「助動詞」はその名の通り、「動詞を助ける」役割を持っています。
助動詞を使わない英文は基本的に事実のみを伝えています。
例えば「明日雨が降る」という文章は「明日雨が降ること」を事実として述べていますが、降る「かもしれない」という可能性を述べたり、降る「に違いない」という確信を述べることもできます。
そういった可能性や確信の意味を付加するのに使われるのが助動詞です。
動詞に対して意味の変化をもたらす役目があると理解すると良いでしょう。
助動詞の使い方
日本語の場合、文末などで「かもしれない」「に違いない」のように変化をさせていますが、英語の場合は「助動詞」として単語が独立しているので分かりやすいのが特徴です。
ここで例文を見てみましょう。
例文
私は早く泳ぎます。
これは「私が早く泳ぐ」という事実を述べた英文です。
これに助動詞「can」を追加すると、
例文
私は早く泳ぐことができます。
「can」には「~することができる(可能)」の意味があるので、早く泳ぐ「ことができる」という可能の意味が文章に付加されています。
助動詞を使った文章の文法
「主語」+「助動詞」+「動詞の原形」~
助動詞は基本的に「主語」と「動詞」の間に入ります。
その際、動詞は原形です。
主語が三人称単数の場合も例外なく、動詞は原形となります。
合わせて否定文と疑問文の文法も覚えておきましょう。
助動詞を使った文章の否定文
「主語」+「助動詞」+「not」+「動詞の原形」~
助動詞を使った文章の疑問文
「助動詞」+「主語」+「動詞の原形」~
助動詞の種類
助動詞は全部で10種類以上ありますが、まず基本的な5つの助動詞を理解していきましょう。
can
助動詞「can」には「~ことができる(可能)」「~してもよい(許可)」の意味があります。
非常に頻出する助動詞なので、必ず押さえておきましょう。
例文
私はピアノが弾けます。
例文
休憩してもいいですよ。
上記分はそれぞれ「可能」と「許可」の例文です。
2つ目の文章は「許可」ですが、「してもいい」⇒「あなたは~できる」という風に言い換える事ができるので、両者に共通するのは「~できる」というイメージです。
また、日常会話で相手に「~してもいいか」尋ねる際のフレーズでもよく使われます。
例文
その本を貸してくれない?
海外のお店などでよく使われる表現でもあるので、是非覚えておきましょう。
will
続いて助動詞「will」は「(これから)~する(未来)」の意味があります。
こちらも頻出する助動詞です。
例文
明日君の家に(これから)車で向かうよ。
「will」は相手に依頼をする場合に疑問形で使う事ができます。
例文
明日買い物についてきてくれない?
may
助動詞「may」は「~かもしれない(推量)」「~してよい(許可)」の意味があります。
例文
彼は明日ここに来ないかもしれない。
この場合の「~かもしれない」は可能性は高くなく、50%以下程度のニュアンスで話している認識で良いでしょう。
また、許可の意味で使う場合も丁寧な印象で、「~してもいいですよ」というニュアンスになります。
例文
ここで休憩してもいいですよ。
「may」を使った疑問文では「~してもよいでしょうか?」と相手に敬意を持って許可を得る時などに使われる表現です。
例文
明日の会議に同席頂いても良いでしょうか?
should
助動詞「should」は「~すべきです(当然)」「~のはずです(弱い確信)」の意味で使われます。
「should」は助動詞「shall」の過去形ですが、使用する頻度は「should」の方が高いので、こちらの用法を覚えてしまいましょう。
例文
あなたは明日彼女に謝るべきです。
He should not be at that party.
彼はそのパーティに参加はしないはずです。
疑問文では「~すべきです」となりますが、ニュアンスとしては「~したほうがいい」という義務よりも弱いニュアンスとなります。
また、原形の「shall」は未来を述べる場合に使われ、「will」とほぼ同様の意味ですが、疑問形では「~しましょうか?」という意味となります。
must
助動詞「must」は「~しなければならない(義務)」「~に違いない(確信)」という意味があります。
非常に強い圧力のある義務の意味で、これを使う場合は「強制」や「禁止」などの意味が伴ってくるので、日常的に使うことは多くないかもしれませんが、必須の表現です。
例文
あなたはこの仕事を全て終わらせなければなりません。
「確信」の意味で使う場合も「絶対そうだ!」という強い確信がある場合に使われます。
例文
あの男が原因に違いない。
「義務」の表現に「have to」がありますが、「must」と以下のような点において違いがあります。
- 「have to」は外的要因による義務、「must」は話し手の主観が含まれる義務
- 否定文「don’ t have to」は「~しなくても良い」、「must not」は「~してはならない」
助動詞の過去形
助動詞にも過去形が存在します。
しかし日常的に頻出する割に過去の意味を持たないという少々厄介な側面を持っています。
そのため、助動詞の過去形について注意が必要です。
助動詞の過去形例
助動詞 | 意味 | 意味 | ||
---|---|---|---|---|
can | 現在形 | can | ~できる | ~かもしれない |
過去形 | could | ~できるかもしれない | ~かもしれない | |
will | 現在形 | will | ~します | |
過去形 | would | ~でしょう | ||
may | 現在形 | may | ~かもしれない | ~してもよい |
過去形 | might | ~かもしれない | ||
shall | 現在形 | shall | ~します | |
過去形 | should | ~すべきです | ~のはずです |
助動詞の場合、現在形と過去形で意味の強さに差がある場合が多く、例えば「can」は「~できる」という意味ですが、「could」では「~できるかもしれない」と可能性が低くなっています。
また、現在形と過去形で意味が変わるものがあるのも注意が必要な点です。
wouldとcouldの違い
中でも助動詞の過去形「would」と「could」はそれぞれの原形よりも丁寧なニュアンスになります。
例文
その本を貸してくれない?
Could you lend me that book?
その本を貸していただけませんか?
例文
あのレストランに連れて行ってくれる?
Would you take me to that restaurant?
あのレストランに連れて行ってくれませんか?
過去形にすることで相手に対して丁寧に聞いているのは分かりますが、「could」「would」の違いが非常に分かりにくいかもしれません。
それぞれの助動詞の原形「can」は可能や能力、「will」はそれをやる意思の意味を持っています。
そこから考えると、
「could」は「それができるか」、「would」は「その意思があるか」を問う聞き方となります。
相手にお願いをする際はそのニュアンスを考えながら使い分けると良いでしょう。
助動詞には推量の意味を持っているものが多い
そして助動詞には「~だろう」という推量の意味を持っているものが多く、その使い分けに悩む人も多いのですが、推量の用法の場合、助動詞によってその確信度が異なります。
その確信度は以下のように並びます。
助動詞 | 意味 | 確信度 |
---|---|---|
must | ~にちがいない | ほとんど確信 |
will | きっと~だろう | 9割くらい確信 |
would | ~だろう | 8割くらい確信 |
should | ~のはずだ | 7割くらい確信 |
can | ~の可能性がある | 6割くらい確信 |
may | ~かもしれない | 半分くらい確信 |
might | ~かもしれない | 4割くらい確信 |
could | ~もありえる | 3割くらい確信 |
他にも推量の意味を持つ助動詞はありますが、この記事でご紹介した助動詞に限定しました。
このように使う助動詞によって、確信度を表現しています。
まとめ
いかがだったでしょうか。
代表的な助動詞5つを中心に助動詞について解説をしていきました。
英語学習初期の難関というだけであってなかなか複雑ですが、「助動詞の役割」や「その位置・文法」をしっかり押さえておけば、後はパターンを増やして覚えていくだけです。
基礎中の基礎をしっかりと押さえて、ネイティブ同様に使いこなせるようになりましょう!
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