夏の時点で水泳を10年間習った」ことを述べていますが、未来完了形では「水泳」を今後も続けるかの継続性について触れられていないニュアンスとなります。
未来完了進行形では、来年の夏時点では10年経ち、今後も続けていくであろうということがニュアンスに含まれます。
あまり多用することのない文法ではありますが、イメージを理解しておくと良いでしょう。
完了進行形の時間軸イメージは、文中で述べている時点とそれよりも過去から始まった動作が繋がりを持ち、かつ継続性があることをイメージします。
完了進行形のイメージ

時制の文型
これまで12の時制について使い方、イメージを解説してきましたが、ここで文型でパターンを分類していきましょう。
動詞を「do」として一覧化しました。
時制のパターン | 過去 | 現在 | 未来 |
---|---|---|---|
一般形 | did | do | will do |
進行形 | was doing | be doing | will be doing |
完了形 | had done | have done | will have done |
完了進行形 | had been doing | have been doing | will have been doing |
まとめ
ここまで英語の時制について解説しました。
英語の時制は全部で12種類。一つひとつ押さえていくととても沢山あるように感じられますが、大きく分けると4つに分類されます。
そしてそれぞれの「現在」「過去」「未来」があり、その掛け合わせで12種類。
まずは4つの分類における時間軸のイメージを押さえておくことが、時制を理解する最初の一歩です。
それさえ押さえてしまえば、後は「現在」「過去」「未来」と広げていくだけですので、覚え方としては順を追っていけば難しくありません。
英語の時制は様々な文法で出てくる要素で、これがきっかけで他の文法も分からなくなる…なんてこともよく聞きます。
中高の英語の習得において、英語の時制の理解は最低限押さえておきたい要素なので、今「なんとなく分からない…」と感じている人はこれを機会にマスターしてしまいましょう!
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