学校で習った英語、実はちょっと不自然?ネイティブが聞いたら「ん?」と思う表現5選

学生時代に英語を頑張ったのに、いざネイティブと話すと、なんだか自分の英語がぎこちなく感じることはありませんか?文法は完璧なはずなのに、なぜか会話が弾まない…。その原因は、学校で習った「正しい英語」と、ネイティブが日常で使う「自然な英語」の間に、ちょっとしたギャップがあるからかもしれません。

この記事では、文法的には正しくてもネイティブには不自然に聞こえがちな学校英語の表現を5つ紹介し、より自然でこなれた言い回しを解説します。大切なのは「間違い」を恐れることではなく、状況に応じた「ニュアンス」を理解することです。この記事を読めば、あなたの英語はもっと生き生きとして、自信を持って会話を楽しめるようになるはずです。

1. 「I have a pen.」は所有を伝えるのに少し不自然?

教科書で最初に習う文章の一つですが、日常会話で「ペンを持っていますか?」と聞かれて「I have a pen.」とだけ答えると、少し硬く、断定的な響きに聞こえることがあります。

なぜ不自然に聞こえるのか?

「I have…」は所有の事実を伝えるフォーマルな表現です [1]。会話の流れの中では、単に事実を述べるよりも「(今ここに)持っているよ」というニュアンスを出す方が自然です。

もっと自然な表現は?

口語では “I’ve got…”“I got…” が非常によく使われます。これらは「持っている」状態や「手に入れた」というニュアンスを含み、より会話的でリラックスした印象を与えます。

【例文】I’ve got a new car.
新しい車を買ったんだ。

【例文】I got a dog last year.
去年、犬を飼い始めたんだ。

2. 「How are you?」への返答は「I’m fine, thank you, and you?」でなくてもいい?

このフレーズは、英語学習者なら誰もが暗記した「黄金律」かもしれません。しかし、ネイティブスピーカーが日常会話でこのまま使うことは、ほとんどありません [2, 3]。

なぜ不自然に聞こえるのか?

間違いではありませんが、非常に形式的で、まるで教科書を読み上げているかのようなロボットのような印象を与えてしまいます [4]。英語圏での「How are you?」は、多くの場合、深い意味のない挨拶のようなもので、短い返答が期待されます。

もっと自然な表現は?

相手との関係性や状況に応じて、もっとシンプルで自然な返答がたくさんあります。いくつか覚えておくと、会話がぐっとスムーズになります。

状況別「How are you?」への自然な返答
状況 ポジティブな返答 まあまあな時の返答
友人や同僚と “Good, you?” / “Pretty good, how about you?” “Not bad.” / “Can’t complain.”
上司や顧客と “I’m doing well, thank you. And yourself?” “Very well, thank you.”
すれ違い様に “Good, thanks.” / “Alright!” “Hey, how’s it going?” (挨拶を返す)

3. 「I want to…」は直接的すぎて失礼に聞こえる?

「~したい」と自分の欲求を伝える “I want…”。学校では基本的な表現として習いますが、使い方には注意が必要です。

なぜ不自然に聞こえるのか?

自分の欲求をストレートに伝える “I want…” は、相手の都合を考えていないように聞こえ、命令のようだったり、少し子どもっぽい印象を与えたりすることがあります [5, 6]。

もっと自然な表現は?

丁寧にお願いしたり、自分の願望を伝えたりする場面では、“I’d like to…”“Could I get…” のような、より柔らかい表現を使いましょう。相手に選択肢を与えるニュアンスが加わり、ぐっと洗練された印象になります。

【例文】I’d like to book a table for two.
2名でテーブルを予約したいのですが。

【例文】Could I get a glass of water?
お水を一杯いただけますか?

自分の願望を話すだけで、相手に何かを依頼するわけではない場合は “I’m thinking of…”(~しようかと考えている)なども自然です。

4. 謝罪の「I’m sorry.」は使いすぎると逆に不自然?

「ごめんなさい」と謝る時に万能な “I’m sorry.” ですが、実は些細なことに対して使うと、少し大げさに聞こえてしまうことがあります。

なぜ不自然に聞こえるのか?

“I’m sorry.” は心からの後悔や謝罪を示す、少し重みのある言葉です。そのため、人に軽くぶつかった時や、狭い場所を通る時などに使うと、かえって形式的で不自然に聞こえることがあります。

もっと自然な表現は?

状況に応じて、もっと軽い表現を使い分けるのがネイティブの感覚です。

  • “Oops, sorry.” / “Sorry!”: 人に軽くぶつかった時など、とっさの出来事に。
  • “My bad.”: 友人同士で使う非常にカジュアルな表現。「ごめん、俺のミスだ」というニュアンス。
  • “Excuse me.”: 人混みを通り抜ける時や、誰かの注意を引きたい時に使います。「Sorry」が起きてしまったことへの謝罪なのに対し、「Excuse me」はこれからすることへの許可を求めるニュアンスです。

【例文】Oops, sorry. I didn’t see you there.
おっと、ごめんなさい。気づきませんでした。

5. 「You can do it!」は状況によっては重すぎる?

相手を励ます “You can do it!”(君ならできる!)は、力強い応援の言葉です。しかし、時と場合によっては、相手にプレッシャーを与えてしまう可能性もあります。

なぜ不自然に聞こえるのか?

この表現は「成功」という結果に焦点を当てています。そのため、すでに困難な状況で頑張っている人にとっては、「やらなければならない」というプレッシャーに感じられることがあるのです。

もっと自然な表現は?

相手の状況に寄り添った、よりカジュアルな励ましの言葉を使い分けましょう。

【例文】Hang in there.
頑張って。(困難な状況にいる人へ)

【例文】Keep it up. / You’re doing great!
その調子!/すごく良いよ!(すでに上手くやっている人へ)

【例文】Give it a shot.
やってみなよ。(新しい挑戦をためらっている人へ)

まとめ

今回は、学校で習うけれどネイティブには少し不自然に聞こえる英語表現を5つご紹介しました。大切なのは、これらの表現が「間違い」というわけではなく、より自然で状況に適した言い方がある、と知ることです。

  • 「間違い」ではなく「より自然な言い方」を学ぶ:今回紹介したフレーズは文法的に誤りではありません。コミュニケーションをより円滑にするための選択肢です。
  • 「文法的な正しさ」と「ネイティブの日常会話」は違う:教科書は英語の基礎を学ぶ上で非常に重要ですが、実際の会話はもっと柔軟で多様です [4, 1]。
  • 「感覚」や「ニュアンス」を掴むことが鍵:自然な英語を身につけるには、単語や文法だけでなく、その言葉が持つ響きや、使われる状況の「空気感」を理解することが大切です。

今日から一つずつ、これらの表現を実際の会話で試してみませんか?小さな変化が、あなたの英語コミュニケーションを大きく飛躍させるはずです。

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