「バリバリ働く」「ダラダラ過ごす」を英語で?日本語のオノマトペを伝える魔法の動詞
日本語のオノマトペを英語に訳す際、最も大切なのは「音」をそのまま探すのではなく、その音が表している「動作の本質や状態」を具体的な動詞や形容詞に変換することです。日本語は「音」で描写し、英語は「動き(動詞)」で描写するという言語的特性の違いを理解すれば、驚くほど自然な英語表現ができるようになります。

「バリバリ働く」「ダラダラ過ごす」を英語で?日本語のオノマトペを伝える魔法の動詞
日本語には「ワクワク」「テキパキ」「ジメジメ」など、数えきれないほどのオノマトペ(擬音語・擬態語)が存在します。これらは日常会話において非常に便利な表現ですが、いざ英語に翻訳しようとすると、適切な単語が見つからずに詰まってしまうことがよくあります。
その理由は、日本語と英語の構造的な違いにあります。日本語はオノマトペを使って「状態」を感覚的に伝えますが、英語は具体的な動詞を使って、その動作が「どのように行われているか」を明確に描写する傾向があるからです。つまり、オノマトペそのものの音を英語に当てはめるのではなく、「その状況で何が起きているのか」を映像でイメージし、それを説明する言葉を選ぶのが正解です。
本記事では、日常やビジネスでよく使うオノマトペを英語で自然に伝えるためのテクニックとフレーズを詳しく紹介します。
【仕事・行動編】エネルギーの質を変える動詞
仕事の進め方や日常の行動を表すオノマトペは、その人のエネルギー量や効率性を表しています。これらを英語にする際は、動作の勢いや質に注目しましょう。
1. 「バリバリ働く」は熱量と比喩で表現する
「バリバリ」という音を英語にするのは難しいですが、「ものすごい勢いで」「精力的に」というニュアンスを伝えればOKです。
【例文】
My colleague is on fire today; she’s finishing all her tasks way ahead of schedule.
同僚は今日、ノリにのっていて(バリバリと)、予定よりずっと早くタスクを片付けている。
【例文】
I’ve been working like a dog all week to meet the deadline.
締め切りに間に合わせるために、今週はずっとバリバリ(馬車馬のように)働いている。
2. 「ダラダラ過ごす」は動きのなさを強調する
「ダラダラ」は、生産性がない状態や、リラックスしすぎている状態を指します。英語では「何もしない」ことを意味する動詞がぴったりです。
【例文】
I decided to idle away my whole Sunday watching movies.
日曜日は一日中、映画を観てダラダラ過ごすことに決めた。
【例文】
I’m just going to veg out on the sofa tonight.
今夜はソファで(野菜のように動かず)ダラダラするつもりだ。
3. 「テキパキこなす」は効率の良さを強調する
無駄がない動きを指す「テキパキ」は、効率性を表す副詞や、物事をさばく動詞で表現します。
【例文】
She handles things efficiently even when the office gets busy.
彼女はオフィスが忙しくなっても、テキパキと物事をこなす。
| 日本語(オノマトペ) | 英語のニュアンス | 代表的な表現・動詞 |
|---|---|---|
| バリバリ | 情熱的、精力的に | work hard, be on fire |
| ダラダラ | 目的なく、動かずに | idle away, veg out |
| テキパキ | 効率よく、迅速に | efficiently, briskly |
【感情・様子編】ニュアンスを一言で伝える動詞
心の中の動きや、落ち着かない様子を表す英語表現は、自分の感情を相手に正確に伝えるために重要です。これらは、その時の「心理状態」を直接的な単語に置き換えるのがコツです。
1. 「イライラする」のレベルを使い分ける
「イライラ」は、不快感の強さによって選ぶ単語が変わります。
【例文】
It irritates me when the train is delayed for no reason.
理由もなく電車が遅れるとイライラする。
【例文】
I’m frustrated because I can’t explain my ideas in English well.
自分の考えをうまく英語で説明できなくてイライラする(もどかしい)。
2. 「ワクワク・ドキドキ」は体の反応で示す
日本語では期待も不安も「ドキドキ」と言いますが、英語では心臓の鼓動や、興奮の度合いで使い分けます。
【例文】
My heart is racing before the big presentation.
大きなプレゼンの前で、心臓がドキドキしている。
【例文】
I’m looking forward to the trip; I’m so excited!
旅行が楽しみでワクワクしている!
3. 「うろうろ・うろつく」は目的の有無で選ぶ
「うろうろ」は、目的地がないのか、怪しい動きなのかで使う動詞を判断します。
【例文】
I was just wandering around the city to kill some time.
時間を潰すために、街をただうろうろ(ぶらぶら)歩いていた。
【例文】
There’s a suspicious person loitering in front of the gate.
門の前を怪しい人物がうろうろ(徘徊)している。
【感触・状態編】形容詞+動詞の組み合わせ
物の状態や感触を表すオノマトペを英語にする場合、「動詞+結果」の形にすると非常に伝わりやすくなります。オノマトペが持つ視覚的な情報を補うのがポイントです。
1. 「ピカピカに磨く」
「ピカピカ」は磨いた結果、光っている状態です。単に磨く(polish)だけでなく、その結果どうなったかを付け加えます。
【例文】
I polished my shoes until they shine.
靴をピカピカになるまで磨いた。
2. 「ドロドロに溶ける」
「ドロドロ」は完全に形を失った状態です。「完全に」「形がなくなるまで」というニュアンスを動詞に添えます。
【例文】
The ice cream melted completely under the sun.
アイスクリームが太陽の下でドロドロに(完全に)溶けた。
3. 「ジメジメする」
空気の湿り気を表す「ジメジメ」は、不快感を伴う湿度を表す単語を使います。
【例文】
It’s so humid and sticky today.
今日はとてもジメジメして(湿気が多くて)ベタつく。
まとめ:翻訳機に頼らない「描写力」を身につけよう
日本語のオノマトペを英語で表現するための近道は、日本語の「音」を一度頭から消し去ることです。「バリバリ」という音を探すのではなく、その人が「何をしているか(エネルギーに溢れて働いている)」という映像をイメージしてください。その映像を説明するために最も適切な動詞や形容詞を選ぶことが、自然な英語への第一歩です。
最後に、本記事の重要ポイントをまとめます。
- 「音」ではなく「動作の本質」を動詞で表す: 日本語は感覚的、英語は論理的・具体的な描写を好む。
- 文脈に応じて単語を使い分ける: 同じ「ドキドキ」でも、不安なら heart racing、楽しみなら excited を選ぶ。
- 「動詞+結果」で描写を深める: 「磨く+光る」のように、動作とその後の状態をセットで伝えるとオノマトペのニュアンスに近づく。
- 比喩表現を活用する: work like a dog(馬車馬のように)などの決まり文句はオノマトペの代わりとして非常に有効。
日本語の豊かなオノマトペの世界を、英語の多彩な動詞を使って表現できるようになれば、あなたのコミュニケーション能力は格段に向上するはずです。まずは身近な動作から、英語の「動き」に変換する練習を始めてみましょう。






