【学び直し英語】過去完了形とは?現在完了形との違い
英語の「完了形」には「現在完了形」の他に、「過去完了形」「未来完了形」があります。完了形は日本語にない表現で、特に日本語訳をする際に適した表現がないなど、英語を学習する人にとっては少々理解が難しい文法でもあります。今回はそんな完了形における「過去完了形」について解説をしたいと思います。
英語の「完了形」には「現在完了形」の他に、「過去完了形」「未来完了形」があります。
完了形は日本語にない表現で、特に日本語訳をする際に適した表現がないなど、英語を学習する人にとっては少々理解が難しい文法でもあります。
今回はそんな完了形における「過去完了形」について解説をしたいと思います。
過去完了形とは
過去完了形とは、「過去のある時点を基準にして、それよりも以前の状態や動作」について表現する文法です。
過去完了形の文法
- 主語 + had + 過去分詞
- 主語 ’d + 過去分詞
過去完了形と過去形の違い
ここでもう一つ混乱を招きやすいのが、「過去形と過去完了形、何が違うのか?」ということです。
ざっくりと説明をすると、
- 過去形…過去のある時点のみの状態・動作を表現する
- 過去完了形…過去のある時点までの状態・動作を表現する
この違いがあります。
例文
I finished my homework at 6pm.
私は午後6時に宿題を終えた。
I had finished my homework by 6 pm.
私は午後6時には宿題を終えていた。
上の例文は過去形で、午後6時の時点で宿題を終えたということを説明している文章で、それ以外の時間においては言及をしていません。
下の例文は過去完了形で表現されていて、午後6時の時点では宿題を終えている、つまりそれ以前に宿題を終わらせていた。という言及している時点よりも過去のことを含めて説明をしています。
現在完了形との違い
現在完了形と過去完了形の違いは、基点となるのが現在か過去かという点です。
現在完了形は、現在から見て過去のある時点から現在までのことを表します。過去完了形は、過去のある時点から見てさらに前の時点から過去のある時点までのことを表します。
過去完了形の用法
過去完了形は現在完了形同様、経験・継続・結果・完了の4つの用法があります。
経験用法
過去完了の経験用法では、過去のある時点において経験をしていたことを表現します。
例文
I had been hospitalized before I was 30.
私は30歳までに入院したことがありました。
過去完了形の経験用法の場合は、「~までに~したことがあった」と訳すと意味が掴みやすいでしょう。
継続用法
過去完了の継続用法は、過去のある時点において、それよりも過去からずっと継続していたことを表現します。
例文
I had lived in Japan for five years before I went to America.
私はアメリカに移る前、日本に5年間住んでいました。
過去完了形の継続用法は、「ずっと~していた」と訳すと良いでしょう。
結果・完了用法
過去完了形の結果用法では、過去のある時点において、それよりも過去の状態や完了した動作の結果の影響が、過去のある時点にまで及んでいたことを表現します。
そして過去完了の完了用法は、過去のある時点において、それよりも過去の状態や動作が完了していることを表現します。
この二つの用法はよく似ているため、一緒に説明されることが多い用法です。
例文
I had finished dinner before my father came home.
父が帰宅する前に、私は夕食を済ませてしまっていた。
過去完了の結果・完了用法では、already (すでに)、just (ちょうど)のような完了や瞬間を表す副詞がよく用いられています。
過去完了形を使うケース
そして、過去完了形には上記以外にも、以下のようなケースで使うこともあります。
大過去
大過去とは、過去に起きた2つの事柄について述べる時に、その2つのうち一番古い事柄のことを言います。
例えば、
I lost a book my father had given me last year.(昨年、父からもらった本をなくしました。)という文章の場合、
- 本を失くした
- 本をもらった
時系列でみると、「本をもらった」方が過去の事柄になります。
そしてその一番過去の事柄を説明する際に「過去完了形」を使います。
これによって、2つの過去の事柄の前後関係がはっきりします。
仮定法過去完了
仮定法過去完了とは、過去の事実とは反することを過去完了形を使って表す用法です。
例文
If I had been hungry, I would have had some cake.
もしおなかが空いていたら、ケーキも食べたのに。
この文章の場合、「おなかが空いていた」「ケーキも食べた」のは仮定のことで、実際にはおなかは空いていませんし、ケーキは食べませんでした。
事実と反することを仮定するときに、過去完了形を使って表現をします。
If節では「had 動詞の過去分詞」、主節では「would/could have 動詞の過去分詞」を使うのが一般的です。
過去完了進行形
過去完了進行形とは、過去のある時点から、過去の別の時点まで続いていた動作や出来事のことを表現します。
過去完了形の継続用法と同じ意味ですが、「ずっとその動作を続けていた」ことをより強調するニュアンスとなります。
過去完了進行形は「had been 動詞の進行形」で表現します。
例文
My brother had been sleeping until I woke him up.
弟は私が起こすまでずっと寝ていました。
「My brother slept until I woke him up.」でも問題はありませんが、過去完了進行形にすることで、「ずっと続いていた」ことが強調されます。
過去完了形を使わないケース
- 過去の出来事を順番に述べる場合
- 「before」や「after」などが使われ、時系列がハッキリしている場合
- 日常的な会話
まとめ
過去完了形のポイントについてまとめて解説をいたしました。
過去完了形とは過去に起きたことを述べる文法ですが、以下のような違いがあります。
過去形との違い 過去形は過去のある時点における動作や状態についてピンポイントで述べるのに対し、過去完了形は過去のある時点において、それよりも過去から続いている動作・状態について述べる。
現在完了形との違い 述べるときの基点の違い。現在から見て述べるのが現在完了形、過去のある時点から見て述べるのが過去完了形。
過去形や現在完了形との区別がややこしく感じますが、違いをきちんと整理することで理解が一気に進みますので、このルールをしっかりと押さえておくようにしましょう!