日本人が英語を聞き取りづらい理由とは?

この記事では、なぜ日本人にとって英語は聞き取りづらい言語なのかを解説したうえで、効果的な対策とやってはいけない勉強法を解説します。 英語が聞き取れない原因を突き止めることで英語が一気に聞き取れるようになるというケースもありますので、「これまでいろいろやったけどダメだった」という方もぜひ参考にして下さい。

「外国人の相手が英語で何を言っているのかさっぱり分からない」、「どれだけリスニングを練習しても聞き取れるようにならない」などと悩んだ経験はありませんか?日本人が英語を上手に聞き取れない背景には言語学的な要素が絡んでおり、その原因を突き止めないとなかなか英語が思い通りに上達することはありません。

そこでこの記事では、なぜ日本人にとって英語は聞き取りづらい言語なのかを解説したうえで、効果的な対策とやってはいけない勉強法を解説します。

英語が聞き取れない原因を突き止めることで英語が一気に聞き取れるようになるというケースもありますので、「これまでいろいろやったけどダメだった」という方もぜひ参考にして下さい。

英語が聞き取りにくい理由

「英語がなかなか聞き取れない」という場合、日本と英語の言語的な違いによって苦戦している可能性が考えられます。まずは特に初心者の方がつまづきやすいポイントを3つご紹介しましょう。

アクセント

英語初心者の方は、まず日本語と英語ではアクセントのつけ方が全く違うということを理解しなくてはなりません。日本語と英語のアクセントを比較すると、日本語のアクセントは音の高低によって、英語のアクセントは音の強弱によって表されるという決定的な違いが存在します。

例えば「あめ」という単語の場合、「あ」を高くして「め」を低くすれば空から降ってくる雨になりますが、「あ」を低くして「め」を高くすれば舐める飴になります。

一方の英語は、cat「猫」やdog「犬」といった短い単語にも必ずアクセントが存在し、文章の中でもアクセントをつける箇所がいくつも存在します。また、アクセントがない部分はほとんど発音せず速く読んでしまうため、英語に慣れていない日本人からすると余計に聞き取ることが困難に思えてしまうことでしょう。

日本語は基本的に文章全体を通して平坦な言語ですが、英語は常にアクセントがあることで波打つような言語であるということを、まずは頭に入れておきましょう。

発音が変わる

「文章なら分かるのに、聞き取りは苦手」という場合、音のつながりが理解できていない可能性が高いと言えます。英語では「リンキング」や「リエゾン」などと称されますが、英語では前の単語の語尾と後ろの単語の頭をセットで発音する習慣が一般的です。

[st-minihukidashi fontawesome=”fa-file-text-o” fontsize=”90″ fontweight=”bold” bgcolor=”#FFC107″ color=”#fff” margin=”0 0 0 0″]例文[/st-minihukidashi]

[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]Check it out.
見て(聞いて)ごらん。

[/st-mybox]

例えば上記の文章を発音する場合、英語初心者の方だと「チェック・イット・アウト」と発音したくなってしまいます。日本語では音を区切るのが基本で、音を繋げるという習慣があまり根付いていないため、これは至極当然と言えるかもしれません。

しかし、多くの方がご存知のように、この文章は「チェキラ」のように発音されます。checkの語尾にあるkとitのiがつながりki「キ」の音が、itのtとoutのoが重なりto「タ」の音が生まれ、さらにto「タ」は速く読むことで「ラ」の音に変化しています。

一見難しく思える「リンキング」や「リエゾン」ですが、音のつながりや発音には基本的にルールが存在しますので、慣れれば音を正確に聞き取ることは決して難しくはありません。

スピード

3つ目のポイントとして挙げられるのは、英語は日本語よりも「早口に聞こえる」という点です。これは文法的に英語の方が単語数が多くなるということや、先述した「リンキング」や「リエゾン」が大きく関係していると言えます。

特に重要でない単語のアクセントが無い部分は、音としてほとんど消えてしまっていることも珍しくありません。名詞や形容詞ならまだしも、前置詞などは特に聞き取りづらいケースが多々あります。

しかし、言い換えれば重要な部分をしっかりと強く発音していると捉えることもできます。文章が長い英語が早く聞こえてしまうのは当然ですが、一つ一つの音のつながりを意識していけば、こうしたスピードの違いも徐々に乗り越えられるようになるでしょう。

対策法

英語が苦手な方が英語を聞き取れるようになるには、英語の音にフォーカスした勉強法を選ぶことが必要不可欠です。ここでは特に効果的な勉強法を5つご紹介しますので、特に英語初心者の方は参考にして下さい。

知らない単語を潰す

英語を聞き取るうえで最も基本となるのが、まずは一つ一つの単語の発音を理解するということです。実際、「文字であれば意味は分かるけれど、どのように発音するのか分からない」という単語は意外と多いのではないでしょうか?

単語帳などを活用する際は発音記号にも注目し、どのような音で構成されているかをチェックすることが大切です。発音記号がよく分からないという方は、音声CDなどが付いた教材を活用し、単語の意味だけでなく音も必ずチェックするようにしてください。

発音・アクセントは英語を声に出して習得する

英語の発音を理解するためには、普段から声を出して読む習慣をつけるというのも非常に効果的です。ネイティブになりきったかのような感覚で恥ずかしがらずに声に出し、実際の音声などと比較してみましょう。

この練習を積み重ねれば、次第に発音を感覚的に理解できるようになり、初見の単語でもなんとなく発音が分かるようになります。発声をすれば耳からも音が記憶されますので、一石二鳥の勉強法と言えるかもしれません。

精読

英語の音を理解するためには、何となくで文章を読み進める「多読」はあまり向いていません。まずは文章全体の構造や単語の意味を細かく分析する「精読」を意識してみましょう。

意味を理解したうえで文章を読めば、何も知らない文章に比べて自然と発音もきれいになります。発音する際はただ声に出すだけでなく、文章の意味を頭でも理解しながら読み進めるようにして下さい。この作業を何度も繰り返せば、自然と音を脳に定着させることができます。

発音・アクセントのルールをしっかり学ぶ

「リンキング」や「リエゾン」は特に難しく感じてしまう方も多いですが、英語の発音には必ずルールが存在します。アクセントに関しても「“~tion”の直前の母音にアクセントが来る」など意外と知らないルールはたくさんあるものです。

まずはこうした発音に関するルールを学び、そのうえで英語の音に慣れていくのが効果的な方法と言えるでしょう。発音記号は苦手で回避する方も多いですが、その先のことを考えればじっくり時間をかけて学習する価値は十分にあります。

日本語に訳さない

英語初心者の方の場合、「英語を頭の中で日本語に翻訳している」という方は意外と多いのではないでしょうか?当然、頭の中ですべての文章を日本語に変換していたら、単純計算でも2倍の時間がかかってしまい、英語をスムーズに聞き取ることはできません。

英語学習において「英語脳」と呼ばれますが、英語を英語としてそのまま理解するスキルは英語上達のためには必要不可欠です。ただし、これは小手先で簡単に手に入るものではありませんので、以上でご紹介したような学習法を何度も繰り返すことが欠かせません。

NGな学習法

「なんとなくこの方法が良いらしい」という勉強法には、意外と落とし穴がたくさん潜んでいます。ここでは英語のリスニング能力をあげる方法として特にNGなものを3つご紹介しますので、なるべくこうした勉強法は避けてください。

聞き流し学習法

「英語のリスニング能力が勝手に上がる」といった評判から、多くの方が始めてしまいがちなのが聞き流しです。

確かに聞き流しは、英語の土台がしっかりしている方にとっては多少の効果を発揮するかもしれませんが、英語初心者の方や英語が苦手な方にとってはほとんど意味がありません。聞き流しだけでリスニング能力が上がるとすれば、洋楽を聞いている人は誰でも英語ができるようになるはずです。

リスニング能力を上げるには、文構造や文章の意味を理解した文章を聞くことが鉄則です。既に精読をした文章を何度も何度もリピートすることで、はじめて音のつながりやアクセントが身に付くようになるので、安易に聞き流し学習を始めるのはおすすめできません。

レベルが高すぎる教材を使う

レベルが高い教材を使うのも、当然リスニングには適していません。難しい教材を選ぶと、文章の意味だけでなく、単語の発音や意味すら分からないということが出てくるため、読解にとてつもない時間がかかってしまいます。

リスニングは意味を理解したうえで鍛えるものですので、どちらかと言うと少し簡単な教材を選んだ方が効果は高いでしょう。無理に高いレベルに挑戦しても、単語や文章を理解する素地がないと効果は薄いですので、教材選びは慎重に行ってください。

映像付き教材

映像付きの教材も、リスニング対策としてはあまりおすすめできません。これは映像付きの教材だと気づかぬうちに視覚に意識が集中してしまい、肝心の聴力が育たないためです。

映像によって楽しく視聴できるのは大きな魅力ではありますが、もし映像付きの教材を活用する際には英語字幕付きのものを選び、同じ映像を何度も繰り返し視聴することを心がけてください。

まとめ

英語学習者の中でもリスニングを苦手とする方は非常に多いですが、英語と日本語は根本的に構造が異なる言語ですので、確かに聞き取れないのは当たり前かもしれません。これだけ違いがたくさん存在すると「とてもじゃないけど無理そう」と思えてしまった方も少なくないのではないでしょうか?

しかし、英語の発音やアクセントには必ずルールが存在するのも事実です。こうした知識は一気に覚えるのではなく、少しずつ慣れることで初めて定着するものですので、まずは焦らず少しずつ進めてくことを意識しましょう。

ご紹介した方法の中でも、特に「発音・アクセントを声に出す」、「精読」などを重点的に進めていけば、必ずや「英文がクリアに聞き取れた」という感覚を持つことができます。ぜひこの記事でご紹介した内容を参考に、焦らず少しずつ英語のリスニングを鍛えてくださいね!

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