【said meは間違い!】sayとtellの決定的違いとは?文の形で全て解決!

「彼は私に、忙しいと言いました」
この文を英語にしようとして、”He said me that he was busy.” と書いてしまった経験はありませんか? 意味は通じそうですが、これはネイティブスピーカーが聞くと強い違和感を覚える、典型的な文法エラーです。

`say` と `tell` は、どちらも「言う」や「伝える」と訳せるため、多くの日本人英語学習者がその使い分けに苦労します。しかし、この2つの動詞の違いは、意味のニュアンスというよりも、その動詞の後に続く「文の形(語順)」に注目することで、驚くほどシンプルに解決できます。

この記事では、もう二度と `say` と `tell` の使い方で迷わなくなる、たった一つの絶対的なルールを解説します。このルールをマスターすれば、あなたの英語はより正確で自然になります。

結論:動詞の直後に「人」が来るかどうか

`say` と `tell` を使い分けるための、最も重要で簡単なルール。それは、動詞のすぐ後ろに「誰に」にあたる人(目的語)が来るかどうかです。

  • say:動詞の直後に「人」は来ない。焦点は「言った内容」にある。
  • tell:動詞の直後に必ず「人」が来る。焦点は「伝えた相手」にある。

つまり、動詞のすぐ後に `me`, `him`, `her`, `us` などの人が来るなら `tell`、来ないなら `say` と機械的に判断してしまって、ほぼ問題ありません。この大原則を元に、それぞれの使い方を詳しく見ていきましょう。


say:「内容」が主役の動詞

say の主役は、「何を言ったか」というセリフや内容そのものです。そのため、`say` の直後には、言った内容(名詞節や引用符 “”)が続きます。`say me` や `say him` のように、`say` の直後に人が来ることは絶対にありません。

もし「誰に」言ったかを伝えたい場合は、`to` を使って、文の最後に付け加える形になります。

`say` の基本的な形

`say (+ that) + 内容`
`say “…”`
`say + 内容 + to + 人`

`say` を使う具体的な例文

【例文】
She said (that) she was hungry.
日本語訳:彼女はお腹が空いていると言いました。

(訳注:`said` の直後には `she was hungry` という「内容」が来ています)

【例文】
“I’ll call you later,” he said.
日本語訳:「後で電話するよ」と彼は言いました。

【例文】
He said nothing to me about the plan.
日本語訳:彼はその計画について、私に何も言いませんでした。

(訳注:「私に」を表す `to me` は、`said` の直後ではなく、内容の後に来ています)


tell:「相手」が主役の動詞

tell の主役は、「誰に伝えたか」という情報を受け取る相手です。そのため、`tell` の直後には、必ず `me`, `him`, `her`, `the students` のような「人」が来ます。

「人に内容を伝える」という情報の伝達に焦点が当たっているため、聞き手がいない `He told that…` のような形は間違いになります。

`tell` の基本的な形

`tell + 人 + (+ that) + 内容`

`tell` を使う具体的な例文

【例文】
She told me (that) she was hungry.
日本語訳:彼女は私にお腹が空いていると伝えました。

(訳注:`told` の直後に `me` という「人」が来ています)

【例文】
Please tell me your name.
日本語訳:あなたの名前を教えてください。

【例文】
Did you tell him the good news?
日本語訳:彼にその良い知らせを伝えましたか?


【一覧表】`say` と `tell` の文の形を徹底比較

2つの動詞の文型(語順)の違いを、表で視覚的に確認しましょう。

動詞 文の形 焦点 例文
say say (to 人) 内容 内容 He said (to me), “Hello.”
tell tell 人 内容 人(相手) He told me his secret.

`tell` を使う決まり文句

`tell` は、特定の情報や物語を伝える決まった表現でよく使われます。

  • tell a story(物語を話す)
  • tell a joke(冗談を言う)
  • tell a lie(嘘をつく)
  • tell the truth(真実を言う)

まとめ

今回は、多くの学習者が混同する `say` と `tell` の違いについて、文の形という観点から解説しました。意味が似ているからこそ、語順のルールが決定的な違いを生み出します。

次に「言う」「伝える」を使いたくなったら、まず「動詞のすぐ後ろに『人』を置きたいか?」と自問してみてください。その答えが Yes なら `tell`、No なら `say` です。このシンプルなルールを意識するだけで、致命的な文法ミスを確実に防ぐことができます。

今日のポイント

  • ✅ 動詞の直後に「人」が来ない場合(内容がすぐ続く)は → say
  • ✅ 動詞の直後に「人」が必ず来る場合は → tell
  • “say me” や “say him” は100%間違い。人を続けたい場合は `say something to me` のように `to` が必要。
  • “tell that…” も間違い。`tell` の後には必ず人が来る。

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