【学び直し英文法】付加疑問文とは?
英語の疑問文の一つである付加疑問文。文末に「do you?」、「isn’t it?」などを付け加えることで、同意を求めたり、相手の気持ち・意志を確認する際に使える表現です。日本語では、「ですよね?」、「だよね?」に相当します。試験で出題されることはそれほど多くありませんが、日常会話には頻出するので、ぜひ知っておきましょう。
英語の疑問文の一つである付加疑問文。
同意を求めたり、相手の気持ち・意志を確認する際に使える表現です。
日本語では、「ですよね?」、「だよね?」に相当します。試験で出題されることはそれほど多くありませんが、日常会話には頻出するので、ぜひ知っておきましょう。
付加疑問文の作り方
付加疑問文の作り方はいたって簡単。通常の文章(平叙文)の最後に疑問文を付け加えるだけです。動詞の種類によってつける疑問文は変わりますので、一つずつ確認していきましょう。
be動詞の場合
例文
It’s hot today, isn’t it?
今日は暑いですよね?
文末のisn’t it?の部分が付加疑問です。この文は肯定文ですから、be動詞「is」の否定形「isn’t」 + 「it」(主語)の形になっています。
一般動詞の場合
一般動詞が出てくる文では、付加疑問の形は「助動詞(do, doesなど)+ 主語?」となります。まずは肯定文の場合の例文を見てみましょう。
例文
You like coffee, don’t you?
あなたはコーヒが好きだよね?
文末のdon’t youが付加疑問です。助動詞doの否定形「don’t」 + 「you」(主語)という形になっています。
否定文の場合
否定文の場合、最後に付ける付加疑問文は肯定形となります。
例文
You aren’t from Osaka, are you?
あなたは大阪出身ではないですよね?
この文は否定文ですから、付加疑問は肯定の疑問形「are you?」になっています。
一般動詞の否定文の付加疑問文は、以下のようになります。
例文
Ken doesn’t like to sing, does he?
ケンは歌うことが好きではないですよね?
文末の付加疑問は肯定の疑問形「does he?」となっています。また、固有名詞(Ken)が付加疑問の部分では代名詞(he)となっていることにも注目してください。このように、付加疑問における主語は「代名詞」になるのが原則です。
過去形の場合
時制が過去形だったとしても、付加疑問文を作るのはいたって簡単。付加疑問文の動詞の部分を、過去形に変更するだけで問題ありません。
例文
It was so funny, wasn’t it?
あれはとてもおかしかったですよね?
例文
You asked it me before, didn’t you?
それ前も私に聞きませんでしたか?
助動詞を使った文の場合
canなどの助動詞を用いた文の場合も考え方は同じです。付加疑問の形は「助動詞 + 主語?」となります。
例文
Emi can run fast, can’t she?
エミは速く走れますよね?
こちらは肯定文なので、文末の付加疑問は助動詞canの否定形「can’t」 + 「he」となっています。
例文
You can’t drive, can you?
あなたは運転できませんよね?
こちらは否定文なので、付加疑問は肯定の疑問形「can you?」となっています。
命令文、Let’s~を使った文の場合
付加疑問文は、命令文やLet’sを使った文にも用いることができます。それぞれの使い方、答え方について見ていきましょう。
命令文の場合
命令文の付加疑問には「will you?」や「won’t you?」をよく使います。
例文
Come in and take a seat, will you?
中に入って座っていただけますか?
文末に「will you?」を付けて付加疑問文とすることで、丁寧で穏やかなニュアンスとなります。「will you」以外に、「won’t you」、「could you」、「can you?」などを使うこともあります。
Let’s?の場合
「Let’s?」という表現は、「?しよう」と相手を誘うときの決まり文句ですが、このような文にも付加疑問を使うことができます。
例文
Let’s go to the movie tonight, shall we?
今夜、映画を観に行きませんか?
上の例文のように、Let’s?で始まる文を付加疑問文にする場合は、文末に「shall we?」を加えます。shall weを付けない場合に比べて、少し丁寧な雰囲気となります。
通常の表現と何が違うの?
命令文、Let’s?それぞれの場合の付加疑問文の形を見てきましたが、これらの表現は日常の様々な場面で使うことができます。
例えば食卓で自分の席から手の届かない位置にあるドレッシングを近くの人に取ってもらうときを想定して考えてみましょう。
例文
Pass me the dressing.
ドレッシング取って。
このような通常の命令文の形だと、かなりフランクな言い方となります。相手と親しい関係であれば問題ありませんが、そうでない場合は文末に「would you?」や「will you」を付けた方が良いでしょう。
例文
Pass me the dressing, would you?
ドレッシングをとってくれませんか?
相手との関係次第ですが、この言い方であればより丁寧な印象を与えることができます。
Let’s ?文の場合も同様に、相手との関係性を考えてshall weを付けるかどうか判断すると良いでしょう。
一方、文末に「will you?」を付ける場合、下降調で発音すると横柄な雰囲気になるので注意しましょう。
例文
Open the door, will you?(↓)
ドアを開けておいてもらえるかな?
例えばビジネスの現場でクライアントに向かってこのような言い方をするのは適切でない可能性があるので避けた方が良いかもしれません。もちろん、相手がどのような立場の人であれ横柄な態度はとらない方が良いですが。
イントネーションでニュアンスが変わる
付加疑問文はイントネーション(抑揚)によってニュアンスが変わってきます。
上昇調の場合は、相手に事実を確かめるようなニュアンスになります。
一方で下降調の場合は、自分の言っていることに確信を持っていて、相手に同意を求めるニュアンスとなります。例文を見てみましょう。
例文
You are hungry, aren’t you?(↑)
お腹空いてる?
例文
You are hungry, aren’t you?(↓)
お腹空いてるよね?
上の2つは全く同じ文ですが、文末の付加疑問を上昇調で発音するか下降調で発音するかでニュアンスが変わります。
上昇調(↑)だと、相手がお腹が空いているかどうかはっきりと分からないので、確認するような意味合いになります。
下降調(↓)で発音した場合は、相手がお腹が空いていることに確信を持っており、自分の発言に同意を得られることを前提に念を押しているようなニュアンスとなります。
付加疑問文の答え方
次に、付加疑問文の答え方について解説します。肯定文、否定文それぞれのケースについて、ここまでに出てきた例文を使って見ていきましょう。
例文
It’s hot today, isn’t it?
今日は暑いですよね?
-Yes, it is.
はい、暑いですね。
-No, it isn’t.
いいえ、暑くないです。
このように、付加疑問文には肯定の答えの場合はYes, 否定の答えの場合はNoを使って答えます。
付加疑問文の答え方は、否定文の場合に少しややこしくなります。例文を見てみましょう。
例文
You aren’t from Osaka, are you?
あなたは大阪出身ではないですよね?
-Yes, I am.
いいえ、私は大阪出身です。
-No, I’m not.
はい、私は大阪出身ではありません。
Yes, Noで答えるところは肯定文の場合と同じですが、日本語との違いに注意が必要です。
日本語の場合、「違いますよね?」と聞かれたら「はい、違います。」と答えるのが普通です。ところが英語では「はい」と「いいえ」が逆になります。上の例文でも、英語と日本語訳が「Yes」と「いいえ」、「No」と「はい」と逆になっているのが分かるでしょう。
英語では、相手の質問の内容に関係なく、答えが肯定なら「Yes」、否定なら「No」と答えるのが原則です。英語を使うときに混乱しがちなポイントですので、意識的に慣れるように心がけましょう。
付加疑問文の例外
ここまで付加疑問文のルールをご紹介してきましたが、主語が「I」の場合のみ、例外的な付加疑問文となることも覚えておきましょう。
例文
I am going to the bank tomorrow, aren’t I ?
明日、私はその銀行に行くんですよね?
今まで解説したルールに従えば、最後の付加疑問文はamn’t I?が正しそうですよね?ただし英語ではmとnのように似た音を連続して発音することを嫌うため、主語がIの場合は変則的に「,aren’t I?」という形を使います。シンプルに「isn’t it?」で代用しても問題ありません。
付加疑問文に似た表現「right?」
付加疑問文に似た表現として、文末に「right?」をつけることがあります。
例文
This is yours, right?
これ、あなたのですよね?
rightは直訳すると「そうだよね?」ということなので、伝えるニュアンスは付加疑問文と変わりません。主語や時制によって形を変化させる必要もないので、付加疑問文に慣れるまではrightを使うのも良いでしょう。
まとめ
付加疑問文の作り方や答え方、使用シーンなどについて紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
付加疑問文は、通常の文章に肯定、否定それぞれの疑問形を加えるだけなので、難易度はそれほど高くありません。
気をつけたいポイントは答え方です。
日本語だと「いいえ」になるところで「Yes」となったり、「はい」になるところで英語だと「No」になったりします。
このあたりは何度も使ってみることで慣れてきますから、英語で会話する機会があれば積極的に使ってみましょう。
表現の幅がグンと広がるはずです。