日本人の英語力は最低レベル!?英語力を向上させるためには
この記事では、日本人の英語力が実際にどのくらい低いかをご紹介したうえで、英語力が低い理由や、話せるようになるための効果的な方法などについて詳しく解説します。 これから英語を勉強しようとお考えの方は、日本だけではなく世界的な視野でご自身の英語を相対化することができますので、ぜひ英語学習のモチベーションとしてご活用ください!
日本人の英語力は、世界的に見ても極めて低いということをご存知でしょうか?先進国はおろか、アジア諸国と比べても日本の英語力はかなり低く、英語を話せないとそれだけ世界で活躍するチャンスも失ってしまします。
この記事では、日本人の英語力が実際にどのくらい低いかをご紹介したうえで、英語力が低い理由や、話せるようになるための効果的な方法などについて詳しく解説します。
これから英語を勉強しようとお考えの方は、日本だけではなく世界的な視野でご自身の英語を相対化することができますので、ぜひ英語学習のモチベーションとしてご活用ください!
日本人の英語力はアジア最低
残念なことに、日本人の英語力は世界はおろか、アジア諸国の中でも最低レベルです。英語の権威ある資格として知られる「TOEFL」が発表したデータによると、アジアの主要国の英語力は以下の通りです。
国名 | リーディング | リスニング | スピーキング | ライティング | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
シンガポール | 24 | 25 | 24 | 24 | 98 | インド | 23 | 24 | 24 | 24 | 95 | パキスタン | 22 | 23 | 25 | 23 | 94 | マレーシア | 23 | 24 | 22 | 23 | 91 | フィリピン | 20 | 22 | 23 | 22 | 88 | ベトナム | 21 | 21 | 21 | 22 | 84 | 韓国 | 22 | 21 | 20 | 20 | 83 | 中国 | 21 | 20 | 20 | 20 | 81 | タイ | 20 | 21 | 20 | 20 | 80 | 日本 | 18 | 18 | 17 | 18 | 72 |
このデータによると、アジア29カ国の中で日本はなんと27位という結果に。もちろん国民の経済状況によって受験者層の偏りは出るため、一概に比較することはできませんが、それでも「日本人の英語力が深刻である」という事実は変わりません。
「英語と日本語は言語としての性格が異なるから」という言い訳も存在しますが、アジアの言語は総じて英語と言語的に異なりますので、「日本だけが」という理由にはなり得ないでしょう。
日本人の英語力が低い理由
先進国の中ではもちろん、アジア諸国の中でも最低レベルにある日本の英語力。その原因としては、主に以下の3つの理由が考えられます。
文法重視の英語教育
日本人が英語を苦手とする最大の原因は、文法や読解ばかりを重視する日本の英語教育にあるとされています。英会話で使われるような表現はほとんど教えられることがなく、難しい文章や資料を読み解く力ばかりが重視されます。
また、教える内容が古典的であるのも要因として挙げられるでしょう。日本の英語教育が古い例として、以下の文章が挙げられます。
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]How do you do?
ご機嫌いかがですか?
– I’m fine, thank you.
私は元気です。ありがとうございます。
[/st-mybox]
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#E8EAF6″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]How’re you going?
調子はどうですか?
– Good.Yourself?
良いですよ。あなたは?
[/st-mybox]
“How do you do?”や”I’m fine”という表現は、実際の英語ではほとんど使うことがありません。使うとしても高級身分の高齢の方くらいのため、日本の英語教育では何十年も前の英語が教えられていると言えるでしょう。こうした「古い」英語教育は、日本人の英語力低下に大きく関係していると言えそうです。
日本語との言語学的な違い
日本語と英語は、確かに言語として大きく性格が異なるのが事実です。発音はもちろんのこと、文章の構成の仕方も、英語と日本語は対照的な言語であると言えるでしょう。
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]I met him on the way to the station.
私は駅に行く途中で彼に会いました。
[/st-mybox]
例えばこの文章を日本語に訳す場合、最初にI「私」を訳したら、続いてto the station「駅に行く」、on the way「途中で」、him「彼に」、met「会った」と、後ろから順に訳すのが基本となります。
しかし実際の英会話では、当然耳にした順番に意味を取っていかなければなりませんので、頭の中で「後ろから順に訳す」という作業を行っている余裕はありません。
日本語と英語が言語学的に異なるのは事実ですが、日本語と言語体系の近いアジア諸語を話すアジア圏の人々が英語を話せるわけですので、「日本人だけが特別」というのは誤りでしょう。
日本人の国民性
シャイで失敗を恐れる日本人の国民性も、英語上達を阻害している要因の一つと考えられます。実際、「英語が分かっていないのに何となく相槌を打った経験がある」という方も多いのではないでしょうか?
日本人はたとえ英語が聞き取れずに理解できていなかったとしても、シャイであるがゆえに相手に聞き返すのを避けてしまうという特徴があります。さらに失敗を恐れる国民性が加われば、自分から積極的に話すのも億劫に感じてしまうことでしょう。
また、「はい」か「いいえ」をハッキリ伝えない国民性も、英語においては誤解を招く原因となってしまいます。実際、「日本人ははっきりものを言わない」、「日本人は何を考えているのか分からない」などと言われることが多いのも事実です。
物事を遠回しに表現するのは日本人の「奥ゆかしさ」でもあるのですが、英語を話す際にはYesかNoをハッキリ伝えるよう意識することが大切です。
英語が話せないということ
「英語を話せなくても別に問題ない」と考える方も少なくありませんが、英語を話せないと様々なシーンでチャンスを失ってしまう可能性が考えられます。
現在、世界の英語話者は約15億人いると言われており、これは世界の総人口の5人に1人に相当します。一方、日本語の話者人口は約1.2億人で、日本人以外の日本語話者はごく少数に過ぎません。
この数字だけを見比べても、英語ができれば日本語より12倍程度はコミュニケーションをとれる幅が広がるということを示しており、特にビジネスでは英語ができないことで制約がかかってしまい、機会損失に直結すると言えるでしょう。
近年はインターネットの普及もあり、英語を話せる若い世代が増えていると言われています。既に英語教育を終えた世代が自ら英語を積極的に学習しなければ、こうした世代間の英語能力のギャップは当然拡大していくことが予測されます。
日本人の英語に対する海外の反応
不名誉なことに、海外では「日本人は英語を話せない」とレッテルを貼られることが少なくありません。日本人が英語ができないことに対しては、海外でも賛否両論と言えるのが現状です。
例えば「日本人は海外に出る必要がない」、「日本は豊かだから日本国内で過ごすだけで十分だ」など、英語ができないことを「日本の色」として受け入れてくれている意見も多数見受けられます。他の国では必要に駆られて英語を学習することも多いですが、確かに日本人は英語ができなくても問題無く生活することができ、そうしたモチベーションに欠けるというのは正しいかもしれません。
また、何かと母音を発音してしまう日本人の英語は、英語話者からすると非常に聞き取りづらいという意見も多数存在します。どれだけ正しい文法を使えたとしても、発音ができなければ相手に伝わることはありません。文法ばかりを勉強している以上、こうした言語の壁が下がることも考えにくいでしょう。
日本人が英語を話せるようになるためには
世界的に「英語ができない」と言われる日本人ですが、英語を話せるようになるにはどうしたら良いのでしょうか?ここでは特に効果的な方法を2つご紹介しましょう。
英語脳を育てる
英語を話せるようになるための一番の近道は、英語を英語のまま理解する「英語脳」を作ることです。
例えば、先述のI met him on the way to the station.「私は駅に行く途中で彼に会いました。」という例文のように、文章を後ろから訳そうとするのではなく、出てきた単語から順に情報処理していくのが英語脳の基本と言えます。
相手の質問に答える際も、日本語で回答を考えてから英訳するのではなく、自然と口から英語が出るようなればスムーズで自然な回答をすることができます。
英語脳を取得するのは決して簡単ではありませんが、メリットは数えきれないほどたくさんありますので、気になる方は『英語のまま理解する英語脳の作り方 | 思考から変える英語学習』を参照してください。
英語耳を作る
英語を聞き取るための「英語耳」を鍛えることも、英語学習には欠かせません。特に音と音がつながる「リンキング」や「リエゾン」は、ルールを理解しないと聞き取るのは非常に難しいでしょう。
日本語は一つ一つの音に母音が付きますが、英語では子音だけで音が成り立つことも一般的です。こうした英語の音は多聴を何度も繰り返すことによって自然と解決できますので、気になる方は『英語のリスニングが苦手な人のための勉強法』を参照してください。
英語力を上げるためのポイント
「英語を習得したい」というモチベーションが高まったら、正しい勉強法によって英語学習を進めることが大切です。勉強法を間違えるといつまで経っても英語が喋れるようにならず、それにより挫折してしまう方も少なくありません。
まず大前提として挙げられるのが、「英語を勉強する目的を明確にする」ということです。ビジネス英語で使うための英語なのか、海外留学するための英語なのか、資格のための英語なのか等、その目的によって学ぶべき英語は変わってくると言えます。
目的を明確にしたら、教材のレベルにも十分に注意してください。いきなり難しすぎる教材に手を伸ばしてしまうと、単語や文章の意味をとるのに大量の時間を要してしまい、英語学習法としては決して効果的とは言えません。まずは60~80%程度理解できる教材を選び、「分かる」という喜びと「新しい知識を身に付ける」という喜びの両方を感じながら進めてください。
教材まで手に入れたら、あとは日々継続して行うのみです。英語学習は「継続は力なり」という言葉がダイレクトに反映しますので、不安な方は『英語学習が継続できない理由 | 勉強法が合っていないかも!?』を事前にチェックしてください。
まとめ
日本人の英語レベルは世界的に見ても非常に低いのが現状ですが、それには明確な原因があり、効果的な学習法によって克服できるということがお分かりいただけたのではないでしょうか?
英語を習得すれば、ご自身のキャリアアップにつながるだけでなく、世界中で活躍できるチャンスも広がります。日々継続すれば必ず道は開けますので、ぜひこの記事を参考に効率の良い英語学習を行い、新しい未来への一歩を踏み出してください!