【学び直し英文法】so that構文とは?
「so that構文」は大学入試やTOEICでも頻出の構文。たった1つの構文で主に5つもの用法に分けられるため、それぞれのニュアンスや文法の違いをしっかり把握しておくことが必要不可欠です。この記事では、「so that構文」の5つの用法をあらためて確認したうえで、文法問題でも頻出の言い換え方法について詳しく解説します。
英語学習でお馴染みの「so that構文」をしっかりマスターできていますか?
「so that構文」は大学入試やTOEICでも頻出の構文。
たった1つの構文で主に5つもの用法に分けられるため、それぞれのニュアンスや文法の違いをしっかり把握しておくことが必要不可欠です。
そこでこの記事では、「so that構文」の5つの用法をあらためて確認したうえで、文法問題でも頻出の言い換え方法について詳しく解説します。
「so that構文」をマスターすればTOEICなどで高得点が期待できるだけでなく、英語表現の幅もグッと広げることができますので、ぜひこの機会にマスターしておきましょう!
so that構文とは
英語学習者なら、「so that構文」という名前を一度は聞いたことがあるでしょう。
「so that構文」は入試やTOEICなどで頻出の構文で、主に以下の5つの用法に分けられます。
【so that~(soとthatはセット)】
- 目的用法「…ように~」
- 結果用法「~ため…」
【so…that~(soとthatの間に単語が入る)】
- 結果用法「とても…なので~」
- 程度用法「~なほど…」
- 様態用法「~ように…」
1つ目の「so that~」は、soとthatがセットで使われるのに対し、2つ目の「so…that~」はsoとthatの間に英単語が入るという決定的な違いがあります。
まずはそれぞれの代表的な例文を比較してみましょう。
【so that~(目的用法)】
I study English so that I can talk with John.
ジョンと話せるように、私は英語を勉強しています。
【so…that~(程度用法)】
I am so tall that I can touch the clock.
私は掛け時計に手が届くほど、背が高いです。
1つ目の例文では、文章の後半so that I can talk with John「ジョンと話せるように」が、文章の前半I study English「私は英語を勉強しています。」の目的になっていることがお分かりでしょう。
一方、2つ目の例文では、that以下のI can touch the clock.「掛け時計に手が届く」がtall「背が高い」という形容詞の程度を表していることが分かりますね。
全く同じsoとthatを用いた構文ですが、微妙な構文の違いで文章の意味も大きく異なるのです。
そのため、「so that~」の2つの用法、「so…that~」の3つの用法をそれぞれ区別して理解することが非常に大切です。まずはご自身がいくつの用法を知っているか、なんとなく頭の中で思い出してみてくださいね。
「so that~」の使い方
so that構文の1つ目の用法は、「so that~」節。文法的には接続詞としての役割を担い、主に以下の2つの形が存在します。
【目的】 ~ + so that S V「…ように~」
【結果】 ~ + ,so that S V「~ため…」
両者の決定的な違いは、so thatの前にコンマ(,)があるかどうか。基本的にコンマがなければ目的用法、コンマがあれば結果用法と区別することができます。
目的を表す
まずは目的を表すso that~節の例文をチェックしてみましょう。「目的」という言葉通り、「~ように」と訳されるのが一般的です。
【例文】
He speaks English slowly so that everyone can understand.
皆が理解できるように、彼はゆっくりと英語を喋ります。
【例文】
She saved money so that she could by a new bag.
新しいカバンを買えるように、彼女は貯金しました。
このso that~は接続詞として用いられているため、「時制の一致を受ける」ということを忘れてはいけません。2文目のように最初の動詞が過去形であれば、後半もcouldと過去形に合わせる必要があります。
また、会話などカジュアルなシーンではthatが省略され、soだけで使われることも。一般的なso「だから」とは微妙にニュアンスが異なるため、前後の文脈によってso thatのthatが省略されていることを見抜かなくてはならないのです。
結果を表す
続いて、結果を表すso that~節の例文をチェックしてみましょう。結果用法は「~ため…」と訳されるのが一般的です。
【例文】
He speaks English slowly, so that everyone can understand.
彼はゆっくりと英語を喋るため、皆理解することができます。
【例文】
She saved money, so that she could by a new bag.
彼女は貯金したため、新しいカバンを買うことができました。
例文の内容は、先ほど目的用法でご紹介した例文とほぼ一緒。違いとしては、コンマ(,)があるかないかだけの小さな違いです。
いずれも文章の前半が原因を表しており、「その結果」文章の後半という因果関係が生じていることが分かりますね。これこそが「結果用法」と呼ばれる所以なのです。
目的用法と同じように、結果用法でもso that~のthatが省略されるケースが少なくありません。しかし、コンマがあるためso that~の結果用法と見抜くことは決して難しくないでしょう。
この場合のsoは文法的には「接続副詞」と定義されます。
「so…that~」の使い方
so that構文の2つ目の用法は、結果や程度、様態などを表す「so…that~」。soとthatの間に何かしらの単語が入るため、1つ目にご紹介した「so that~」と簡単に区別することができますね。
用法としては主に3つの意味がありますが、構文としては以下の2パターンに分類されます。
【結果・程度】 S V + so + 形容詞または副詞 + that + S V
【様態】 S V + so + 動詞の過去分詞 + that + S V
ポイントとなるのは、soとthatに挟まれた部分の品詞。形容詞や副詞であれば結果・程度、動詞の過去分詞であれば様態と判断することができます。
結果を表す
まずは、「so that~」でも出てきた結果用法をチェックしてみましょう。
【例文】
She was so sad that she couldn’t stop crying.
彼女はとても悲しかったため、泣き止むことができなった。
結果用法は「とても…なので~」と、前半から順に訳していくのがポイント。文章の前半が後半の原因を表しており、前後に因果関係が生まれていることが分かります。
程度を表す
「so…that~」の用法として特に有名なのが、程度を表す用法。「~なほど…」と訳されるように、形容詞の程度が強調されています。
【例文】
He is so nervous that he can’t eat anything.
彼は何も食べられないほど緊張している。
【例文】
It rained so hard that I couldn’t see anything.
何も見えないほど、雨が強く降った。
【例文】
This book is not so interesting that I want to read it again.
この本はもう一度読みたいと思えるほど面白くない。
いずれもsoとthatの間にある形容詞が主語の状態を、that節が形容詞の程度を表していることがお分かりでしょう。
結果用法とは異なり、「~なほど…」と文章の後ろから訳していくのがポイントとなります。
また、3文目のように否定文となる場合は、that節を含め文章全体が否定のニュアンスとなります。文章の前半と後半で、否定や肯定がごちゃごちゃにならないよう注意してください。
様態を表す
最後3つ目の用法として、様態用法が挙げられます。英語学習者の方でもあまり馴染みのない用法かもしれませんので、例文をチェックしてみましょう。
【例文】
This advertising is so made that everyone wants the product.
この広告は、皆が商品を欲しくなるように作られている。
上記の例文では、soとthatの間にmade(makeの過去分詞)が挟まれていますね。
一見不自然に見えますが、これこそが様態用法の一番の特徴。様態用法は「~ように…」と訳すことができます。
頻出する言いかえ表現
入試問題やTOEICでは、「so that構文」を他の構文に言い換える問題が定番とされています。ここでは特に有名な3つの構文をマスターしておきましょう!
目的の言いかえ表現「in order that」
「so that構文」の言い換えの中でも最もシンプルなのが、目的用法からin order thatへの言い換え。
語順はso thatと一緒で問題ありませんが、文章の後半の助動詞がmayやshouldに変わるという微妙な違いがあります。
【例文】
He speaks English slowly so that everyone can understand.
「皆が理解できるように、彼はゆっくりと英語を喋ります。
→He speaks English slowly in order that everyone may understand.
皆が理解できるように、彼はゆっくりと英語を喋ります。
In order thatはso thatに比べるとかなり固めの文語表現。古い書物などで目にする表現です。
日常会話ではso thatの方が圧倒的に使用頻度は高いですので、in order thatは知識として身にけておきましょう。
結果の言いかえ表現「such…that~」
同じく言い換え問題として定番なのが、結果を表す「such…that~構文」。「とても…なので~」という訳し方は全く一緒ですが、文法的に下記のような違いがあります。
- so 形容詞 that~
- such a 名詞 that~
【例文】
The accident was so horrible that it was broadcast on TV.
その事故は悲惨だったため、テレビでも放送された。
→The accident was such a disaster that it was broadcast on TV.
その事故は悲劇だったため、テレビでも放送された。
suchの直後にはdisaster「悲劇」という名詞が来ていることがお分かりでしょう。disaster「悲劇」は単なる名詞ではなく、「悲しい」という形容詞的なニュアンスも込められています。
このようにsuchの後には「形容詞のニュアンスをもつ」名詞が来るのがポイント。名詞なら何でも良いということではありませんので、注意してください。
程度の言いかえ表現「too…to~」
続いての言い換えは、「とても…なので~ない」と否定のニュアンスを持つ「too…to?構文」。程度を表す「so…that~」の否定文を言い換えることができます。
【例文】
This watch is so expensive that I cannot buy it now.
この時計は高すぎて、今買うことはできません。
→This watch is too expensive to buy now.
この時計は高すぎて、今買うことはできません。
「too…to?構文」はそれ自体に否定のニュアンスがあるため、「so…that~」が肯定文の時は言い換えることはできません。
以上の3つの例の他にも、「so that構文」の書き換えには下記のような構文がありますので、参考までにチェックして下さい。
【その他の言い換え表現】
- enough to~「~するほど」
- so 形容詞 as to~「とても…なので~」
- least that~「~しないように」
- for fear that~「~しないように」
まとめ
「so that構文」の5つの用法をご紹介しましたが、それぞれ微妙にニュアンスが異なることが実感できたでしょうか?
どれも似ているように見えるかもしれませんが、文法の細かな違いや、前後の文脈を意識すれば、5つを区別することは決して難しくはありません。
「so that構文」は入試問題やTOEICで頻出なだけでなく、日常の英会話でもよく耳にする構文です。今まで「to」や「so」ばかり使っていた方も、「so that構文」を使うだけでよりネイティブらしい英語にすることができ、英会話のレベルも一つアップさせることができるでしょう。
ぜひこの機会に「so that構文」をマスターし、英会話の表現の幅を広げてくださいね!