大人の英語発音の学習はフォニックスを活用しよう!

英文を読んでいて知らない単語があったとき、とっさにどう読めばいいか分からなかった経験はないでしょうか?
実は、英単語の読み方には法則があり、それを知っていれば7割の単語を初見でもほぼ正確に発音することが可能です。
今回は、英語圏で取り入れられている指導法「フォニックス」を基に、英語の読み方について解説します。

英文を読んでいて知らない単語があったとき、とっさにどう読めばいいか分からなかった経験はないでしょうか?
実は、英単語の読み方には法則があり、それを知っていれば7割の単語を初見でもほぼ正確に発音することが可能です。
今回は、英語圏で取り入れられている指導法「フォニックス」を基に、英語の読み方について解説します。

英語の読み方の法則「フォニックス」とは?

「フォニックス」は、英語圏の子どもたちに英語の読み書きを教えるために開発された指導法です。単語のスペルと発音の関係性や法則性を学ぶことに重点が置かれています。

英語ビギナーのための読み書きの指導法

フォニックスは、アメリカやイギリスなど英語圏の子どもたちに基本的な英語の読み書きを指導するために取り入れられている方法です。
英語は、26文字あるアルファベットの組み合わせ方で、発音の仕方がある程度決まっています。
フォニックスはそうした文字の並びと発音の関係性をルール化したものです。
英語ビギナーが読み書きの基本を学ぶことをサポートしてくれる、優れた学習法と言えます。

文字と発音の関係性・法則性を学ぶ

アメリカの英語学習は、フォニックスの習得からスタートします。幼児~小学校低学年の子どもたちは、フォニックスで母音や子音の発音を徹底的に身につけた上で、アルファベットの組み合わせと発音の法則を学び、少しずつ語彙を増やしていきます。
この法則は7割ほどの単語に当てはまるとされているため、文字数の多い単語や未知の単語に出会っても、ある程度自分で読み方を類推できる能力が身につきます。

正しいスペル、発音が身につく

一方日本では、学校で英語を本格的に学ぶ前に「ローマ字」を学びます。ローマ字は「本→hon」「学校→gakkou」などのように、日本語の発音をアルファベットに置き換えたもので、英語のスペルや発音とは根本的に異なるものです。
しかし、多くの人が「ローマ字読み」を引きずったまま英語学習をスタートするため、いわゆる「カタカナ発音」になりやすく、正しいスペルや発音を身につけることが難しいとも言われています。
フォニックスでアルファベット(文字)と読み方(発音)の関係性を読み解き、その規則性を学べば、日本人独特の「カタカナ英語」を離れて、より正確な英語のスペルと読み方を身につけられるでしょう。

フォニックスによる英語の単語の読み方

それでは実際に、フォニックスにもとづいた英語の単語の読み方をご紹介しましょう。読み方の基本と、覚えておきたいいくつかのルールを例とともに挙げます。

フォニックスによる英語の読み方の基本

英語のアルファベットの読み方には、2通りあります。
「ABC」を「エイ、ビー、シー」と読むのが通常の読み方、そして「ABC」を「ア、ブ、ク」のような発音で読むのがフォニックスの読み方です。フォニックス独自の読み方をまとめると、下記のような表になります。

フォニックスの基本

abcdefg
ドゥ
hijklmn
ジュ
opqrstu
ウルトゥ
vwxyz
ゥワクスィヤ

上の段はアルファベット、下の段はフォニックスの読み方に近い音をカタカナで表した発音イメージです。実際の音声をカタカナで表現するのは難しいので、あくまで目安と考えてください。
英語圏の子どもたちは、まず上記の表でアルファベット1文字ずつの発音を学び、次に2文字(母音+子音)、3文字のように次第に文字数を増やして学んでいきます。
大切なのは、文字の組み合わせ方で発音の仕方がある程度決まっているということ。具体例をご紹介しましょう。

母音が2つ続く場合の読み方のルール

単語の中で母音が2つ連続している場合、フォニックスでは最初の母音をアルファベット読みで長く発音し、2つ目の母音は発音しません。
例えば「read」なら、下線部が母音+母音になっています。
この場合、最初のeを通常のアルファベットの読み方である「イー」と伸ばして発音し、aは発音しないため、発音は「リード」です。

子音が2つ続く場合の読み方のルール

「best」「help」のように、母音の後ろに子音が2つ連続する場合は、母音を短くフォニックス読みで発音します。「best」の場合は、下線部が母音+子音+子音になっているので、eは短く「エ」と発音します。

読まない(発音しない)部分もある

「cake」「game」のように、単語がeで終わる場合は、そのeを発音しないというルールもあります。これは「サイレントE」と呼ばれるものです。さらに、この場合は直前にある母音をアルファベット読みにするというルールもあるため、「cake」のaは「エイ」と読みます。

フォニックスの例外もある

フォニックスの法則は、多くの単語に適用できますが、もちろん例外も多数あります。フォニックスに当てはまらない単語は、少しずつ自分で覚えて身につけていきましょう。

フォニックスを学ぶメリット

英語ネイティブではない日本人にとって、フォニックスを学ぶことには様々なメリットが考えられます。

日本語にはない発音も上手く発音できる

英語と日本語では使う発音要素も大きく異なりますが、フォニックスを学習することでよりネイティブに近い発音が身に付き、いわゆる「カタカナ英語」から抜け出すことができます。実際にネイティブの発音を聞けば、相乗効果も見込めるでしょう。

大人になってからの矯正に有効

基本的に発音を大人になってから直すのは大変だと言われていますが、フォニックスであれば年齢に関係なく、発音を効果的に矯正することができます。

知らない単語の発音を類推できる

知らない単語だと発音が分からないケースがほとんどですが、フォニックスを身に付けてしまえば大まかな発音は類推することができるようになります。また、知らない単語も聞こえた通りに文字化できるようになるので、リスニング力も同時に高めることができますね。

フォニックスを活用した勉強法

フォニックスを一通り理解すれば、英単語や英文法の勉強も一気に効率が良くなります。ぜひ英語学習の最初のステップとして、フォニックス習得を目指してみてください。

発音に自信がない人は、小学生向けの教材から始めるのもおすすめです。他にも以下のような代表的なアプリもあるので、ぜひ自分にぴったりのアプリで効率よくフォニックスを身に付けましょう!

Read with phonics

4つのテーマに分かれ、遊びながらフォニックスを学べるアプリです。
それぞれにタスクが設定され、問題をクリアするごとに知識も増えていくのでとても楽しく学習ができるでしょう。

【iOS版】Read with phonics
【Android版】Read with phonics

AGO Phonics Sound Pad

イラストを交えながらフォニックスの基礎を学べるアプリ。クリックするとその音の発音をすぐに確認することもできます。買取り課金となるので、一度ダウンロードすればずっと使えるのも嬉しいですね。

【iOS版】AGO Phonics Sound Pad
【Android版】AGO Phonics Sound Pad

Phonics Genius

フラッシュカードを使い、ゲーム形式で楽しく学ぶことのできるアプリ。収録されている単語数は6000語もあり、フラッシュカードの内容をオリジナルにアレンジすることもできます。

【iOS版】Phonics Genius

Phonics Spelling Dictionary

オックスフォード大学出版による教材のアプリ版です。
各音ごとに単語が分類されているので、その音を含む単語を検索する事ができます。
テストをクリアするごとに次のステップに進む事ができるので、徐々にレベルアップをする事ができます。

【iOS版】Phonics Spelling Dictionary

英語の読み方を調べる方法

フォニックスでも読み方が分からない場合は、ほかの方法で発音を調べてみましょう。おすすめの方法をご紹介します。

発音記号を読み解く

発音記号は、音標文字とも呼ばれる特殊な記号で、単語の発音を体系的に表記するために作られました。
発音記号を読みこなせるようになれば、発音の仕方だけでなく、アクセントの位置や音節の区切りなども同時に分かります。
より正確な発音を身につけ、リスニングやスピーキングの能力を高めるためにも、発音記号を読み解くスキルは不可欠と言えるでしょう。

ネット上の音声データで読み方を確認

スマホやPCなどで英文を読んでいて、ネイティブスピーカーの音声で正しい発音を確認したいこともありますよね。
そんなときは、ネット上で公開されている音声データを再生しましょう。スマホなら機種にもよりますが、調べたい単語を長押しで選択し、ネット検索または内蔵辞書を使うと、単語の意味(和訳)とともにスピーカーマークが表示されます。
マークをタップすれば正確な発音を手軽に再生できるのでおすすめです。
ほかにも、無料のオンライン辞書サイトでも、読み方を音声データで確認できる場合があります。

英語の読み方の法則をマスターしよう!

近年、フォニックスの内容を解説した参考書やサイトが数多く見られるようになりました。英語の読み方を推測するときや、単語の正確なスペルと発音を身につけたいとき、フォニックスの法則はとても役立ちます。
しかし、この法則は決して万能ではありません。フォニックスに当てはまらない単語は、例外として別途覚える必要があります。
フォニックスを学びながらより多くの単語に触れ、少しずつ英語力を高めていきましょう。

ページ上部へ戻る