この2つの単語は、意味が正反対であるにもかかわらず、多くの英語学習者が混同してしまいます。もし間違えて使ってしまうと、「貸してほしい」のに「貸してあげる」と申し出るような、非常に気まずい状況になりかねません。
しかし、心配は無用です。この2つの動詞の使い分けは、「誰が」「誰から」モノを受け取るのかという視点
で決まる、非常にシンプルなルールに基づいています。
この記事を読めば、お金やモノの貸し借りの場面で、もう二度と間違えることはなくなるでしょう。
結論:矢印の向きで覚える!borrow と lend の違い
まずは、全ての基本となる核心のルールを掴みましょう。ポイントは、モノがどちらの方向に動くかです。
- borrow:(自分が)借りる → モノやお金が自分の手元に来るイメージ。矢印が
自分に向かう 。 - lend:(自分が)貸す → モノやお金が自分の手元から出ていくイメージ。矢印が自分から出る。
つまり、「借りる側」が主語なら borrow、「貸す側」が主語なら lend を使います。この「主語は誰か」という視点を意識するだけで、すべて解決します。
【受け取る側】の borrow の使い方
borrow は、「(無料で一時的に)借りる」という意味です。主語は、モノやお金を受け取る側(借り手)になります。
基本的な形は borrow (モノ) from (貸し手) です。「誰から」借りるのかを明確に示します。
borrow を使う具体的なシチュエーション
【例文】
Can I borrow your pen for a second?
日本語訳:少しの間、あなたのペンを借りてもいいですか?【例文】
I had to borrow some money from my parents to buy a car.
日本語訳:車を買うために、私は両親からお金をいくらか借りなければならなかった。【例文】
He borrowed a book from the library.
日本語訳:彼は図書館から本を1冊借りた。
すべて、主語(I, He)が何かを「借りている(受け取っている)」のが分かりますね。
【渡す側】の lend の使い方
lend は、「(無料で一時的に)貸す」という意味です。主語は、モノやお金を渡す側(貸し手)になります。
基本的な形は lend (モノ) to (借り手) または lend (借り手) (モノ) です。`to` を使わない形もよく使われるので、覚えておきましょう。
lend を使う具体的なシチュエーション
【例文】
Could you lend me your pen for a second?
日本語訳:少しの間、私にあなたのペンを貸してくれませんか?【例文】
My parents lent me some money to buy a car.
日本語訳:私の両親は、車を買うために私にお金をいくらか貸してくれた。【例文】
The library lends books to its members.
日本語訳:その図書館は、会員に本を貸し出している。
こちらは、主語(you, My parents, The library)が何かを「貸している(渡している)」のがポイントです。
【比較】borrow と lend の違いが一目瞭然!
同じ「ペンを貸し借りする」という状況でも、主語が誰かによって使う動詞が変わります。2つの言い方を見比べてみましょう。
視点 | 動詞 | 例文 | 意味 |
---|---|---|---|
借りる側 (I) が主語 | borrow | Can I borrow your pen? | 私があなたのペンを「借りる」ことはできますか? |
貸す側 (You) が主語 | lend | Can you lend me your pen? | あなたは私にペンを「貸す」ことはできますか? |
どちらも結果的に「ペンを貸してほしい」と伝えていますが、誰を主語にしてお願いするかで使う単語が変わります。一般的には “Can I borrow…?” の方がより直接的でよく使われる傾向にあります。
ちなみに、有料で「貸す」「借りる」場合は rent を使うのが一般的です。(例:rent a car, rent an apartment)
まとめ
今回は、意味を混同すると大変なことになる borrow と lend の違いを解説しました。複雑なルールは一切なく、ただ「誰が主語で、モノがどちらに動くか」を考えるだけです。
この視点のルールをしっかりマスターして、貸し借りの場面で自信を持ってコミュニケーションが取れるようになりましょう。
今日のポイント
- ✅ borrow は「借りる」。主語は受け取る側(借り手)。矢印は自分に向かう。
- ✅ lend は「貸す」。主語は渡す側(貸し手)。矢印は自分から出ていく。
- ✅ 「ペンを貸して」と頼むなら、自分が主語の “Can I borrow…?” と、相手が主語の “Can you lend me…?” の2通りの言い方がある。
- ✅ 有料のレンタルには rent を使う。