英語の仮定法って!?仮定法が理解できるポイントを整理

この記事では、仮定法の基本ルールをあらためておさらいするとともに、仮定法を用いる際に便利な表現などもご紹介します。 この記事の内容を理解できるようになれば、仮定法を英会話で実践することも十分に可能ですので、「なんとなく仮定法が苦手」という方は、ぜひ仮定法を習得して英語のスキルアップを図ってください!

文法がややこしいことからも、英文法の中でも特に苦手意識を持たれがちな仮定法。しかし日常英会話では仮定法が使われる機会は非常に多く、仮定法を理解していないとコミュニケーションにも大きな支障をきたしてしまいます。

そこでこの記事では、仮定法の基本ルールをあらためておさらいするとともに、仮定法を用いる際に便利な表現などもご紹介します。

この記事の内容を理解できるようになれば、仮定法を英会話で実践することも十分に可能ですので、「なんとなく仮定法が苦手」という方は、ぜひ仮定法を習得して英語のスキルアップを図ってください!

英語の仮定法って?

仮定法の原則は「現実とは異なる話」であるということです。日本語でも「~だったら…のになあ」という仮定法が使われるように、現実とは反する仮想の状態を表現するために用いられるのが基本となります。

例えば友人に食事に誘われた際に、「今日じゃなかったら行けたのに」、「〇〇さんも一緒に来れたら良かったのに」などと感じたことはありませんか?こうした状況はまさに現実とは反する状況や心理的願望を示しており、仮定法を使うにはぴったりのシチュエーションとなります。

仮定法は文法の複雑さから苦手意識を持つ方が多いですが、こうして考えると日常に根付いた文法であるということが、良くお分かりでしょう。これは英語でも同様で、仮定法を使いこなすことができれば日常英会話の幅も一気に広げることができます。

英語の仮定法の基本

英語で仮定法を作る際のルールは、日本語の仮定法と比べても意外と大きな違いはありません。「~だろう」「~のに」という部分は、英語では主に「助動詞+動詞」という形で表現されるのが大きな特徴です。

【現在の事実と反する仮想:仮定法過去形】

[st-minihukidashi fontawesome=”fa-file-text-o” fontsize=”90″ fontweight=”bold” bgcolor=”#FFC107″ color=”#fff” margin=”0 0 0 0″]例文[/st-minihukidashi]

[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]If it were fine today, we could play outside.
もし今日晴れていたら、外で遊ぶのに。
[/st-mybox]

【過去の事実と反する仮想:仮定法過去完了】

[st-minihukidashi fontawesome=”fa-file-text-o” fontsize=”90″ fontweight=”bold” bgcolor=”#FFC107″ color=”#fff” margin=”0 0 0 0″]例文[/st-minihukidashi]

[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]If it had been fine yesterday, we could have played outside.
もし昨日晴れていたら、外で遊べたのに。
[/st-mybox]

現在の事実と反することは過去形(were)過去の事実と反することは過去完了(had been)が使われていることがお分かりでしょう。こうして時制を一つずらすことで、現実との距離や乖離を表すのが仮定法のややこしいところです。

逆を言えば、時制が一つずれるということさえ頭に入れておけば、仮定法は決して難しくありません。日本語でも「~だったら…するのに」、「~ていたら…したのに」と、無意識のうちに時制をずらしているのも事実です。

直説法と仮定法

仮定法が仮想の話をするための文法だとすれば、対照的に現実の話をするための文法が「直説法」です。日本語訳にすると「~だったら…」とほぼ同じ文章となりますが、両者には明確な違いがありますので注意してください。

【直説法】
直説法は、現実に起きていることや、現実に起こりえる可能性が十分にあることを表すための文法。未来の事象を実現するための条件を述べる「条件節」において用いられます。

[st-minihukidashi fontawesome=”fa-file-text-o” fontsize=”90″ fontweight=”bold” bgcolor=”#FFC107″ color=”#fff” margin=”0 0 0 0″]例文[/st-minihukidashi]

[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]If it is fine tomorrow, we will play outside.
明日もし晴れたら、外で遊びます。
[/st-mybox]

【仮定法】
一方の仮定法は、現実とは異なることを仮想するための文法です。「~だったら、…だったのになぁ」と、現実とは反する情景が述べられ、ニュアンスとして心理的願望が含まれることも少なくありません。

[st-minihukidashi fontawesome=”fa-file-text-o” fontsize=”90″ fontweight=”bold” bgcolor=”#FFC107″ color=”#fff” margin=”0 0 0 0″]例文[/st-minihukidashi]

[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]If it were fine today, we could play outside.
もし今日晴れていたら、外で遊ぶのに。
[/st-mybox]

直説法の場合、「晴れる」という事象は十分に起こる可能性があると考えることができます。一方の仮定法は「今日雨が降っている」という現実に対し「晴れていたら」と仮定しているため、両者は似ているようで全く性格が異なる文章です。

仮定法の基本

英語の仮定法で覚えるべき基本ルールは、全部で以下の4つです。仮定法では時制がすれるということを念頭に置いたうえで、それぞれ「いつ」の仮定をしているのかを考え、正しい時制に活用してください。

仮定法過去

仮定法の最も基本となるのが「仮定法過去」です。しかし、これはあくまで現在のことを仮定する時制であり、過去を示すものではありません。「仮定法過去」という名前につられることのないよう注意してください。

【仮定法過去】
If+S+過去形, S+助動詞の過去形+動詞の原形

[st-minihukidashi fontawesome=”fa-file-text-o” fontsize=”90″ fontweight=”bold” bgcolor=”#FFC107″ color=”#fff” margin=”0 0 0 0″]例文[/st-minihukidashi]

[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]If I were rich, I could buy whatever I want.
もしお金持ちだったら、何でも欲しいものが手に入るのに。
[/st-mybox]

この文章は「今はお金持ちではない」という現実があるうえで、「お金持ちだったら」という仮定をしているため、現実とは反する事実を述べる「仮定法過去」が使われます。I amの過去形はI wasなのですが、仮定法ではbe動詞の過去形はwereを使うというルールがあるため、注意してください。

仮定法過去完了

続いての「仮定法過去完了」は、過去のことを仮定するために用いられる表現です。こちらもやはり時制が一つずれているので、注意が必要です。

【仮定法過去完了】
If+S+過去完了, S+助動詞の過去形+have+過去分詞

[st-minihukidashi fontawesome=”fa-file-text-o” fontsize=”90″ fontweight=”bold” bgcolor=”#FFC107″ color=”#fff” margin=”0 0 0 0″]例文[/st-minihukidashi]

[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]If I had had enough money yesterday, I could have bought the bag.
昨日十分なお金を持っていたら、あのカバンを買えたのに。
[/st-mybox]

この文章は「昨日十分なお金を持っていなかった」という事実があるうえで、「昨日十分なお金を持っていなかったら」という仮定をしているため、過去とは反する事実を述べる「仮定法過去完了」が使われます。文章の後半では、have boughtと過去分詞形が使われているのがポイントです。

仮定法未来

現在や未来のことは直説法で述べられるのが一般的ですが、あまりにも可能性の低い事柄を述べる際には「仮定法未来」が用いられます。日常の会話でよく耳にする「~だったらどうする?」という質問は、まさに仮定法未来にぴったりと言えるでしょう。

【仮定法未来】
If+S+were to(should)+動詞, S+助動詞+動詞

[st-minihukidashi fontawesome=”fa-file-text-o” fontsize=”90″ fontweight=”bold” bgcolor=”#FFC107″ color=”#fff” margin=”0 0 0 0″]例文[/st-minihukidashi]

[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]If I were to become a professional football player, I would play in Spain.
もしプロサッカー選手になったら、スペインでプレーします。
[/st-mybox]

「プロサッカー選手になる」ということは非常に困難なため、可能性の低い事柄として「仮定法未来」が使われています。ただし、もし子供が夢を語るのであれば直説法でも問題ないため、この文章はどちらかと言うとサッカー経験のない大人などが話していると想定することができます。

were toと同様にshouldも使うことができますが、shouldは実現可能性が非常に低いことを示し、「万が一」などと訳されます。

[st-minihukidashi fontawesome=”fa-file-text-o” fontsize=”90″ fontweight=”bold” bgcolor=”#FFC107″ color=”#fff” margin=”0 0 0 0″]例文[/st-minihukidashi]

[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]If any problem should occur, please let me know.
万が一何か問題が起こったら教えてください。
[/st-mybox]

仮定法現在

仮定法現在は、提案や要求を伝える際に用いられる表現。仮定法の中では使用頻度は低いですが、TOEICなどの文法問題としてよく出題されます。

【仮定法現在】
S+動詞+that+S+動詞の原形

[st-minihukidashi fontawesome=”fa-file-text-o” fontsize=”90″ fontweight=”bold” bgcolor=”#FFC107″ color=”#fff” margin=”0 0 0 0″]例文[/st-minihukidashi]

[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]The boss suggested that he go there.
上司は彼にそこに行くよう提案しました。
[/st-mybox]

that節だとつい動詞のgoをgoesと活用したくなりますが、仮定法現在では動詞の原形を使うことがポイントです。仮定法現在が使われる動詞としては、他にもadvise「アドバイスする」、desire「望む」、insist「主張する」、recommend「すすめる」などが挙げられます。

色々な表現の仮定法

仮定法が用いられるのは、必ずしも上記の4つとは限りません。仮定法とセットで使われることが多い表現もありますので、ぜひ覚えておきましょう。

as if

as ifは「まるで~のように」という意味の表現で、as thoughと言い換えることもできます。「現実にはそうではないけれど、まるで~」というニュアンスがあるため、仮定法が用いられます。

[st-minihukidashi fontawesome=”fa-file-text-o” fontsize=”90″ fontweight=”bold” bgcolor=”#FFC107″ color=”#fff” margin=”0 0 0 0″]例文[/st-minihukidashi]

[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]He takes care of his sister as if he was her father.
彼はまるで父親のように妹の面倒を見ます。
[/st-mybox]

文章の主語のHeは、もちろん女の子の兄であって、父親ではありません。仮定法の型は使われていませんが、as ifだけで仮想の話をしていることがお分かりでしょう。

wish

「~を願う」という意味のwishも、仮定法ではお決まりの動詞です。現実や過去の事実とは反する仮定として、仮定法過去や仮定法過去完了などに用いることができます。

[st-minihukidashi fontawesome=”fa-file-text-o” fontsize=”90″ fontweight=”bold” bgcolor=”#FFC107″ color=”#fff” margin=”0 0 0 0″]例文[/st-minihukidashi]

[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]I wish I were a bird.
もしも鳥だったらなあ。
[/st-mybox]

この文章の話し手は当然鳥になれる訳はなく、事実とは反することであるからbe動詞がwereに活用されています。同様に願望を表す表現としては、If only「~さえすれば」という表現を覚えておくと便利でしょう。

would、could

仮定法の助動詞としてはwouldやcouldが使われるのが一般的です。場合によってはwould rather「~してほしい、むしろ~ならいいのに」といったイディオムも用いられますので、セットで覚えておきましょう。

[st-minihukidashi fontawesome=”fa-file-text-o” fontsize=”90″ fontweight=”bold” bgcolor=”#FFC107″ color=”#fff” margin=”0 0 0 0″]例文[/st-minihukidashi]

[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]I would rather you come here earlier.
もう少し早くここに来てほしいです。
[/st-mybox]

would ratherはイディオムとして「むしろ~なら」と訳されることが多いですが、仮定法現在でご紹介したsuggestやinsistなどに近い意味を持ちます。

仮定法の注意点、ポイント

文法的に難解と思われがちな仮定法ですが、注意すべきポイントとしては「助動詞」と「動詞の時制」の2点に集約されます。

仮定法の特徴として、「動詞の前に助動詞がくっつく」ということが挙げられます。例文でもご紹介したwouldやcouldは他の文法では使われることが多くないため、こうした助動詞が出てきたら、まずは仮定法が使われている可能性を考えて下さい。

また、仮定法では動詞の時制が一つずれることにも注意が必要です。現在の仮定には「仮定法過去」が、過去の仮定には「仮定法過去完了」が用いられますので、時制がずれるということを常に念頭に置きましょう。

まとめ

「仮定法が理解できずに英語学習に挫折してしまった」という方が多いように、確かに仮定法は文法的に決して簡単なものではありません。しかし「時制がすれる」ということを肝に銘じて繰り返し練習すれば、決して難しいものではないことも事実です。

私たちが普段「~だったら」と日本語で口にするように、英語においても仮定法は日常的に非常によく使われる表現です。仮定法をマスターすれば聞き取り能力が向上することはもちろん、英会話のバリエーションの幅も大いに広がりますので、ぜひこの記事を参考に仮定法をクリアしてくださいね!

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