
もう迷わない!基本動詞”get”の使い方完全ガイド|ネイティブ感覚が身につく例文20選
多くの日本人が「手に入れる」としか覚えていない基本動詞”get”。実は、その使い方は多岐にわたります。この記事を読めば、“get”の核心的なイメージ(コアイメージ)を掴み、ネイティブのように自然な表現を使いこなせるようになります。豊富な例文と実践的な練習法で、あなたの英会話は今日から変わります。

なぜ日本人は基本動詞”get”の使い方が苦手なのか?
「難しい英単語をたくさん知っているのに、いざ話そうとすると言葉が出てこない…」そんな経験はありませんか?
多くの英語学習者が、語彙力こそが会話力の鍵だと信じていますが、実はネイティブの日常会話は、私たちが中学校で習ったような基本的な動詞で成り立っています。その代表格が、今回特集する「get」です。
では、なぜ私たちはこの便利な「get」を使いこなせないのでしょうか。その原因は、英語と日本語の構造的な違いと、学校で教わってきた「一対一の翻訳」という学習方法にあります。私たちは無意識のうちに「get = 手に入れる」という公式を頭に刷り込み、それ以外の使い方に対応できなくなってしまっているのです。しかし、getの本当の魅力は、その圧倒的な汎用性にあります。
“get”のコアイメージは「→●(状態の変化)」だけ覚えればOK!
無数にあるgetの日本語訳を丸暗記するのは不可能です。大切なのは、その根底に流れる「コアイメージ」を掴むこと。getのコアイメージは、非常にシンプルです。
「ある場所や状態(●)へ、矢印(→)のようにダイナミックに移動・到達するプロセス」
この「変化の過程」という感覚こそが、getを理解する上での最重要ポイントです。静的な「状態」を表すbe動詞やhaveとは異なり、getは動きのあるプロセスを生き生きと描き出す動詞なのです。
“have”や”be動詞”との決定的な違い
例えば、“I get angry.” と “I am angry.” の違いを見てみましょう。
- I get angry. → 怒っていなかった状態から、怒っている状態へ「変化する」プロセスを描写します。
- I am angry. → すでに「怒っている」という状態そのものを述べています。
この「プロセス vs 状態」という対比を理解すれば、getの使い方が感覚的にわかるようになります。
【状況別】ネイティブの”get”の使い方を例文でマスター
それでは、コアイメージ「→●」が実際の会話でどのように使われるのか、5つの基本機能に分けて見ていきましょう。
① 「もらう・手に入れる」を表すgetの使い方(獲得)
何かが自分の領域(●)に移動してきて(→)、所有下に入るプロセスです。「(動いて)手に入れる」というイメージが中心となります。
【例文】
I got a new bike.
新しい自転車を買ったよ。
【例文】
Can I get a coffee?
コーヒーをもらえますか?
【例文】
I got a great idea!
すごいアイデアを思いついた!
【例文】
I got a cold from my sister.
妹から風邪をもらった。
動詞 | コアニュアンス |
---|---|
get | 最も一般的で口語的。買う、もらう、稼ぐなど幅広い「獲得」のプロセスを指す。 |
receive | ややフォーマル。受動的に何かを受け取る行為。手紙や公式な通知などに適している。 |
buy | 「購入する」という金銭の対価を伴う行為に限定される。 |
② 「〜になる」状態の変化を表すgetの使い方
ある状態(●)に向かって(→)変化が進行していくプロセスです。「周りの影響や時間の流れで、自分が新しい状態になる」という感覚です。
【例文】
I’m getting hungry.
お腹が空いてきた。
【例文】
It’s getting dark.
暗くなってきた。
【例文】
She got married last month.
彼女は先月結婚した。
【例文】
He got fired.
彼はクビになった。
③ 「着く・到達する」を表すgetの使い方
物理的な場所(●)へ移動し(→)、そこに到着するプロセスです。日常会話では”arrive”よりも頻繁に使われます。
【例文】
What time did you get home?
何時に家に着いた?
【例文】
We got to the station just in time.
ちょうど駅に着いた。
【例文】
How can I get to the museum from here?
ここから美術館へはどう行きますか?
④ 「理解する」を表すgetの使い方
情報や概念が、自分の頭の中(●)に到達し(→)、腑に落ちるプロセスです。「情報や考えを手に入れてつかむ」というイメージです。”understand”よりも口語的で、「ピンときた!」というニュアンスで使われます。
【例文】
I get it. / Got it.
わかったよ / なるほど。
【例文】
I don’t get what you mean.
あなたの言うことが理解できない。
【例文】
Now I get why he was upset.
彼が怒っていた理由が今わかった。
⑤ 「〜させる・してもらう」使役のgetの使い方
働きかけによって、人やモノをあるべき状態(●)に到達させる(→)プロセスです。「目的語を行為に向かって動かし、その結果を得る」というイメージになります。
【例文】
I need to get my hair cut.
髪を切ってもらう必要がある。
【例文】
I got my bike fixed.
自転車を修理してもらった。
【例文】
Can you get him to call me back?
彼に折り返し電話するように頼んでくれる?
【例文】
Let’s get started!
さあ、始めましょう!
表現力が倍増する!”get”を使った重要句動詞
ネイティブの会話は、句動詞(動詞+前置詞/副詞)で溢れています。getと前置詞が持つ方向性のイメージを組み合わせることで、丸暗記せずに意味を推測できるようになります。
句動詞 | 意味 | 例文 |
---|---|---|
get up | 起きる、立ち上がる | I get up at 6 AM every morning. |
get on / off | (公共交通機関に)乗る / 降りる | Let’s get on the train. / We need to get off at the next station. |
get in / out | (車など狭い空間に)乗る / 降りる | Just get in the car! / Get out of my room! |
get along with | ~と仲良くする | She gets along with everyone. |
get over | ~を乗り越える、忘れる | It took me a while to get over the shock. |
get rid of | ~を処分する、取り除く | I need to get rid of these old clothes. |
“get”の使い方を定着させる3ステップ練習法
知識をインプットするだけでは話せるようになりません。アウトプットを意識した練習で、「わかる」を「使える」に変えましょう。
- 意識的置換トレーニング
普段 “arrive” や “buy”、”understand” を使っている場面で、意識的に “get to” や “get” に置き換えてみましょう。「I arrived at work.」を「I got to work.」に変えるだけで、より口語的な響きになります。 - インプットと分析
映画や海外ドラマを見ながら「get探偵」になってみましょう。「今のgetはどの意味だろう?」と考える習慣をつけることで、文脈に応じたニュアンスの理解が飛躍的に深まります。 - アクティブ・アウトプット
今日学んだフレーズを3つ選び、自分に関する短いストーリーを作ってみてください。そして、オンライン英会話などで失敗を恐れずに使ってみましょう。この一歩が、あなたの英語を「生きたスキル」へと変えます。
まとめ:基本動詞”get”をマスターして英会話を次のレベルへ
基本動詞”get”をコアイメージで捉え、自在に使いこなすことは、単に語彙が増える以上の意味を持ちます。それは、英語をよりダイナミックに、そして感覚的に捉えることができるようになるということであり、英会話への自信と流暢さに直結します。まずは今日学んだフレーズを一つ、実際の会話で使ってみることから始めましょう。
- ポイント1:“get”の日本語訳を覚えるのではなく、「→●(状態の変化)」というコアイメージで理解する。
- ポイント2:“get”は「獲得」「状態変化」「到達」「理解」「使役」など、非常に幅広い状況で使える万能動詞である。
- ポイント3:句動詞をマスターすることで、表現の幅が劇的に広がる。
- ポイント4:知識を定着させるには、意識的なアウトプットが不可欠。
“get”を制する者は英会話を制す。このガイドが、あなたの英語学習のブレークスルーになることを願っています。