イギリス英語とアメリカ英語の違い|発音から単語の意味、使い方まで

英語には、主にイギリス英語とアメリカ英語があり、文法や発音、言葉の意味などさまざまな点で違いがあります。英語は世界共通の言語として知られていますが、発音や使う英単語によって言いたいことが通じなかったり、違う意味で伝わったりしてしまうケースがあります。そもそも、イギリス英語とアメリカ英語はなぜ違うのでしょうか。また、使い分けるときのポイントはどこにあるのでしょうか。
この記事では、イギリス英語とアメリカ英語が異なる理由、発音や用法、英単語の違いについてご紹介します。

イギリス英語とアメリカ英語が異なる理由と主な違い

イギリス英語とアメリカ英語の違いは、社会背景が大きく影響しています。英語という言語の歴史を紐解きながら、イギリス英語とアメリカ英語の違いについて見ていきましょう。

イギリス英語とアメリカ英語が異なる理由

アメリカは、かつてイギリスの植民地で、17世紀初期にイギリスからアメリカに渡った人々によって英語がアメリカ大陸に伝わり、言語が根付いていきました。以降、1776年の独立宣言発表当時までは両国で同じ英語が使われていたといわれています。
その後、イギリスでは英語が独自に進化を遂げていきます。イギリス英語が変化した理由の一つは、国外から新たな英単語を取り入れたことです。例えば、「秋」はアメリカでは「fall」、イギリスでは「autumn」が使われていますが、「autumn」はフランス語から取り入れられた言葉です。「autumn」は「収穫期」という意味のラテン語で、スタイリッシュで新しさがあることから受け入れられたといわれています。また、イギリスでは、階級の差を示すために英語の発音が使い分けられてきました。上流階級はノン・ロウティック・アクセントという異なる発音をするなど、言語がその人の身分を表す一面もありました。現代でも、標準語とされる「RP(容認発音)」と「コックニー」という下町英語などの違いがあり、RPは主に上流階級の人、コックニーは労働者階級の人を中心に使用されています。このように、イギリスで独自の言語文化が育まれていく中で、アメリカ英語との違いが生まれたといえます。

イギリス英語とアメリカ英語の違い

イギリス英語とアメリカ英語の大きな違いの一つが発音です。イギリス英語は、ノン・ロウティック・アクセントで、アメリカ英語はロウティック・アクセントで発音されます。「r」をはっきり発音するのがロウティック・アクセントの特徴で、アメリカ英語では音節末尾の母音に続く「r」を発音するとき、舌を上げて音をこもらせます。
一方、イギリス英語はノン・ロウティック・アクセントで、後に母音が続かない「r」は、一部例外を除き発音されません。そのため、「father」と「farther」、「poor」と「paw」が同じように聞こえることがあります。

また、イギリス英語は子音をはっきり発音しますが、アメリカ英語はリンキング(単語の末尾の音と、その直後の単語の頭の音がつながって違う発音になること)が顕著です。例えば、イギリスでは「water」を「ウォター」、アメリカ英語では「ウォラー」と発音します。
イギリス英語は地域や階級によって発音が異なるという特徴があるように、アメリカ英語にも多少地域差があります。特に大きいのは南部訛りで、母音を伸ばす、鼻にかかった発音が特徴的です。

日本の学校教育で学ぶ英語は、アメリカ英語が一般的です。一方で、イギリス英語は国際会議のような場で使われることも多く、イギリス英語のほうがフォーマルとされています。イギリス英語とアメリカ英語のどちらを学習すべきかについては、英語を話す相手やシーンを考慮すると良いでしょう。

イギリス英語とアメリカ英語の用法・表現の違い

同じシチュエーションでも、イギリス英語とアメリカ英語では、用いる英文法や表現の方法に違いがあります。ここでは、日常的に使われるイギリス英語とアメリカ英語の違いについてお伝えします。

現在完了形

現在完了形とは、過去に起こったことが現在まで続いていたり、現在の状況とつながっていたりする際に使われる用法です。イギリスでは現在完了形と過去形が使い分けられますが、アメリカ英語では過去形で表される場合が多いという違いがあります。
「lose」を使った英文を例に、ご説明します。

物をなくし、今も見つかっていないというシチュエーションでは、アメリカ英語は過去形を使った下記で通じます。
I lost my wallet.(私は財布をなくしました)

一方、イギリス英語では現在も見つかっていないことを伝えるには現在完了形を使います。
I have lost my wallet.(私は財布をなくし、まだ見つかっていません)

イギリス英語では、already(すでに)やyet(まだ)といった副詞は、以下の例のように現在完了形とともに使うのがルールです。

I have already met him.(彼にはもう会いました)

一方、アメリカ英語ではこれらの副詞を過去形の文で使っても問題ないとされています。

I already met him.(彼にはもう会いました)

takeとhave

「take lunch(昼食を取る)」など、アメリカ英語で使う「take~」という表現は、イギリス英語ではほとんど「have~」と言い換えます。どちらも間違いではありません。後ろにはどちらも同じ単語が続くので、takeとhaveの使い分けが必要なことを理解していれば戸惑うことはないでしょう。下記に例をご紹介します。

風呂に入る
イギリス英語:have a bath
アメリカ英語:take a bath

休憩する
イギリス英語:have a break
アメリカ英語:take a break

席に座る
イギリス英語:have a seat
アメリカ英語:take a seat

時間の表現

時間の表記にも違いがあり、慣れないと混乱しやすいポイントです。アメリカ英語では、基本的に時間と分の数字を並べて表記しますが、イギリス英語では、「○時から△分過ぎた」または「○時まで△分」という感覚で時間を表す傾向があります。

8時15分の場合
イギリス英語:quarter past eight(8時から1/4時間=15分=が過ぎた)
アメリカ英語:eight fifteen

11時20分の場合
イギリス英語:twenty past eleven(11時から20分が過ぎた)
アメリカ英語:eleven twenty

13時半の場合
イギリス英語:half past one(1時から1/2時間=30分=が過ぎた)
アメリカ英語:one thirty

2時45分の場合
イギリス英語:quarter to three(3時まであと1/4時間=15分)
アメリカ英語:two forty-five

イギリス英語とアメリカ英語の単語の表記・意味の違い

両国で使われる単語の違いにも特徴があります。同じ意味でも語尾の英語表記が微妙に違ったり、全く異なったりするパターン、同じ英単語でも使われる意味が変わるものなどがあるので注意しましょう。

スペルの違い

イギリス英語とアメリカ英語で単語の表記が異なるものの多くは、語尾の違いに特徴があります。語尾が違う点として、イギリス英語は「-our」、アメリカ英語は「-or」と表記される単語や、イギリス英語は「-re」、アメリカ英語は「-er」、イギリス英語は「-se」、アメリカ英語は「-ze」などのパターンがあります。具体的な例を見て確認しましょう。

・色
イギリス英語:colour
アメリカ英語:color

・味
イギリス英語:flavour
アメリカ英語:flavor

・態度、ふるまい
イギリス英語:behaviour
アメリカ英語:behavior

・映画館
イギリス英語:theatre
アメリカ英語:theater

・中心
イギリス英語:centre
アメリカ英語:center

・記憶する
イギリス英語:memorise
アメリカ英語:memorize

・謝る
イギリス英語:apologise
アメリカ英語:apologize

語尾の違いのほかに、単語自体が異なるケースもあります。

・荷物
イギリス英語:luggage
アメリカ英語:baggage

・歩道
イギリス英語:pavement
アメリカ英語:sidewalk

・伝票、勘定書
イギリス英語:bill
アメリカ英語:check

単語の意味の違い

同じ英単語でも、イギリス英語とアメリカ英語で意味が異なるケースがあります。以下に、代表的な例をご紹介します。

・chips
イギリス英語の意味:フライドポテト
アメリカ英語の意味:ポテトチップス

・cider
イギリス英語の意味:リンゴ酒
アメリカ英語の意味:リンゴジュース

・dummy
イギリス英語の意味:おしゃぶり
アメリカ英語の意味:模造品、替え玉
日本語でも浸透しているダミーという言葉はアメリカ英語の意味です。

・first floor
イギリス英語の意味:二階
アメリカ英語の意味:一階
イギリス英語で一階は「ground floor」と表します。

・football
イギリス英語の意味:サッカー
アメリカ英語の意味:アメフト

・lift
イギリス英語の意味:エレベーター
アメリカ英語の意味:上昇する(こと)
アメリカ英語では、エレベーターを「elevator」と表しますが、イギリス英語ではあまり通じません。

・pants
イギリス英語の意味:下着
アメリカ英語の意味:ズボン

・subway
イギリス英語の意味:歩行者用の地下道
アメリカ英語の意味:地下鉄

・suspenders
イギリス英語の意味:下着を吊るサスペンダー、ガーターベルト
アメリカ英語の意味:ズボンを吊るサスペンダー

・trolley
イギリス英語の意味:路面電車
アメリカ英語の意味:ショッピングカート

英米の言葉の違いを知り、表現の幅を広げよう

英語という一つの言語でも、社会背景や文化の違いなどにより、イギリスとアメリカで細かな差があります。海外出張などで英語が必要な場合は、滞在先によって単語や発音が変わってくることがありますので、現地の人とコミュニケーションを取るときには注意しましょう。また、通じるはずの英語が伝わらないというシーンに遭遇したら、それぞれの特徴を思い出して発音を変化させると、相手の反応に変化が見られるかもしれません。発音や表現の多様性を吸収し、英語という言語への理解をより一層、深めていきましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
ページ上部へ戻る